進撃の巨人が好きな人におすすめの映画や海外ドラマ、漫画、小説
進撃の巨人の設定や世界観、登場人物の心理を理解する上で参考になりそうな映画、海外ドラマ、マンガ、小説を中心に紹介します。
もっとたくさんあるのだとは思いますが、「ああ、そういうことなのね」という気付きがあるかもしれないやつを選んでみました。
↓作者・諫山創先生が影響を受けた作品等に関してはこちらのインタビュー記事が参考になると思います。
諫山先生「情熱大陸」出演決定記念! 過去インタビュー大公開② - マガポケベース
映画(SF)
時間にまつわるSF設定が参考になるかもしれない映画
Arrival (邦題: メッセージ)
テッド・チャンの小説「あなたの人生の物語」の映画版。
言語学者の主人公が、ある日地球にやってきた宇宙生物との交流を経て、彼らの言語・文字の特徴を掴むことで自らの時間の認識の仕方が変わり始める。そこから運命との向き合い方に繋がっていく。
「過去と未来が同時に存在する」設定が登場。進撃の巨人の「未来の記憶」にかなり近いです。
【原作】あなたの人生の物語 Story of Your Life
「過去未来同時」を理解するにはこの小説が一番良いと思います。映画よりも原作のほうがその辺の説明が丁寧です。
スローターハウス5 Slaughterhouse-Five
これも過去と未来が同時に存在する系。
作者が実際に体験した第2次世界大戦時のドレスデン爆撃を元にしていますが、フィクションです。
主人公ビリーが時系列無視で別の時、別の場所へ突然移動して物語が展開していく不思議な作品。進撃の巨人本編に描かれている訳ではありませんが、もしかしたらエレンの脳内ではこんな感じで様々な時の出来事を体感していたのかも?と想像できます。
音楽にグレン・グールドの演奏が使われているのですが、作品に合っていて非常に良いと思います。
【原作】スローターハウス5 Slaughterhouse-Five
カート・ヴォネガット・ジュニアの最高傑作だと思います。
時系列がめちゃくちゃに展開するのですが、全然読み難くありません。不条理で残酷な世界なのですが、ユーモアを交えて淡々と語られるので何回も読んでしまいます。
マルホランド・ドライブ
2001年公開、デヴィッド・リンチ監督。2016年に発表された英BBCが選ぶ21世紀の偉大な映画第1位。
それが夢なのか現実なのかわからなくなる展開。非常に難解で当初は様々な考察がされました。答えを知る人は誰もいません。
突き詰めても絶対に割り切れない、ある時点でわからなくなるものがあるということをありのまま受け入れられる人は楽しめると思います。『進撃の巨人』もまた然り。
タイムトラベル的な発想から離れて、より抽象的に考えるには良い材料になるはずです。
12 monkeys
時間と記憶をテーマに、決定論で作られているお話。
進撃の巨人の過去未来云々は基本的にこれと同じ仕組みです。
テレビドラマ版もあります。
インターステラー Interstellar
「過去と未来が同時に存在する」をヴィジュアル化。そういうことなのかもね、という感じ。作品全体の印象は特に進撃っぽい訳ではありません。
映画(不条理)
不条理…だけどそこがいい!という感じの作品
風立ちぬ
宮崎駿監督・ジブリの最高傑作だと思います。
主人公が頭進撃だと思って観るとかなり味わい深い印象になるのではないでしょうか。
ファーゴ Fargo
The 不条理。
ダークナイト The Dark Night
バットマンです。
悪役ジョーカーが主人公を食ってしまうほど魅力的。勧善懲悪ではない話が好きなら楽しめるかも。
ミスト Mist
進撃の巨人連載初期の頃、ラストはミストのような感じにする予定だったということでしばしば話題になる映画。
その他映画
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー GUARDIANS OF THE GALAXY
