中央政府がエレンとヒストリアを狙う理由とは

王政編はエレンとヒストリアを巡る中央政府と調査兵団の戦いでしたが、そもそもなぜ2人は狙われていたのでしょうか。

始祖の巨人を持っていたから?ヒストリアが王家の血筋だから?

でもだからといって王政が必死になって2人を攫おうとするのはなぜ?しかもウォール・マリア奪還作戦を控えたあの時期に動いてきたのはどうして?

このあたりを解説します。

エレンとヒストリアが狙われた理由

  • エレンが「始祖の巨人」を持っていることがわかったから。
  • ヒストリアが始祖の巨人を使える「王家の血筋」だから。

王政は始祖の巨人が欲しい

中央政府の貴族は壁の中の世界を支配したい、自分たちが権力者として君臨し続けたい人たちです。

曲がりなりにも政府なのですから人類の安全と平和のために行動していると思いたいところですが、実際は自分の地位と庭付きの家を守ることしか頭にありません。

エルヴィン団長が王都に招集されたときにはっきりしました。

そんな貴族たちが世界を支配するために必要なのが「始祖の巨人の力」であり、その力を使うために必要なのがエレンとヒストリアです。

もっと言えば、本当に必要とされているのはエレンが持つ「始祖の巨人」とそれを使いこなすヒストリアの「血」であり、本人自体はどうでも良いということなります。

王政はなぜ急に動き出したの?

エレンが叫びの力を使える、つまり始祖の巨人の保有者だとはっきりしたからです。

そして、始祖の巨人を扱うことが出来る王家の人間がもうヒストリアしか残っていないこともわかったからです。

はっきりしないと、動けません。中央貴族たちは派手に動いて民衆や兵団に疑われることを嫌っています。記憶改竄などの秘密が漏れて争いや反逆のきっかけになりかねないからです。

ライナーとベルトルトに攫われて戦った時、エレンは「叫びの力」を発動しました。ライナーはこれを「座標の力」と呼んでおり、既にその存在を知っていたことがわかります。

当然、王政の人間もこの「叫びの力」がどんな意味を持つのかを理解しているため、以後急ピッチでエレンをとっ捕まえようと動き出します。

エレンが初めて巨人化したときや女型の巨人と戦ったときまでは、公式な手続きを取っていたことを考えるとえらい違いなのです。だから調査兵団も「なんかおかしいぞ」と思い始めるのですね。

特にエルヴィン団長なんかは幼い頃から巨人や人類の歴史に思うところがあったわけですから、王政のちょっとした変化にも敏感に反応してしまいます。

そもそもロッド・レイスが始祖の巨人を失ったことを知らなかった

レイス家の教会地下でケニー・アッカーマンが説明してくれますが、ロッドはフリーダを殺され始祖の巨人を失ったこと、また次の継承者となるはずだったフリーダの弟たちも同時に殺されたことを他の貴族メンバーに話していませんでした。5年間も。ずっと。

もしそんなことがバレたら自分の立場が危うくなるからです。

エレンが巨人化したことが知れ渡り、つまり始祖の巨人奪われたことが公になってようやくロッドは白状しました。巨人化する人間なんて元々壁内にはレイス家の継承者1人しかいなかった訳ですから、王家以外の者が巨人化したらそれはおかしな話なのです。

そして、始祖の巨人を継承者する器としてヒストリアを連れ戻そうと動き始めました。もしエレンが巨人化していなければロッドはずっと黙っていたのでしょう。

まあまあ急ピッチで動いていた王政

エレンがトロスト区の戦いで初めて巨人化してからライナーに攫われて「叫びの力発動」まで、1ヶ月程度です。

第1の動きとしてエレンの巨人化直後、王政は兵法審議で奪おうとしたものの調査兵団に奪われ失敗。この段階ではまだ「始祖かどうか」は不明でした。

約1ヶ月後の第57回壁外調査から女型の巨人との戦いからウトガルド城~叫びの力発動に至る怒涛の展開もせいぜい2~3日。ここでエレンの始祖持ちが確定して誘拐スタートですからまあまあ素早い行動だと言えます。

伊達に100年間壁内を支配し続けていたわけではないようです。

「始祖の巨人」さえ手に入れば貴族は安泰?

読者目線だと、王政が始祖の巨人を手に入れてどうするの?と思ってしまいます。

いつまた巨人が攻めてくるかも知れないのに、人間同士で争っている場合ではありません。

ウォール・マリアを奪還しないと人類の活動領域は狭いまま、食糧も足りずジリ貧です。

ですが、貴族たちはそんなことはどうでも良くて、自分たちの保身が何よりも大切なようです。

エルヴィンが死刑を言い渡された直後、「ウォール・ローゼが突破された」と嘘情報がザックレー総統の作戦によって流されましたが、王政の貴族たちは断固として住民をウォール・シーナ内に入れようとはしませんでした。

彼らは「始祖の巨人」さえいればすべて万事解決すると信じているようです。

記憶の改竄で一般庶民は支配できるし、万が一外から巨人が攻めてきても、最強を誇る始祖の巨人なら大丈夫だと思っていたのでしょう。

貴族たちは始祖の巨人の不完全さを知らない

これもまたロッド・レイスが黙っていたのがいけないのですが、始祖の巨人って実は大したことありませんよね。正確に言えば、レイス家が操る始祖の巨人は大したことありません。

グリシャ1人に簡単にやられているように戦闘能力はいまいちですし、記憶の改竄も全員に対して使えるわけではありません。

もし仮にエレンから始祖の力を奪って別な人間に移したとしても、鎧の巨人や超大型巨人、獣の巨人が協力してやってきたら為す術もなかったでしょう。

だから、人類の安全と平和のためにエレンから巨人を奪う、調査兵団の動きを止めるというのはやっぱり筋が通らず、むしろ貴族たちを守ることすら不可能です。

ロッド自身が最後は自分で選んだ巨人薬を使い訳のわからない制御不能の超大型巨人になってしまったように、王家の人間と言えど巨人についてよく知らなかったようです。

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