「ユミルの民」と「エルディア人」の違いとは。進撃の巨人の謎を考察

ユミルの民とエルディア人は同じなのか、違うのか。

122話の描写から考えれば、少なくともユミルの民とエルディア人が完全にイコールではないことは明らかでしょう。

しかし、これまで作中ではエルディア人とユミルの民はさも同じであるかのような描写が多かったのも事実です。

その辺りをどう解釈すれば良いのでしょうか?ただのミスリードなのでしょうか?

説明しようとすると意外と難しいユミルの民とエルディア人についてじっくり考察します。

※129話までのネタバレを含みます。

エルディア人の構成

ユミルの民とエルディア人の違いはどこ?

エルディア人のルーツ

エルディア民族の集会。初代フリッツ王と幹部、奴隷

122話「二千年前の君から」で始祖ユミルとエルディア人の過去が明らかになりました。

作中の現代からだいたい2000年前、マーレが大陸を支配している時代にいた一部族、それがエルディア人のルーツです。

上のコマにいる人たちが後のエルディア人の先祖となります。

ステージ上にいるの人たちを「純粋なエルディア民族」としましょう。真ん中にいるのが初代フリッツ王、周りにいる4人が支配層、後の貴族(知性巨人保有家)という感じでしょうか。

そして、下にいるのがエルディア民族との戦争に負けて奴隷にされた人たち。この中にいる1人の少女が始祖ユミルとなりました。

作中でエルディア人と呼ばれる人たちは、この王&支配層と奴隷(ユミルの民とその他の奴隷)の末裔と考えられます。

この集団をエルディア部族とします。

エルディア部族の構成

  • 王家(純粋なエルディア民族かつ初代フリッツ王を先祖に持つ家系)
  • 貴族(純粋なエルディア民族を先祖に持つ家系)
  • ユミルの民(始祖ユミルを先祖に持つ民族)
  • そのほかの奴隷(元は別の民族)

この部族が大きくなってエルディア帝国を築き、後にエルディア人と呼ばれるようになる、ということです。

ユミルの民

奴隷の中の1人の少女が巨人の力を手に入れて始祖ユミルとなり、初代フリッツ王との間に3人の子を儲けました。

始祖ユミルの子孫が「ユミルの民」となります。ユミルの民は、始祖ユミルの子孫であり巨人になれる人たちです。

ユミルの民≒エルディア人だけど

エルディア人の集合の中にユミルの民がある。

ユミルの民はエルディア人ではあるけれど完全にイコールという訳ではない。

この解釈でスッキリした人はもうこんな記事は読まなくても大丈夫です。作品を読み進める上で特別困ることはないと思います。

しかし、それでは納得出来ない、なんとか区別してはっきりさせたいという人もいるでしょう。

違うんだったら違いをはっきりさせたいのが人情です。

ところがいざ説明しようとすると意外と難しいことに気づきます。

日本人と関西人みたいな関係?(では、フランス国籍の関西人は何人と呼ぶのが相応しいのですか?)

アメリカ人と白人みたいな関係?(日本に住んでるブラジル国籍の白人は?)

どれも同じように感じるし、違うように感じます。例外を上手く処理出来ていないような、そうでもないような……。

一旦エルディア人とユミルの民の曖昧さを味わい尽くす必要があるかもしれません。

「ユミルの民=エルディア人」という誤解はなぜ生まれたのか??

ここから先は「エルディア人=ユミルの民」という誤解について考察していきます。

  • 作者が意図的に読者を惑わせていた?誤解を招く描写
  • マーレ人目線で考えれば、エルディア人=ユミルの民でも問題ない

登場人物たちはエルディア人と言うときもあれば、ユミルの民と言うときもあります。

なぜその時々で呼び方が変わるのでしょうか??

厳密に区別しなくても不都合はないのかもしれません。

しかし、作中で使い分けられているということは何かしら作者の意図があるはずです。

作者が意図的に惑わしていた?エルディア人=ユミルの民と思ってしまう描写の数々

122話で「ユミルの民は実は奴隷であり、巨人の力を持っていたとはいえ、戦争もインフラ整備も全て王(純血エルディア人)の命令に従ってやったこと」という事実が明らかになりました。

