女型の巨人の正体がアニであるとわかる伏線
女型の巨人の正体がアニであるとわかる伏線をまとめています。
アニ=女型の巨人ということを示す直接的な伏線はほとんどありませんが、アニが壁内の人間ではないことを示唆する描写は複数あり、それらを総合して考えると答えにたどり着く、という感じになっています。
トロスト区攻防戦にて
ライナーと相談するアニ
©諫山創 講談社 進撃の巨人 2巻7話「小さな刃」
2巻7話「小さな刃」でアニはライナーと意味深な会話をしています。
この描写が直接女型の巨人であることを示唆している訳ではありませんが、アニとライナーが仲間であり何か企んでいると読むことは出来ます。
アニたちの目的
アニとライナー、ベルトルトの3人はマーレ国の軍人であり知性巨人の継承者です。彼らは始祖の巨人を奪還するために、845年1巻1話のシガンシナ陥落のときからパラディ島に潜入しています。
ウォール・マリアの壁を壊したのは、壁の王の動きを伺うためです。
その後、正体を隠したまま2年間調査を続けたものの手がかりが掴めずにいたため、訓練兵として兵団に潜り込むことにしました。しかしそれでも成果を得られなかったので、しびれを切らし最後の手段としてウォール・ローゼとウォール・シーナを破壊してしまうつもりでした。
ウォール・マリアのときと同じように、壁に穴を開けつつ大量の無垢の巨人を壁の中に送り込んで住民を虐殺することで、壁の王が動かざるを得ない状況を作ろうとしていたのです。
「やるなら集まってからだ」の意味
このとき、兵士たちは立体機動装置のガス欠で困っていました。逃げようにも逃げられなかったのです。
そこで街の中央にある補給班がいる建物に群がる巨人を倒して、なんとか状況を打開しようとしています。
となるとライナーの「まだだ……やるなら集まってからだ」というセリフはちょっと意味がわかりません。むしろ巨人が少ないうちにさっさと補給班のいる建物に行くべきだからです。
つまりライナー達は全く違うことを考えているということです。
これを踏まえてライナーのセリフを補足すると「もっと大量の巨人が街に侵入してきてから内門を破壊しよう」という意味になります。
ライナーに心配される
©諫山創 進撃の巨人 講談社 2巻9話「心臓の鼓動が聞こえる」
アニが致命傷を負ってしまうと巨人の力で傷を回復せざるを得なくなります。
ライナーは純粋に仲間として心配しているのもありますが、正体がバレることも気にしているのでしょう。
また、アニが同期たちに対して情が湧いてしまっていることも示しています。
後にコニーは港でイェーガー派と戦うときに危険を顧みず敵に突っ込んでいきライナーとアニをピンチから救いましたが、このとき助けられた影響もあったでしょう。
エレン巨人(この時点では正体不明)を助けようと必死に主張
©諫山創 講談社 進撃の巨人 2巻9話「心臓の鼓動が聞こえる」
2巻9話「心臓の鼓動が聞こえる」では、アニはライナーと共にエレン巨人(この時点では正体不明)を助けようと主張しています。
「たとえばあの巨人が味方になる可能性があるとしたら どう…? どんな大砲よりも強力な武器になると思わない?」
アニはそれまで割と無口でクールなキャラクターのように見えるのですが、このときはやけに必死です。事情を知らず猛反対しているジャンとは対照的な態度です。
アニ達からすれば、エレン巨人は無垢の巨人ではない知性巨人であることは明らか、つまり自分たちが探していた始祖の巨人である可能性が高いため、なんとしてでも手がかりを掴みたい訳です。あわよくばそのまま誘拐して逃走する気持ちもあったのではないでしょうか。
第57回壁外調査
アルミンが立体機動装置に気づく
©諫山創 講談社 進撃の巨人 5巻21話「開門」
5巻21話「開門」より。ソニー&ビーン殺害事件が発生し、兵士たちが立体機動装置を検査されるシーン。
このとき、アルミンはアニが提出した立体機動装置がマルコのものであることに気づきます。アルミンはマルコと仲が良かったのでひと目見ただけでわかったのです。
ソニー&ビーンは先のトロスト区攻防戦で生け捕りにした無垢の巨人です。人類が巨人の謎を解明する上で貴重なサンプルですから、わざわざ危険を犯してまで殺す理由はありません。つまり、犯人は壁内人類にとって敵であることがわかります。
- 犯人が立体機動装置を使っていたことは確定
- 立体機動装置を使用するには許可が必要
- ソニー&ビーンは厳重に管理されているため簡単に手を出せない
以上のことから、犯人は能力が高い人間であり、リスクを犯すだけの動機があると考えられます。
アニは訓練兵時代4位の成績であり、トロスト区攻防戦で不可解な行動を見せていました。
また、
- マルコはトロスト区攻防戦で死亡している
- マルコの立体機動装置を手に入れられるのはトロスト区攻防戦の参加者
- 厳重に管理されているソニーとビーンを手際良く殺害するには使い慣れた立体機動装置を使うはず
- エルヴィン団長は敵が身内にいると考えている
これらの描写・情報から考えると、少なくともアニは壁内人類にとって敵対する立場の人間であることがわかります。
「死に急ぎ野郎」に反応してしまう
©諫山創 講談社 進撃の巨人 4巻18話「今、何をすべきか」
「死に急ぎ野郎」とは訓練兵時代にジャンがエレンと喧嘩した時に言ったあだ名で、104期しか知りません。
©諫山創 講談社 進撃の巨人 6巻23話「女型の巨人」
アルミンは女型の巨人の狙いはエレンであると考えているので、吹っ掛けて様子を見ました。
©諫山創 講談社 進撃の巨人 6巻23話「女型の巨人」
女型の巨人はこの「死に急ぎ野郎」に反応し、動きを止めてしまいました。
「え?既に自分がエレンを踏んづけて殺していた??」とでも思ったのでしょうか?
それとも、相手がジャンだからやっぱり殺すのは止めようと思ったのでしょうか?
- 104期しか知らないはずの「死に急ぎ野郎」を知っている
- おそらく中の人間は女性である
- 104期の金髪の女性キャラで目立っているのはアニかクリスタ
- 訓練兵時代のシーンでアニは格闘術関係でエレンと絡むことが多かった
ソニー&ビーン殺害の件も合わせて考えれば、女型の巨人の正体はアニであると予想できます。
正体はわかっても目的はわからない
女型の巨人の正体が判明し、捕獲に成功してもアニは結晶化して情報を隠蔽してしまいました。
結局アニが何のために行動しているのかはわからないまま、謎が明らかになるのは23巻以降のマーレ編に突入してからです。
1つの謎が明らかになると、また1つ新たな謎が生まれる。実によく出来たマンガだと思います。
アニメ Season1 2話
©諫山創 講談社/進撃の巨人製作委員会 Season1 2話「その日」
アニメ2話でエレン達と同じ避難所にて配給のパンを貰うアニの姿が描かれています。
ちなみに2話ではこの後政府が口減らし作戦を発表する場面で少年期のライナーとベルトルトも登場します。