進撃の巨人の人気が出て連載が長く続いたこともあり、作者がミスト的なエンドから最後の持っていき方(結末そのものではない)はこんな感じに変わるかも、と語ったときに名前が挙がった映画。
海外ドラマ(アメリカ)
主人公やメインキャラクターが「頭進撃」なタイプの作品。
ブレイキング・バッド Breaking Bad
アメリカドラマの最高傑作。
高校の化学教師ウォルターがガンを宣告されたことで人生が激変する話。
ウォルターは家族を守るために本音を隠したり、苦しい状況を打開しようとして結果的にどんどん悪い方へ悪い方へ進み続けてしまうあたりがエレンと重なります。
進撃の巨人が好きな人は1度観ておいて損はしないと思います。
ベター・コール・ソウル Better Call Saul
ブレイキング・バッドのスピンオフ。弁護士のソウル・グッドマン(ジミー)が主人公。
不条理によるモヤモヤの逆カタルシスはブレイキング・バッドよりもこちらのほうが上かもしれません。
ちなみに124話にソウル・グッドマンをモデルにしたであろう無垢の巨人が登場します。
ファーゴ Fargo
映画版も良いのですが、ドラマ版は音楽や映像の洗練されっぷりが増していると思います。
構図がめちゃくちゃオシャレです。
不条理な世界。哲学的なフレーズの引用によるズレた会話なんかは少し進撃っぽい。
袋小路にハマって抜け出せない人が必死に奮闘するもどんどん悪い方向へ行ってしまう感じがグッときます。
変態的で恐ろしいのにかっこいいと思わせてしまう殺人鬼も魅力的です。
シーズン2に登場するペギーという女性が何となくエレンっぽい気がします。
1シーズン毎に独立しており10話完結なので挑戦しやすいと思います。
ミスター・ロボット MR. ROBOT
人や世界、時空が複雑に入り乱れる世界観は進撃の巨人に通ずるものがあります。
洒落た音楽とカメラワーク、謎が謎を呼ぶ衝撃的な展開が続き、観ていて飽きません。終始引き込まれることでしょう。
そしてなんといってもまとめ方が見事です。進撃の終盤(道のあれこれ)はこういうイメージなのかな?と思わせる部分もあります。
ちなみに主演は「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレック。
漫画
ヒメアノ~ル
反社会的人格障害者の悲哀。
作者がブログで取り上げているので読んだことがある人も多いと思います。
古谷実作品は、ヒミズやグリーンヒルにも進撃的悲哀を感じます。
ウォッチメン
Dr. マンハッタンは過去と未来を同時に知覚しその通りに行動する(してしまう?)キャラクター。
リヴァイのモデルがロールシャッハ、エルヴィンはオジマンディアスというのは有名な話。
「何かを変えられるのはこういうヤツら」ということらしいです。
手天童子
デビルマンの永井豪とダイナミックプロによる作品。
鬼の子が時空を超えて様々な場所を巡って戦いながら、自らのルーツを探るお話。
あんまり書くとネタバレになりますが、未来が過去に影響を与えるというところが進撃の巨人とちょっと似ています。
風の谷のナウシカ(漫画版)
原作というか、漫画版というか、とにかくこちらを1度読んでみることをおすすめします。映画と全然違います。
小説
百年の孤独
マジック・リアリズムとかフラクタル構造という言葉で語られることが多い小説です。
進撃の巨人という作品は、巨人や立体機動装置がいかにもファンタジーなのにも拘わらず何となく全体的にリアリティーを感じさせますが、百年の孤独はその逆というか割と現実的な物語の中に魔法が溶け込んでいるパターンです。
各エピソードを俯瞰して見ても逆に細部にフォーカスして見ても、それがそのまま全体のテーマでもあり一構成要素でもあるようになっているおかげで物語が無限の広がりを見せているのが進撃の凄さだと思います。これをフラクタル構造などと言いますが、百年の孤独がまさにその代表的な作品として挙げられることが多いようです。