これを知らない限り、 必ずしも「エルディア人=ユミルの民」ではない という結論に至るのはなかなか難しいのだということを紹介します。

122話以前にもヒントは散りばめられていましたが、どれも決定的とはいえません。

あくまでも122話の衝撃を最大化するための伏線の1つに過ぎなかったのです。

そもそも22巻の時点でユミルの民の定義はだいたいわかっていた

グリシャの手記を読んだハンジによるユミルの民の説明

©諫山創 講談社 進撃の巨人 89話「会議」

パラディ島の兵団会議にて、グリシャの手記を読んだハンジがユミルの民とは何たるかを説明しているコマです。

「エルディア」国の中でも巨人になれる特殊な人種「ユミルの民」

エルディア人にはユミルの民以外の人種がいることは明らかです。そう読まないほうがおかしいでしょう。

むしろその後のセリフ、

その「ユミルの民」は世界を支配していた過去があり 再び支配する可能性がある

ここから想像されるのは、エルディア人全員ではなく「ユミルの民だけ」が世界を支配していたのかな?ということです。

いずれにせよ、エルディア人=ユミルの民と解釈するのは早計といえるでしょう。

ところでグリシャの知識はどれくらい??

ここで強調したいのは、ハンジが参考にしているのはグリシャの手記であり、グリシャの知識の土台は「マーレが作った歴史書」だということです。

フクロウが授けた歴史文献を読んだグリシャの独自解釈を加えたとしても「ユミルの民は世界を支配していたかもしれないが、インフラ整備をして大陸に富をもたらしたから悪くない」ぐらいが限界です。

これではエルディア人の中心はユミルの民であり、巨人になれないエルディア人はおまけみたいなもので時代が進んで消滅した、と捉えられても無理はありません。

それはつまり「エルディア人は実質ユミルの民」ということになりますから、グリシャに寄せて解釈するとかえって「エルディア人=ユミルの民説」を後押ししてしまいます。

63話「鎖」美の巨人ザックレー総統の芸術品が大ヒントを提供

美の巨人ザックレー総統による芸術品が明かすユミルの民が奴隷であったという事実

©諫山創 講談社 進撃の巨人 63話「鎖」

実は、かなり早い段階で決定的な事実が明かされています。

しかしこれだけだと、ユミルの民の中にカーストがあって昔奴隷だった人々の末裔が壁内の一般人なのかな?ぐらいに思ってしまいそうです。

まさか純血(非ユミルの民)のエルディア人が貴族で、ユミルの民全員が奴隷だとは思わないでしょう。

ピクシスが語る、貴族は記憶の改竄を受けないという事実

©諫山創 講談社 進撃の巨人 63話「鎖」

芸術描写の直後、ピクシスとエルヴィンの会話。

ピクシスが「しかも奴らを含む一部の血族はそれに影響されないといった口振りじゃったぞ」と言います。

これはとても重要な情報なのですが、「ユミルの民とエルディア人に違いはあるのか?」という点では混乱を招くセリフです。

話が前後しますが、ユミルの民でありながら記憶の改竄を受けない民族といえばアッカーマンがいます。

つまりピクシスのセリフだけだと「貴族もアッカーマンと同じ記憶の改竄回避能力があるのかな?」という方向に解釈が進んでしまう恐れがあるのです。

65話「夢と呪い」ケニー・アッカーマンの祖父が記憶改竄の裏側を暴露

ケニー・アッカーマンの祖父による壁内の記憶改竄の真実

©諫山創 講談社 進撃の巨人 65話「夢と呪い」

ケニーとケニーのおじいちゃんの会話なので嘘である可能性は低いと思います。

「少数派の民族」は始祖の巨人による記憶改竄が効かない、という説明をしています。

ところが、この少数派の民族はあくまでもアッカーマンと東洋の一族のことのみを指しているような感じに解釈されてしまがちです。

当然、少数派の民族には壁内貴族(王政幹部)も含まれるのですが、そこまで読み取ったとしてもそれがまさか「エルディア人だけどユミルの民ではない民族」だと見抜くのはこの段階ではちょっと難しいかもしれません。

86話「あの日」

エルディア帝国のユミルの民が大陸を支配しマーレを弾圧した歴史を卑下し熱弁するグリシャの父

©諫山創 講談社 進撃の巨人 86話「あの日」

グリシャが父からマーレの歴史を教えてもらっているシーン。このとき読まれている歴史書はマーレ製なので、どこまで本当かはわかりません。事実も含まれているのでしょうが、誇張もあるでしょう。だからどうしても半信半疑で読んでしまいます。

「『ユミルの民』は他の民族を下等人種と決めつけ、弾圧を始めた。」

→ユミルの民が中心になって大陸の支配を進めていった?

