進撃の巨人【マンガ】第5巻のストーリー・あらすじと伏線まとめ
トロスト区奪還作戦は無事成功したものの、エレンは身柄を拘束され審議にかけられる。エルヴィンとリヴァイの作戦で調査兵団に引き取られることになったものの、壁内の人間たちとエレンや調査兵団との考え方のギャップが浮き彫りになった。
主要キャラの配属先も決まり、いよいよ本格的な戦いが始まる。一ヶ月後の壁外調査に向けて調査兵団は動き出したが、トロスト区で生け捕りにした巨人、ソニーとビーンが何者かによって殺害された。
犯人は兵団の中にいると読んでいるような雰囲気のエルヴィン。事件の真相は謎のまま壁外調査の出発のときが来る。
特別編「イルゼの手帳」収録。過去に言葉を話す巨人がいたことが明らかになる。巨人が口にした「ユミル様」とは??
ストーリー・あらすじ
第19話「まだ目を見れない」
- エレンが入れられている地下牢に調査兵団の分隊長ハンジ・ゾエとミケ・ザカリアスが現れる。2人共実力者である。
- 2人に連れられたエレンはある部屋に。そこは審議所だった。
- 巨人化する人間エレンの扱いをどうすべきか、兵団は裁判で決定することにした。兵団トップのダリス・ザックレー総統が初登場。
- 憲兵団は「エレンを体を調べて情報を得た後、処分すべき」と考えている。調査兵団は「エレンは人類がウォール・マリアを奪還するための戦力になる」と考えている。このどちらかがエレンを引き取ることになる。
- 憲兵団以外にもウォール教や保守派などエレンを疎ましく思っている人間は多い。エレン擁護派は調査兵団だけである。
- 議論が進む中、しびれを切らしたエレンが「いいから俺に投資しろ」と叫び、みんなビビる。
- その瞬間、リヴァイがエレンに近づきボコボコに蹴り始める。なぜ?
- エレン処分派は、なんだかんだいって巨人エレンを殺せる確証はない。しかし、リヴァイら調査兵団はそれができる。だから調査兵団に預けておいたほうがとりあえず安心だろうという主張。
- エルヴィンの主張。調査兵団がエレンを預かり壁外調査に出る。そこでエレンが人類の助けになるということを証明してみせるという。
- 晴れてエレンは調査兵団員に。しかし、壁外調査の成果次第では、またエレンの身に危険が及ぶことになる。
- エレンはリヴァイに蹴られて歯を失ったが、すぐにまた生えてきた。巨人になれる人間は傷を負ってもすぐに回復するらしい。
第20話「特別作戦班」
- 特別作戦班、通称リヴァイ班と共に行動することになったエレン。リヴァイ班のメンバーは精鋭部隊である。エレンが巨人化しても制御できる(殺せる)数少ない存在。
- メンバーのオルオ、ペトラ、グンタ、エルドらは若いが優秀な兵士。そして変わり者ばかり。
- オルオはリヴァイに憧れており、話し方を真似している(しかし全然似ていない)。しばしば舌を噛む。
- ペトラは女性。人気がある。オルオはペトラのことが好きなのだと思われる。
- エレンらリヴァイ班は、旧調査兵団本部で活動することになった。古城を改装した建物であり、エレンがメンバーと離れ夜寝る時は地下室におくことで、巨人化したときのリスクを回避する狙いがある。
- 古城を掃除する場面があり、ここでリヴァイの潔癖っぷりが表現される。またペトラから、「思いの外小柄、神経質で粗暴で近寄りがたい性質。調査兵団入団前は地下街のゴロつきだったが、エルヴィン団長の元に下る形で入団したこと」などが説明される。
- エレンは、リヴァイは圧倒的な力を持ちながらも、上の命令に対して従順なことを不思議に感じている。
- 夜食堂で「30日後に新兵も含めた壁外調査が実施される」ことが明かされる。兵士たちからすれば、やや急なタイミングであると感じられるが、リヴァイによればエルヴィンに何か考えがあるのだろうとのこと。
- 先輩に「巨人になるとはどういうことか」と聞かれ、エレンは自分が「手を噛むと巨人になれること」を事前に知っていたことに気づく。なぜなのかはわからないまま。
- 食堂がハンジがやってくる。エレンが余計なことを言ったおかげで、ハンジの「巨人トーク」が朝まで続くことになり、エレンは一人で付き合わされる。
- トロスト区奪還作戦の際、調査兵団は2匹巨人(ソニーとビーン)を生け捕りにした。ハンジは様々な実験を通して巨人の生態を研究している。
- 「意思の疎通は不可能」「日光を遮断すると数時間で活動を停止する」「痛覚はどうなっているかは不明瞭」「大きさの割に軽量であること」などが延々と説明される。
- 次の日の朝、ソニーとビーンが殺されたことが明らかになる。犯人は2人、立体機動装置を使って現れ、同時に2体の巨人を殺害した後、見張りも気づいたころには既に遠くにいたほど迅速な行動を取っていた。
- つまり犯人は兵団組織内の人間である。
- エルヴィンがエレンに話しかける。「君には何が見える?敵は何だと思う?」
第21話「開門」
- ソニーとビーンの殺害事件後、兵団内で犯人探しが始まる。立体機動装置のチェックシーンでアルミン、コニー、アニが並んでいる。
- アルミンは「貴重なサンプルが失われたことは人類にとって損失」と考える。
- コニーは「巨人が憎かったのだろう。俺はバカだからわかる気がする」と言う。
- このときのコニーの発言で、ジャンが調査兵団に入団するつもりであることが発覚する。初登場時から憲兵団入団を表明していたが心境の変化があったことが伺える。
