エレン・クルーガー(フクロウ)が残した言葉や情報
21巻86話「あの日」
フクロウがエルディア復権派に宛てた手紙
今回マーレ政府が動き出した理由 それは…
来る資源争奪の時代にいち早く対応するためである。
知っての通り近年の軍事技術は目覚ましい進歩を遂げている。
今日のマーレを世界の指導者たらしめる力「七つの巨人の力」が絶対ではなくなる日も近い。
これからは燃料を背景とする軍事力が物を言う時代と移りゆくだろう。
その時代を迎えるにあたり莫大な化石燃料を埋蔵するとされるパラディ島は無視できるものではなくなった。
しかしパラディ島を征服するのは未だ容易なことではない。
依然フリッツ王は壁に籠もったまま音沙汰ないが、80年前に言い残した言葉がある。
「今後我々に干渉するなら 壁に潜む幾千万の巨人が地上の全てを平らにならすだろう」
この脅威が健在であるうちは何人たりとも正面から手出しはできない。
つまりマーレ政府の目的は我々と同じ。フリッツ王を刺激せぬように壁内に侵入し「始祖の巨人」を奪還することである。
パラディ島が狙われることは20年前から決まっていた
資源争奪の時代がすぐそこまで来ていること、つまり近代兵器の進歩により巨人が絶対でなくなるということを示しています。
そして豊富な資源が眠るパラディ島がいずれ侵略されるだろうと書かれています。
この場面がおよそ830年頃。エレンが生まれる前から壁内人類は地獄を見ることが決まっていたのです。
フリッツ王の言葉
「今後我々に干渉するなら 壁に潜む幾千万の巨人が地上の全てを平らにならすだろう」
地鳴らしを思わせるセリフ。
フリッツ王は随分危険な雰囲気を醸し出しているのですが、王政編に登場した壁の王レイス家とはちょっと様子が異なる印象です。
後々ヴィリー・タイバーによって真相が語られますが、この時点ではかなり謎めいた存在として描かれています。
※アニメでは「壁の王」とだけ言われています。これよりちょっと前に出てくるダイナの語りでも145代目カール・フリッツという具体的な名前が出てきません。
「始祖の巨人」の奪還
マーレ政府が巨人継承者の募集を始め、「始祖の巨人」を奪還。これでライナーたちがなぜパラディ島にやってきて壁を壊してエレンを拐おうとしたのかはっきりしました。
ひとつ気になるのは、元々エルディア帝国のものだったはずの「始祖の巨人」をマーレが「奪還」するという言葉の使い方。
22巻88話「進撃の巨人」
マーレ人に成りすます方法
医者に協力者が一人いれば済む話だ。
その医者も診療録を偽装し、マーレ人に成りすましたユミルの民だ。
医者は諜報員に向いている。それなりの教養と立場があり「巨人化学」の応用に必要な知識がある。
エルディア復権派は他にもたくさんいる?
グリシャ達のように激しく活動していなくても、広い意味でエルディア復権派的といえそうな人物はたくさん居そうな雰囲気です。
巨人化学を発展させたのもエルディア人(ユミルの民)だったりするのかも知れません。
ユミルの呪い
お前達に渡した情報は俺の知りうるすべてではない。
復権派の戦意高揚を促す目的があったからだ。
「九つの巨人の力」を継承した者は13年で死ぬ。
俺が継承したのも13年前になる。
↓エレンが喋っている
フクロウはそれを「ユミルの呪い」と言っていた。
13年は始祖ユミルが力に目覚めてから死ぬまでの年月に相当する時間だと。
始祖ユミルを超える力は持てない。
その時が近づけば体が衰え…器はその役割を全うする。
知性巨人継承者の寿命は13年
巨人のスーパーパワーも時間制限があった、ということです。
第1話の13ページ目の下に -13- とページ数が書かれていたり、作中に登場する色々な数字が13の倍数だったりするのはここに繋げて読者を驚かせる意図があったのかもしれません。
この時点でエレンはあと8年、アルミンは13年の寿命ということになります。
始祖ユミルが力に目覚めてから死ぬまでが13年だったというのも、地味に重要な情報です(122話に繋がる)。
赤子継承
↓エレンが喋っている
「九つの巨人」を宿す者が力を継承することなく死んだ場合…
巨人の力はそれ以降に誕生するユミルの民の赤子に突如として継承される。
それはどれほど距離が離れていようと関係なく、血縁の近親者に関わるものでもない。
結末に関わるのか、単なる匂わせか
過去にそのような例があったからこのような話が出てくるのだと思いますが、作中では初めての話題です。
終盤で赤子継承があるのか、ないのか。あるとしたらどのような意味を持たせるのか。
