進撃の巨人【マンガ】第4巻のあらすじのまとめ
トロスト区奪還作戦開始直後、巨人化したエレンがミカサに殴りかかってしまう。これでは壁の穴を塞ぐどころの騒ぎではない。
周囲では巨人が暴れまわっており、兵士たちが次々と食われていく。機転を利かせ、勝手にエレンのもとに駆けつけてきたアルミンの必死の説得により目覚めるエレン。
巨人が岩を持って穴を塞ぎに行く、こんなシーンがなぜここまで熱くなるものなのか。その原因を考えてみるのも面白い。実は影で重大なことも起きている。
結果的に作戦は無事成功したが、多くの犠牲が払われた。これから配属先を決めようという訓練兵たちは、この一件でそれぞれ思うところがあった様子。
ストーリー・あらすじ
- 巨人エレンによって、壁の穴を塞ぐ「トロスト区奪還作戦」開始。しかし、巨人エレンがミカサに殴りかかってしまう。エレンは巨人の能力をうまく使いこなすことができない。
- ミカサはなんとかエレンを説得しようと試みるも、エレンはまともに話を聞けない暴走状態。挙句の果てに自分の顔を殴り、その場に倒れ込んでしまう。
- 作戦中止か、続行か。エレンの周囲に集まる巨人を討伐する精鋭班(イアン・リコ・ミタビ)の中でも意見が分かれる。
- このままエレンを放置して撤退したところで、人類が再び巨人に対抗できる保証はない。見通しも立っていない。不確かでもエレンに賭けるしかない。作戦続行。
- 兵士たちがエレンの周囲に集まる巨人を倒し時間稼ぎをする中、危機を察知した別班のアルミンが独断でエレンの元へ。説得を始める。
- エレンは夢の中で彷徨うが、最終的に覚醒。なぜエレンは壁の外に出たいのか。外の世界は地獄なのに。
- 「オレが!この世に生まれたからだ!」
- 目覚めたエレンは大岩を担いで穴まで歩いていく。次々と襲いかかる巨人。兵士たちは囮となって食われていく。
- 無事、エレンは穴を塞ぐ。仕事を終えた巨人化したエレンを体内から出そうとするアルミン。しかし手間取る……。そこへ2体の巨人が襲いかかるが、何者かが現れて一瞬で討伐。
- アルミンがミカサと見間違うシルエット、それはリヴァイだった。
- なぜか、偶然にも、この日ちょうど壁外調査に出ていた「調査兵団」が、トロスト区の危機を知り急遽戻ってきたのである。
- その後駐屯兵団と訓練兵の大砲、駆けつけた調査兵団の連携プレイにより、トロスト区の壁内に侵入した巨人をすべて討伐。
訓練兵時代の回想シーン
- エレンの同期104期生の様子が描かれている。
- キース・シャーディス教官が登場。重要な役割を持つキャラクター。
- ジャンは憲兵団に入って内地で安全に暮らしたいと考えている。ミカサのことが好き。
- マルコは王を敬っており、憲兵団に入りたい。
- サシャは食いしん坊である。
- クリスタとユミルは仲が良い。
- クリスタは優しい。食事抜きのペナルティを与えられたサシャに食べ物をあげるシーンがある。
- ユミルはそんなクリスタの「いいこと」を偽善だと言う。
- コニーは敬礼のポーズを間違える。抜けているところがあるキャラクターであることがわかる。
- アルミンの父母は「口減らし」によって死亡した。
- ライナーとベルトルトの目的は「帰れなかった故郷に帰る」こと。
- アニは冷めた性格で他人に興味がないようである。対人格闘術に優れており、兵士としても優秀だが、憲兵団に入りたい。
- 訓練兵の中でも実際に巨人を見たことがあるのはエレン、アルミン、ミカサくらいのものである。
- 立体機動装置の訓練。エレンはうまくバランスを取れず、自分には才能がないと落ち込む。しかし、それはキース教官がベルトに細工を施していたからだった。
- 訓練の様子を描きながら、104期生それぞれの特徴が提示される。その中で、マルコはジャンが指揮役に向いていることを見抜く。
山の中での訓練中、ライナーに荷物を取り上げられた脱落寸前のアルミンは足手まといになりたくないので奪い返して猛然と走り始める。
アルミンの性格、今後の行動を示唆する描写。意外と頑固で譲らない人間である。
訓練兵時代の評価 by キース・シャーディス
- ライナー・ブラウン: 屈強な体格と精神力を持つ。何より仲間から高い信頼を得る。
- アルミン・アルレルト: 体力面において兵士の基準に達しないものの座学の受け答えにおいて非凡な発想を見せると聞く。本人が自分の方向性を自覚すればあるいは……