「エルディア人は他民族に無理矢理子を産ませユミルの民を増やした。」

→ユミルの民はエルディア人だけど、ユミルの民ではないエルディア人もいる?

そこそこ事実に即していることが書かれているのだと思います。しかし表現が曖昧過ぎてあまり参考になりません。

いずれにせよ、ユミルの民とエルディア人の定義はあやふやです。

22巻の冒頭の説明

22巻冒頭グリシャの手記に書かれていたことと思われる文面

©諫山創 講談社 進撃の巨人 22巻

22巻冒頭、エルディア帝国の勃興からグリシャが楽園送りになるまでの説明が入ります。作中のセリフだけではわかりにくいと判断したのでしょう。

グリシャの手記のような、ただ単に編集者が話の流れをまとめただけなのか、ちょっとよくわかりませんが、とにかく壁外の歴史の一部が書かれています。

ここで「『ユミルの民』、すなわエルディア人は、」と思いっきり「すなわち」で結びつけられています。

これではエルディア人の別名がユミルの民、と思われても仕方がありません。

もしかしたら「エルディア人=ユミルの民説」はこれが大きな根拠となっているんじゃないでしょうか。

96話「希望の扉」でアニが決定的なヒント(というか答え)を提供

他人種系エルディア人はユミルの民ではない。96話「希望の扉」

©諫山創 講談社 進撃の巨人 96話「希望の扉」

始祖奪還作戦でパラディ島に潜入したライナーたち(というかアニ1人)の調査によって判明した事実です。

さすがアニ。壁内の事情を見事に暴いていました。

「壁内貴族(他人種系エルディア人)はユミルの民じゃない」とはっきり言っています。63話の貴族のセリフと合わせて素直に考えると、これで答えに辿り着けます。

エルディア人には色々な民族いて、ユミルの民はその中の1つ。89話のハンジのセリフとつじつまが合います。

この時点ではまだ材料が出揃っていないので確定とはいきませんが、無理のない推測ではないでしょうか。

他人種系エルディア人はマーレ人説?

ところがどっこい、この他人種系エルディア人をマーレ人だとする解釈も存在します。

エルディア帝国時代、元々マーレ国籍だった人が戦争に負けてエルディア国籍(他人種系エルディア人)となり、後にパラディ島に移り住んだ…という解釈。

ちょっと苦しいシナリオだと思いますが、絶対にあり得ないとは言い切れないのが悩ましいところです。

王政幹部は記憶改竄を受けない。→ということはユミルの民ではない、つまり生粋のエルディア人ではない。→ならば大陸からパラディ島に移住したマーレ人?という思考の流れなのでしょう。

他人種系エルディア人を素直にエルディア人(エルディア帝国の支配階級)だと受け取っても構わないと思うのですが、どうしてもエルディア人=ユミルの民という固定観念が邪魔をしてしまうのかもしれません。

そもそもエルディア帝国は「帝国」なのだから、元々マーレ人だった人はエルディア支配下においても基本的にマーレ人のままのはずです。だからパラディ島に移住してもマーレ人はマーレ人で変わりなく、本人も自分のことをマーレ人だと認識するでしょう。

アニやライナーが自分たちは何人であるかと考えたとき、所属で言えばマーレの軍人、人種で言えばエルディア人という認識のはずです。マーレに所属していても人種がエルディア人ならばエルディア人なのです。

だからアニがエルディア人と言った以上、壁内貴族はやっぱりエルディア人として解釈するのが自然なのではないでしょうか。

逆に考えれば、この大ヒントを逃すほどエルディア人とユミルの民の関係はややこしいという印象が根付いていたということなのだと思います。

ユミルの民じゃないエルディア人がいる、という発想に辿り着くのは思いの外難しいようです。

115話「支え」始祖ユミル登場

死にそうなジークが見た始祖ユミル

©諫山創 講談社 進撃の巨人 115話「支え」

115「支え」でジークが見た始祖ユミル。

この時点では衣服の痛み具合から「奴隷」ということを想像できても、それが始祖ユミルだと断言できません。

仮に始祖ユミルが奴隷だったとしても、巨人の力を手に入れた後に一気に立場が逆転してエルディア帝国の女王になったんじゃないかとか、いろんな可能性が残っています。

116話「天地」

ピークちゃんが語るユミルの民

©諫山創 講談社 進撃の巨人 116話「天地」

ピークちゃんがガビに「私達はマーレ人?エルディア人?何だと思う?」と訪ね、ガビは「…!? 私達は名誉マーレ人」と答えます。

しかしピークちゃんは「違う。私達はユミルの民。これだけが逃れようのない事実。何人を名乗ろうが私達は巨人になることができる人種」と言います。

これは決定的な説明に見えます。見えるのですが、ピークちゃんが言っているのはあくまでも「名誉マーレ人」とか「善良なエルディア人」とか表面的な肩書を手に入れるだけじゃこの問題は解決しないよという話です。

