非マーレ派エルディア人とマーレ派エルディア人
非マーレ派エルディア人とは、145代目フリッツ王がパラディ島に逃げ込んだときに、大陸に置いていかれたエルディア人のことです。
※21巻86話「あの日」のグリシャの父のセリフから
「非」というのは「~にあらず、~ではない」という意味ですから、非マーレ派エルディア人 = マーレ派ではないエルディア人 ということになります。当たり前っちゃ当たり前です。
そして、非マーレ派エルディア人ではないエルディア人がマーレ派エルディア人ということになります。
この言葉そのものは不思議ではないのですが、進撃の巨人の世界で考えると、なぜ「反マーレ派」じゃないの?とか、「むしろマーレ派エルディア人なんているの?」といった疑問が湧いてきます。
巨人大戦が生んだエルディア人の分断
黒幕はタイバー家なのかカール・フリッツなのかちょっとあやふやですが、彼らが中心となって起こした巨人大戦によって、エルディア人は大陸とパラディ島に分断されました。
大陸側
- タイバー家
- フリッツ家(王家の残党)
- 非マーレ派エルディア人
パラディ島
- レイス家(145代カール・フリッツ)
- 偽フリッツ王(非ユミルの民)
- 貴族(非ユミルの民)
- マーレ派エルディア人
非マーレ派エルディア人
グリシャの父(エレンの祖父)の言葉からわかること
フリッツ王は残された国土「パラディ島」に三重の壁を築き国民と共にそこへ逃げ込んだ
だが、全員ではない
我々、 非マーレ派のエルディア人残党 は奴らに見捨てられこの大陸に残された
この発言からわかるのは、グリシャやジーク、ライナーやアニ、ガビ、ファルコなど レベリオ収容区 にいるエルディア人、マーレの戦士候補生ウドのような他の国にいたエルディア人も皆、非マーレ派エルディア人だということです。
マーレ派エルディア人
作中にマーレ派のエルディア人という言葉は出てきませんが、要は 非マーレ派ではない エルディア人です。
マーレ派エルディア人はどんな人達かというと、145代フリッツ王が壁の中に連れて行ったエルディア人です。
なぜ反マーレ派ではなく非マーレ派?
反マーレ派でも合っているような気がしますが、なぜ「非」マーレ派と言うのでしょうか??
この理由は、当時のエルディア人の立場から見て状況を整理してみるとわかると思います。
反マーレと表現するならば
反マーレと言うからには、マーレに対して反発する気持ちがあるということになります。
「反マーレ派義勇兵」は、マーレに祖国を奪われて憎くむようになった人達です。
マーレが支配している世界だからこそ、「反マーレ」なのです。
そのような発想が生まれる状況は作中の歴史上、2度あります。
- ①エルディア帝国の前にマーレが支配していた時代
- ②巨人大戦以後エルディア帝国が滅んで再びマーレが支配することになった時代
この2つの時代であれば、反マーレという表現は自然に感じられるでしょう。
時代 | 反マーレ |
---|---|
マーレ支配全盛期 | あり得る |
エルディア支配開始直後 | あり得る |
エルディア支配全盛期 | わざわざ言わない |
過渡期 | わざわざ言わない |
マーレ支配開始直後 | わざわざ言わない |
マーレ支配全盛期 | あり得る |
なぜ非マーレ派という言葉が出てきたのか
作中現代は②なのですが、グリシャの父は「反マーレ派」ではなく「非マーレ派」という言い方をしています。
これは巨人大戦前後の状況を踏まえて考えるとしっくりくると思います。
巨人大戦以前まではエルディア帝国内におけるマーレの立場は弱いものでした。王や貴族ではない一般のエルディア人もそう認識していたはずでしょう。だからエルディア人にとってマーレなんて眼中にないのです。
ということは、この時代にわざわざ マーレ派 となるエルディア人にはかなり特別な理由があると考えられます。真相は不明ですが、145代目カール・フリッツが マーレ派 の表者ということになるでしょう。
ざっくり言えば巨人大戦とは、マーレに味方するタイバー&カール派 と 元々の王家である本家フリッツ派 の戦いです。
- タイバー&カール派 ← マーレ派
- フリッツ派 ← 非マーレ派
結果、タイバー&カール勢力が勝利し、エルディア人はタイバーが管理する大陸とカールが管理するパラディ島に分かれてしまいました。
理由はともかく、カール・フリッツと共にパラディ島へ移住した者はマーレ派ということになるでしょう。
一方、タイバー家が管理する大陸に取り残されたエルディア人は、 非マーレ派エルディア人 ということになります。旧王家のフリッツ家に忠誠を誓っていたかどうかはともかく、カール・フリッツに従わなかったので 非マーレ派 という言い方になったのだと思います。
いずれにせよタイバー&カールにとっては敵です。そして巨人兵器として利用価値があるのでレベリオ収容区に入れられることになってしまいました。
反マーレではない非マーレ派の感覚
非マーレ派と言われたグリシャの先祖たちは、巨人大戦が終わってエルディア人の迫害が始まるまでは、マーレのことを特別憎んでいたわけではないと思います。
もちろん、エルディア帝国勃興直後はマーレ憎し的なこともあったと思いますが、そこから巨人大戦まで1700年とかなり長い時間がありました。
ですから、この時代にマーレに対して反抗心を抱いたりするエルディア人は基本的にいなかったはずです。
下に見るようなことはあったと思います。あるいは、むしろ可哀想に感じているくらいではないでしょうか。
じゃあ誰がマーレを贔屓するの?
では巨人大戦以前にマーレを贔屓にしていたエルディア人、マーレ派って誰なのでしょうか。
マーレ人しか考えられません。
エルディア帝国が支配する以前、1700年以上昔のマーレが大陸を支配していた時代の栄光を取り戻したい人たちがいたのでしょう。
エルディアに迫害を受ける状況に不満を持ち、マーレを復活させたい人達です。
マーレに迫害を受けて反発したエルディア復権派の逆です。
カール・フリッツはこのような流れの中から生まれた人物なのではなのかもしれません。
まとめ
非マーレ派エルディア人は、大陸に取り残されたエルディア人。レベリオはじめ各国の収容区に入れられている。
マーレ派エルディア人は、145代目フリッツ王が壁の中に連れて行ったエルディア人。