- アニ・レオンハート: 斬撃の進入角度に非の打ち所がない… 目標を深くえぐり取る。性格は孤立気味。連帯性に難がある。
- ベルトルト・フーバー: あらゆる技術をそつなくこなし…高い潜在性を感じさせるが…積極性に欠け、自身の行動を人に委ねる癖がある。
- ジャン・キルシュタイン: 立体機動装置の理解が深くその性能を引き出す術に長けている。現状を認識する能力も持っているが抜き身すぎる性格が軋轢を生みやすい。
- コニー・スプリンガー: バランス感覚が良く小回りの利く機動が得意。しかし頭の回転が鈍く作戦の誤認が多々ある。
- サシャ・ブラウス: 身のこなしが素早く型破りな感の良さがあるが型にはまらないゆえに組織的な行動には向かない。
- ミカサ・アッカーマン: あらゆる難解な科目を完全にこなす実現力がある。歴代でも類のない逸材として最高の評価は妥当と言える。
- エレン・イェーガー: 格闘術に秀でる。他は目立った特技は見られないが他ならぬ努力で徐々に成績を伸ばした。人一倍強い目的意識を持つ。
作戦終了後のトロスト区で兵士の死体回収シーン
- ジャンがマルコの死体を発見。
- アニが死体回収作業中に「ごめんなさい……ごめんなさい……」とつぶやく。
- ライナー「謝っても仕方がないぞ、早く弔ってやるんだ……あんなに訓練したのにな」
- 火葬中、マルコの死やエレンに言われたことを思い出しながらジャンは調査兵団に入団することを決意する。
牢屋にて
- エレンは牢屋に入れられている。目の前には調査兵団団長エルヴィンと兵士長リヴァイ。
- エルヴィンは、人類が生き残るためにはエレンの力が必要であると考えており、エレン宅の地下室にある秘密の重要さも理解している。
- リヴァイはエレンの調査兵団入団を認め、世話の責任を持つことになる。
- 今後、エレンは調査兵団の一員として、エルヴィンやリヴァイと共に巨人と闘っていくことになる。
伏線・謎・ヒント
- リコ「……皆……死んだ甲斐があったな……」「人類が今日……初めて……勝ったよ……」の意味は重い。31巻にて対になるような出来事が起こる。
- みんな巨人に興味津々でエレンに聞いてくるシーン。そのとき、意図的に視線をずらしたようなコマで描かれているのは……。
- キースはエレンが調査兵団に入ることを望んでいない?
- キース「グリシャ……今日お前の息子が……兵士になったぞ」。からわかるように、キースはエレンの父グリシャと知り合いである。
- アニ「なぜかこの世界では巨人に対する力を高めた者ほど巨人から離れられる。どうしてこんな茶番になると思う?」「それが人の本質だからでは?」
- アニ「私の父もあんたらと同じで……何か現実離れした理想に酔いしれてばかりいた……幼い私は心底くだらないと思いながらも……この無意味な技の習得を強いる父に逆らえなかった……私はもうこれ以上このくだらない世界で兵士ごっこに興じられるほどバカになれない」
- エレンはアニとの訓練で格闘術と冷静に対処するメンタルを身に着ける。ジャンの喧嘩で効果を発揮。エレンは「巨人を駆逐する」という強いモチベーションを持っているが、技術も精神も未熟である。同期や先輩ら他人と関わり合いながら成長していく描写が度々描かれる。そこでエレンがどう変化していくのか、また何が変わらず一貫しているのかが物語の大きなポイント。
- 死体回収時、アニとライナーのセリフ。なぜわざわざこの2人の様子が描かれているのか。
- マルコがジャンに言ったセリフ「怒らずに聞いてほしいんだけどジャンは……強い人ではないから弱い人の気持ちがよく理解できる。それでいて現状を正しく認識することに長けているから、今何をすべきか明確にわかるだろ?」。ジャンの特徴が表現されており、後々まで活きてくる設定。
- エルヴィンは人類の命運を左右するのは巨人であると考えており、「超大型巨人」も「鎧の巨人」もエレンと同じ原理であるとこの時点ですでに予測できている。つまり、元は人間である(逆に言えば、人間化する巨人がいる)。
- エルヴィン「君の意志が鍵」と言っている。そしてエレンは「調査兵団に入って……とにかく巨人をぶっ殺したいです」と答える。なんの変哲もないやり取りに思えるが、結局はエレンの意志であるという、この構図はけっこう重要だと思われる。
発売日:2011年4月8日(金)