マーレの戦士にしろ、エレンやアルミンにしろ、巨人になれる人たちは皆ユミルの民なのだということがはっきりしました。

とはいえ、それは116話より前の描写からも読み取れることであり、なぜエルディア人と区別するのかはあやふやなままです。

エルディア人=ユミルの民を覆すのは難しい

どれもこれも122話の衝撃を最大化するために仕掛けられた巧妙な伏線でした。

121話までの限られた情報を頼りにするしかない読者がエルディア人=ユミルの民と考えてしまうのもむしろ当然と言えるかもしれません。

違和感を覚えても、せいぜい「エルディア人、別名ユミルの民ってことかな?巨人とジャイアンツみたいな」と保留にしておくしかないでしょう。

マーレ人からすれば、エルディア人=ユミルの民で問題ない

作中で「エルディア人」という言葉を使うのは主にマーレ人です。

つまりマーレ人から見て、エルディア人はどういう存在なのかということが重要なのです。

巨人大戦後、エルディア人の支配層(王家や貴族)はほぼ壊滅しました。一部はパラディ島に移住したり、マーレ国内でもダイナの家系がひっそりレベリオに身を隠していただけです。

そうなるとマーレに残ったエルディア人はほぼ全員ユミルの民です。であれば、特に使わける必要はありませんよね。

エルディア帝国のエルディア人というはわかりやすいですし、わざわざユミルの民と呼ぶ必要はないんです。

マーレ人の大半は「ユミルの民」を知らない

マーレ人の大半は「ユミルの民」をよく知らないと思います。

マーレ人はおろか、グリシャのようなエルディア復権派ですらよくわかっていませんでした。

ユミルの民ってよくわからないけれど、エルディア人であることに変わりはなさそう。じゃあ、エルディア人でいいよね。ということなんだと思います。

マーレ支配層の都合

マガト隊長の「エルディア人」発言

諫山創 講談社 進撃の巨人 91話「海の向こう側」

ユミルの民のことをエルディア人と呼んでいるのはマーレ人の都合だと思われます。

かつてエルディア帝国のエルディア人支配層は奴隷であるユミルの民の巨人の力を利用してマーレを亡ぼしました。

ということはマーレ人が本当に恨むべきなのはエルディア人の支配層ではないでしょうか。

しかし、マーレもまた世界を支配するためにはユミルの民の巨人の力が必要なので、「ユミルの民=エルディア人」とみなして悪者にしている訳です。

なぜなら「エルディア人の奴隷だったユミルの民」という境遇だと、今現在マーレに従う理由がないことになるからです。

そうではなく「かつてマーレを亡ぼした極悪非道なエルディア人が現在は罪を償うためマーレに忠誠を誓っている」という関係のほうが都合が良いのです。

そうしないとマーレは自分たちがユミルの民を利用していることの正当性を保てなくなってしまいます。

グロス曹長はユミルの民を理解している

グロス曹長のユミルの民の説明

諫山創 講談社 進撃の巨人 87話「境界線」

「こんな生き物はお前らエルディア帝国のユミルの民以外に存在しない」

マーレ当局のグロス曹長は「ユミルの民はエルディア帝国を構成する複数の民族の中の1つである」ということを理解しています。

グロス曹長のエルディア人を駆逐する発言

諫山創 講談社 進撃の巨人 87話「境界線」

「エルディア人をこの世から一匹残らず駆逐する。これは全人類の願いなんだよ」

しかし、すぐ後のコマでは「エルディア人」とひとくくりにしています。

なぜでしょうか??

マーレ人にしてみれば、憎むべきエルディア人はユミルの民だけではなく、フリッツ王のような支配層(純血エルディア人)も当然含まれるからです。

グロス曹長が駆逐したいのはユミルの民だけではなくて、エルディア人全員なのです。

巨人化しようがしまいが関係ない。かつてマーレを苦しめたエルディア帝国の一員(エルディア人)であれば誰であろうと憎いという認識だったのではないでしょうか。

エルディア人の「エルディア」とは国籍のこと??