道
↓エレンが喋っている
あたかも「ユミルの民」とは 皆一様に見えない「何か」で繋がっていると考えざるをえない。
ある継承者は「道」を見たと言った。
目に見えない道だ。
巨人を形成する血や骨はその道を通り送られてくる。
時には記憶や誰かの意思も同じようにして道を通ってくる。
あらゆる不思議な現象の肝
全てのユミルの民が繋がっているというのは、この作品の根幹をなす設定かもしれません。
始祖の巨人
↓エレンが喋っている
そしてその道はすべて一つの座標で交わる
つまりそれが…「始祖の巨人」だ
↓クルーガーへ戻る
すべての巨人…すべてのユミルの民はその座標へと繋がっている。
空間を超越した「道」でな。
これはマーレ政府巨人化学研究学会最新の見解によるものだ。
座標と道
始祖の巨人=座標、というような言われ方が興味深いです。
おそらく座標(0, 0)または座標(0, 0, 0)など何次元かはわかりませんが、0を省略して始祖=座標と呼んでいるのでしょう。
道を通じて繋がる全てのユミルの民の系の原点が始祖の巨人。だから巨人を操ることができる、という話なのだと思います。
始祖ユミルの正体
マーレ政権下では「悪魔の使い」
エルディア帝国の時代では「神がもたらした奇跡」
グリシャ「あんたが俺達に送った歴史書物も戦意高揚のエサか?一体何が真実で本当の歴史なんだ」
始祖ユミルは「有機生物の起源」と接触した少女…そう唱える者もいる。
複数の顔
仮に始祖ユミルの姿形が描かれたとしても、果たしてそれは本当に始祖ユミルと言えるのか?みたいな話になってきたら面白そうです。
この世の真実
この世に真実など無い。
それが現実だ。
誰だって神でも悪魔にでもなれる。
誰かがそれを真実だと言えばな。
1700年かけて民族浄化した?
マーレ人は毛の1本すらこの地上に残ってないはずだ。
始祖ユミルが巨人の力でもたらしたものは富だけだと?
そいつは俺の知る人間って奴とは えらくかけ離れている。
真実と事実と現実
何となくマーレが語る歴史が嘘でエルディアが語る歴史が真実、みたいな空気感に釘を指す痛快なセリフです。
我々が住む現実世界でもしばしば混同されがちなものなので考えさせられます。
ダイナを救わず巨人化させた理由
ダイナが王家の血を引くのは「事実」だ。
彼女は革命軍が唯一奪われなかったものだろう。
グリシャ「ではなぜ?」
王家の血を引く者だからだ。
敵の手に渡すべきではなかった。
ジークはマーレにすべてを話すだろう。
それが子供のたわ言ではないと奴らが気付くのは時間の問題だがな。
グリシャ「…… それでも…」
それでも?
死ぬまで敵国のために子を産まされ続ける生涯の方が良かっただろうか……?
実際…人を食う化け物に変えられるのとどっちがマシか
彼女に聞いたわけじゃなかったが……
あの最期を見る限り、間違ってなかった……と思う。
最期とは
ダイナ巨人の「最期」はエレンが「座標の力」を使ったときではないでしょうか?
あれがなければ、あの場に居た調査兵団は誰一人として生き残れなかったでしょう。
そしてクーデターも起きなかったし、ウォール・マリア奪還はおろか、地下室に辿り着くことも出来ませんでした。
グリシャの父の判断
お前の父親は…賢い男だった。
娘を殺されてもろくに捜査もしない当局相手にヘコヘコ垂れてたあの父親だ。
どうしたらこれ以上家族を失わずに済むか考えたんだ。
お前が道を誤らないように必死だった。
しかし息子は何も学ばなかったばかりか、自分の妻と息子を地獄に道連れにした。
揺さぶり
散々戦うことを推奨しておいて、グリシャの父をフォローするクルーガー。
グリシャを後継者に選んだ理由
お前を選んだ一番の理由はお前がマーレを人一倍憎んでいるからじゃない。
お前があの日壁の外に出たからだ。
あの日お前が妹を連れて壁の外に出ていなければ、
お前は父親の診療所を継ぎ、ダイナとは出会えず、ジークも産まれない。
大人になった妹は今頃結婚し、子供を産んでいたかもしれない。
だがお前は壁の外に出た。
壁の外に出たから
クルーガーがグリシャを選んだのは「壁の外に出たから」
エレンはアルミンの目を見て初めて自分の不自由さに気付きましたが、グリシャはごく自然に壁の外を目指してしまいました。
お前が始めた物語だろ
俺達は自由を求め、その代償は同胞が支払った。
そのツケを払う方法は一つしか無い。
俺はここで初めて同胞を蹴落とした日から、
お前は妹を連れて壁の外に出た日から、
その行いが報われる日まで進み続けるんだ。
死んでも、死んだ後も。