- アルミンは、「アニは同期に調査兵団に入団してほしくないと思っている」と感じている。アニは憲兵団志望で理由「自分が助かりたいだけ」と発言するが……
- アルミンがアニの立体機動装置をチラ見するシーンが描かれる……。
- 訓令兵を卒業したエレンの同期たちはいよいよ所属先が決まる。調査兵団の勧誘式でエルヴィンの演説。
- 5年ぶりに巨人が襲来し、現場に居合わせ恐怖を知ってしまった104期生たちにとって、最も危険な調査兵団への入団はとても勇気のいることである。
- にも拘わらず、エルヴィンの演説は極端に恐怖を煽るような内容であった。さらに、エレンの巨人化能力のこと、エレン宅の地下室のことなど、今後の展望についても不自然なほどの豊富な情報開示もあった。
- いくら兵士を集めたいとはいえ、エレン関係の情報を公にするなんてやりすぎである。しかし、アルミンは何か意図があるのではないかと考える。
- 訓練兵時代のおなじみのメンバーに加え、総勢21名が調査兵団に入団することになった……。
- そして一ヶ月が過ぎ、新兵も含めたメンバーで調査兵団は第57回壁外調査へと出発する。
第22話「長距離索敵陣形」
- エレンの回想(壁外調査に出発する前。数日~数週間前)。リヴァイ班メンバーと壁外調査の陣形の確認をしている。
- 壁外調査でエレンが位置するのは「五列中央・待機」というかなり後ろで安全な場所である。
- 先輩らの解釈は、この調査は「本来の目的であるシガンシナ区行き」の試運転のようなものだから、今回は「無事に行って帰ってくる」ことが大切なのだろう、というもの。
- といいつつ、もしかしたら「行って帰ってくる」以外の目的があるのかもしれない。しかし、兵士たちには知らされていない。
- 知らされていないということは、それはエルヴィン団長が作戦の詳細を説明すべきでないと考えているのだろう、だから兵士たちは「行って帰ってくる」ことに専念すべきなのである。
- 久しぶりに同期と再会するエレン。お互いしばらく離れて活動していたため、ミカサやアルミン、他の皆が調査兵団に入ったことをここで初めて知る。マルコが死んだことも。
- お互いに状況をよくわかっていないため、ミカサはエレンの身を案じている。特に、審議のときにエレンを蹴りまくったリヴァイに対してはよく思っていない様子。
- ジャンはエレンに対して厳しい言葉をかける。「きっちり値踏みさせろ」と。なぜなら、自分含め多くの兵士は、これから巨人との戦いで死ぬことになるから。
- なんのために巨人と戦って死ぬのか。人類の未来のために?人類のためにメインで戦うのはエレン。つまりエレンのために自分は死ぬことになる。
- だからエレンがしっかりしていないと、いざ命を捨てるときに迷ってしまう。それは避けたい。だから「値踏みさせろ」ということになる。
- 壁外調査の場面へ。
- エルヴィンが考案した長距離索敵陣形とは、巨人との戦闘を避けながら目的地に進むためのものである。状況に応じて信煙弾を放って信号を送り合って陣形を保つ。
- 壁外調査において「いかにして巨人と戦わないか」が最も重要であることが、オルオからエレンに説明される。
- アルミンがいる班の近くに「女型の巨人」が出現。あっという間に先輩兵士が殺されアルミンに迫ってくる……。
- 「女型の巨人」は巨人の大群を引き連れて右翼索敵班を壊滅させており、その後にアルミンの元へ来た様子。
特別編・イルゼの手帳
- 壁外調査中、森の中で手帳が発見された。それは第34回壁外調査に参加した団員イルゼ・ラングナーによるものであった。
- イルゼが残した手帳によると、巨人の中には言葉を話すものがいるらしい。
- その巨人は「ユミルの民」「ユミル様」「よくぞ」という言葉を話した。
- イルゼは「どこから来たのか」「なぜ人間を食べるのか」など質問をしたが、巨人が答えることはなかった。
- 巨人は人間が話す言葉を多少は理解はできているようだが返事はしない。しかし、その言葉によって何か考え、思い悩み自傷するような素振りを見せた。
- 結局、巨人はイルゼを食べてしまい、悲しげな表情をした。
発売日:2011年8月9日(火)
伏線・謎・ヒント
- 保守派の発言「超大型巨人が破壊できるのは壁の扉の部分だけ。扉さえ頑丈に作り直せばこれ以上攻められることはない」。
- 巨人といえども「壁そのもの」を破壊する力はないことがわかる。また、これ以上攻められないのであればそれで良いと考えており、人類が壁の外も含めて世界で自由に活動することを求めてはいないことが伺える。
- 多くの壁内住民は現状維持で満足、安全な壁の中で暮らせるのだからそれでいいだろうと考えている。自由を求めるエレンやアルミンとは対称的。
- 自傷行為によって巨人化できることをエレンは知っていた。しかし、なぜ知っていたのかがわからない。
- エルヴィンの「君には何が見える?敵は何だと思う?」という発言。
- ジャン「オレ達はもう知ってる もう見ちまった……巨人がどうやって人間を食べるのか---」この発言はピクシス司令の演説に係っているのでしょう。
- ジャン「値踏みさせろ」は、多くの一般兵士たちの気持ちの代弁。
- エルヴィンの壁外調査の目的とは?
- 「女型の巨人」は知性があるとアルミンは判断した。なぜなら、人間を食わず、ただ殺したから。
- 「女型の巨人」は他の巨人を引き連れてやってきた。