作中の表現から察するに、エルディア人とは民族のことを指して言っていると思われます。

もっと単純に「エルディア人とは、元エルディア帝国の国民のこと。つまりエルディアとは国籍のこと」と言ってしまえば全て解決するような気がしますが、実はそう単純ではありません。

レベリオのエルディア人はマーレ人ではない

マーレのレベリオ収容区に住むユミルの民はみんなエルディア人と呼ばれています。

マーレという国に住んでいても、マーレ人ではないのです。

例えばライナーは軍の戦士隊に入り鎧の巨人を継承して「名誉マーレ人」という名ばかりの称号を獲ましたが、今でもエルディア人です。

では、今のマーレ人(マガトなど)の先祖はいつからマーレ人なのでしょうか?巨人大戦が終わってからでしょうか?

国籍を採用する考え方でいくと、マーレは一度エルディア帝国支配下におかれたのでエルディア人へチェンジ、そして作中の現在、マーレ国に住んでいるのはエルディア人だけということになります。それはおかしいですよね。

つまり、エルディア帝国支配の時代のときからマーレ人はマーレ人だし、エルディア人はエルディア人だったのです。

エルディア人とは何かの答えとして「エルディア帝国の元国民だからエルディア人」という言い方はうまく表現できていないということがわかると思います。

エルディア帝国の「帝国」って何??

エルディア帝国の「帝国」とは、1つの組織によって制御される複数の国や州の集合体のことです(色々な考え方があるようです)。

27巻109話でハンジはフロックが「新生エルディア帝国」と口にした時に「エルディア国だよ正しくは」と訂正しています。つまり作者は2つを区別して考えているということです。

なのでエルディア人の定義が「エルディア帝国の国民だった人」というのはやっぱり相応しくない気がしてきます。

「パラディ島のエルディア国」はヒストリアを女王とする王国です。パラディ島の住人は基本的に全員エルディア人となります。これは簡単です。

一方、エルディア帝国は複数の国の集合体ですから、エルディア人もいるしマーレ人もいるし、他の国、民族もいる。そして、その頂点に立つのが歴代のフリッツ王です。「帝国」なので、そういう構成になります。

じゃあどこからどこまでがエルディア人なの?

エルディア人とは122話に出てきたエルディア部族(フリッツ王や始祖ユミル、そのほかの奴隷も含む)の末裔を指す、というのが妥当だと思われます。

エルディア帝国が大きくなっていく過程で支配下におかれたマーレや他の国の人の子孫は「エルディア人ではない」ということになります。基本的にマーレ人はマーレ人、○○人は○○人のままです。

とはいえ、民族浄化があったと言われていますから、ユミルの民との混血が増やされていったでしょうし、一部の家系はエルディアの貴族と婚姻関係を結ぶこともあったのではないでしょうか。そういった人たちの子孫はエルディア人となります。

エルディア人の分類

エルディア人の構成

エルディア人と呼ばれる人の中には様々な種類の民族がいます。

  • ユミルの民
    • 王家の血筋
    • アッカーマン
  • 純血エルディア人
  • 他人種系エルディア人

この5種類について理解できれば良いと思います。

残りは元マーレ人、元○○国人など色々いたはずですが、あまり気にしなくても支障はないはずです。

ユミルの民

ユミルの民が誰を指しているのかといえば、始祖ユミルの子孫全員のことです。

定義や特徴、条件など詳しいことに関しては別のページで考察していますので、よろしければご覧下さい。

ユミルの民をユミルの民たらしめる条件

ユミルの民は複数のタイプに分かれています。

  • 王家の血筋
  • アッカーマン
  • パラディ島のユミルの民
  • マーレのユミルの民
  • マーレ以外の国のユミルの民

王家の血筋とアッカーマンは生まれ持った性質が違います。他の3つは環境の違いです。

王家の血筋

  • 145代目フリッツ王とその子孫である壁の王レイス家(ロッド、ウーリ、フリーダ、ヒストリアなど)
  • 巨人大戦後に大陸に残されたフリッツ家(ダイナ、ジーク)