これはお前が始めた物語だろ
凝縮
自由には代償がつきもの、というか必須。
ひたすら進み続けるしかない。なぜなら、他の誰でもない、自分が始めたことなのだから。
この作品の全てが詰まったようなセリフです。
進撃の巨人の名前の由来
「九つの巨人」にはそれぞれ名前がある。
これからお前へと継承される巨人にもだ。
その巨人はいついかなる時代においても自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。
名は進撃の巨人。
自由とは
自由だから進撃の巨人なのではなく、自由を求めるから進撃の巨人。
もともと自由な人は自由を求めたりしません。
22巻89話「会議」
エルディア人の将来
「始祖の巨人」がマーレの手に落ちれば収容区のエルディア人は用済みとなり
この島にいようと大陸にいようとエルディア人は終わりだ
グロスが言っていたことは「事実」だ
古来よりエルディアは「無垢の巨人」を安価な破壊兵器として利用した
現にこの島ではエルディア人が壁の外へ自由に出られないようにするための檻の役割を担っている
「始祖の巨人」が操らない限り複雑な命令はできないが
一度放てば恐れを知らない自動殺戮兵器となる
だが今となってはそれを持て余している
この島に迂闊に近付けなくなったのはマーレも同じだ
そもそもマーレが大多数のエルディア人を収容区で生かしているのは
生かしたエルディア人の数だけ「無垢の巨人」として軍事力の頭数に加えられるからだ
だが当然マーレも一枚岩ではない
そんな扱いにくい兵器にするより皆殺しにしてしまえという意見が大半だ
マーレは現在この議論を棚上げにしているが
いずれは必ず資源を求めて この島を取りに来る
そしてこの島を開発するためには「無垢の巨人」を排除しなくてはならない
壁の王が持つ「始祖の巨人」を手に入れてな
その後エルディア人の存亡を巡る議論は再燃するだろう
軍事転用か 根絶やしか どちらかだ
袋小路
パラディ島の人たちは壁が出来たときから既に袋小路にハマっていたということです。もっと前かもしれません。
不条理です。
でも、だからこそ、この作品は面白いのでしょう。
壁の王(カール・フリッツとその子孫)は戦わない
壁の王(145代目フリッツ王)は戦わない
『エルディアが再び世界を焼くというのなら我々は滅ぶべくして滅ぶ』
『我から始祖の巨人を奪おうと無駄だ』
『我は始祖の巨人と不戦の契りを交わした』
145代目フリッツ王は大陸の王家にそう言い残し壁の門を閉ざした
グリシャ「『壁の巨人が世界を平らにならす』とも言い残したのではないのか?」
その言葉が抑止力になる間に束の間の平和を享受するらしい
壁の王は民を道連れにし、エルディアの滅亡を望み、受け入れている
壁の王は民から記憶を奪い、壁の外の人類は滅んだと思い込ませた。無垢に仕立てた民に囲まれ、そこを楽園だとほざいている。
「不戦の契り」が何なのかはわからないが… もはや民を守らぬ王は王ではない
フリッツの名は名乗っていないだろうが 必ず見つけ出して 臆した王から「始祖の巨人」を取り上げろ
それが俺達の使命だ
カール・フリッツ
カール・フリッツの思想はエレンとは対照的です。
しかし対照的だからといって完全な悪役にならないのが進撃の巨人です。
ミカサやアルミン
家族を持て
壁の中に入ったら所帯を持つんだ
グリシャ「…何を言ってる?俺にはダイナがいる それに巨人になったら直前の記憶は もうなくなるんだろ?」
そうとは限らん 後で誰かが見てるかもしれん
妻でも 子供でも 街の人でもいい 壁の中で人を愛せ
それができなければ繰り返すだけだ 同じ歴史を 同じ過ちを 何度も
ミカサやアルミン みんなを救いたいなら 使命を全うしろ
グリシャ「ミカサ?アルミン?誰のことだ?」
…さぁ?わからない
誰の記憶だろう?
後で誰かが見ている?人を愛せ?
「記憶」を強調してきたタイミングでこのセリフ。
「人を愛せ」というのも裏がありそうで怖いです。
ループ?
ほぼ確実に未来の記憶であるといえるこの「ミカサやアルミン」。
いわゆるループものなのであれば、クルーガーは「さあ?わからない」なんて言わないはずです。記憶がない、わからないのではループする意味が無いでしょう。
じゃあこれは一体何なのでしょうか?
実に巧妙な演出だと思います。
セリフの主は誰?
後にグリシャがエレンに言うセリフと一緒です。
グリシャからしてみれば未来の自分のセリフになります。
その一方で、エレンがグリシャのセリフを聞いた記憶と解釈することも出来ます。