始祖の巨人の真価を発揮する特別な血筋です。

純血エルディア人である初代フリッツ王と本妻(始祖ユミルではない)の子の家系と、ユミルの民の混血であると考えられます。

なぜそんなことを考えるかと言うと、そうしないと始祖の巨人の真価を発揮する「王家の血筋」を希少な存在として区別できないからです。

詳しくは別のページで考察しています。

ユミルの民と王家の血筋の違い

アッカーマン

リヴァイ、ケニー、ミカサ、ミカサの父など

  • 驚異的な身体能力
  • 始祖の巨人による記憶改竄の影響を受けない

巨人化学研究のため、ユミルの民を弄くり回した結果生まれたとされています。

アッカーマンは人並み外れた身体能力を持っており、人間の姿のまま巨人と互角以上に戦うことが出来ます。

エレンが言う「人間の姿のまま巨人の力を一部使うことが出来る」とはつまり「道を通じて先祖の戦いの経験を得る」ということだと考えられます。

エレンの言葉が嘘か本当かわかりません。

しかし、ジークとマガトの会話で出てきた「巨人化学の副産物」(23巻93話「闇夜の列車」)や、リヴァイのセリフ「突然バカみてぇな力が体中から湧いてきて何をどうすればいいかわかるんだ…」(16巻63話「鎖」)と大きな矛盾はないと思います。

※アッカーマンは進撃の巨人において非常に重要な役割を担う存在なので、いずれ別のページでじっくり考察したいと思います。

パラディ島のユミルの民

壁内のユミルの民は基本的にこれです。

巨人大戦後に145代カール・フリッツと共にパラディ島に移住してきたユミルの民とその子孫のことを指します。

移住後まもなくして、始祖の巨人による記憶を改竄を受けているので壁外のことは何も知りません。

マーレのユミルの民

ライナー、ベルトルト、アニなど。

エルディア帝国時代からずっと大陸に住んでいるユミルの民。

パラディ島壁内のユミルの民と違い、記憶の改竄は受けていません。

しかし、マーレによる洗脳まがいの教育を受けているため、彼らの大半は歪んだ歴史観を持っておりエルディア人は悪魔だと信じ、パラディ島のユミルの民に対して敵意を持っています。

とはいえ、ポルコやファルコらの様子を見ていると、幼少期のライナーやガビほどヤバい感じはないような気もします。わかっているけどやむを得ず受け入れている、という人もそれなりにいるのかもしれません。

マーレ以外の国のユミルの民

マーレの戦士候補生であるウドがこれにあたります。

マーレのレベリオのような、ユミルの民を収容する場所が他の国にもあるようです。ウドによると、外国のエルディア人に対する敵意はマーレの比ではないようです。

パラディ島ほど世間知らずでもなく、マーレほど盲目的でもない、ある意味最も客観的に世界情勢や自分たちの立場を理解している人たちかもしれません。

純血エルディア人

純血エルディア人

©諫山創 講談社 進撃の巨人 122話「二千年前の君から」

純血エルディア人という言葉は作中に出てきませんが、ユミルの民や他人種系エルディア人と区別するためにこの名前を使います。

どこまでを純血と呼ぶのかは難しいですが、とりあえず初代フリッツ王を基準に考えます。

上のコマでステージ上に居るのが純血エルディア人、エルディア帝国の支配階級(貴族)ということになるでしょう。

この人達の先祖は近いのかバラバラなのかは不明ですが、これより後の時代は自分たちが始点となる家系を築こうとしたはずです。

なぜなら自分たちが生まれながらにして特別な存在である(上に立つ者である、奴隷ではない)ことを示す必要があるからです。

そうやって形成されたエルディア人の貴族たちが「純血エルディア人」ということになります。

他人種系エルディア人

パラディ島壁内の貴族です。

始祖の巨人による記憶改竄が効きません。

元々は大陸に住んでおり、エルディア帝国時代は貴族として知性巨人を保有していた人々であると考えられます。

非ユミルの民です。王家ではないと思われますが、芸術品が「名家の血」と自分で言っていたのでそれなりの権力を持っていたと想像されます。

なぜ壁内に移住したのか

ライナーによれば、他人種系エルディア人は100年前にフリッツに媚びた人たちです。

彼らは巨人大戦が終わって145代目カール・フリッツがパラディ島に移住する際、一緒にくっついて来ました。

なぜ彼らが島への移住を決意したのかと言えば、巨人大戦終戦間際、エルディア帝国の敗戦が濃厚となりこのままでは大陸に居場所がなくなるからでしょう。

もしエルディア帝国が負けたら、ユミルの民であれば巨人として利用価値があるので生かされるかもしれませんが、支配層(王家や貴族)は粛清されるはずです。

それならば、145代目フリッツ王の側について壁内で貴族になるのが賢い選択だと判断したのでしょう。

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