第136話「心臓を捧げよ」

概要

全体的にギャグ的な要素が多めの回。

ファルコ登場により一旦危機を回避した一行だったが、拐われたアルミンと串刺しのピークを救出し、エレンを仕留めるために再度攻勢を仕掛ける。

いよいよ追い詰められた調査兵団は、「エレンを救いつつ地鳴らしを止める」という線は消え、「エレンを殺す」ことを決意する。しかしミカサだけはまだ希望を捨てられない様子。

歴代九つの巨人との戦いはヒートアップし、ピークちゃんの車力活用術、ミカサとアニの共闘など盛り上がる。

オカピ巨人に捉えられたアルミンは、必死に抵抗し自虐の限りを尽くすが、意識を失い「道」へ飛ばされジークに出会う。

この回で張られていた伏線

銃声4発

スラトア要塞で一触即発のマーレ人とエルディア人。銃声が4回鳴り響く。

巨人の口の中 ↔ 外の状況

アルミンのセリフ「…僕は口の中にいるはずなのに なぜかみんなの状況がわかる」

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この回で回収された伏線

密かに3人の話を聞いていたリヴァイ

伏線

密かに3人の話を聞いていたリヴァイ

18巻72話「奪還作戦の夜」

回収

アルミンを選んだ理由に繋がる。21巻84話「白夜」でも十分わかるが、リヴァイのモノローグでよりその意思が鮮明になるのは34巻136話「心臓を捧げよ」

銃弾4発

伏線

ジャンがピークやミカサたちに送った合図。

31巻126話「矜持(きょうじ)」

回収

ジャンの合図とミュラー長官の銃弾4発と重なる。つまり攻撃目的ではない。

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巨人の力の正体?

ガビの推理。エレンの背骨あたりから飛び出した「光るムカデ」が巨人の力の正体

考察

始祖ユミルが木の穴で接触したものと同じ。

道は現実?

アルミンのセリフ『ここは「道」ここは現実だ!!』

考察

アルミンの実感が正しければ、道は非現実的な精神世界のように見えるが、進撃の巨人においては現実らしい

小ネタ・擬音

ムンズ

擬音

ムンズ → MUNZ! ヘアケア商品。柔らかい素材で出来たツボ押し的な櫛。※副詞 「むずと(力を込めて、勢い良くする様)」の強調として「むんず」は割と使われるので考え過ぎかもしれない。例)肩をむんずと掴む

内容

アニがミカサを励ますために胸ぐらを掴むときの音。

ザコシ

擬音

ザコシ → お笑い芸人ハリウッドザコシショウの略称

内容

歴代九つの巨人(顎?)が車力の巨人を攻撃する音

所感・考察

光るムカデ

有機生物の起源では納得がいかないのか「虫」「脊椎」「ハルキゲニア」など色々な呼ばれ方をしていましたが、今回のガビの発言により「光るムカデ」で定着しそうです。

さらに、122話の最後の描写は、「体→首」だったようです。私は「首→体」かと思っていました(ジークが接触したのはエレンの首なので)。

この「体→首」というベクトルは何か重要なことに繋がるのかもしれません。ウォール・マリア最終奪還作戦のときにライナーが全身の神経網に意識を移した~云々と関係がありそうです。

エレン巨人の首を爆弾で吹っ飛ばし、光るムカデを誰かが倒してハイお終い、巨人の力は消えました、というのはさすがにないと思うのですがどうなんでしょうか。

やっぱり正体が気になります。科学的な根拠とかではなく、作中の定義です。因果の循環(グリシャの始祖奪還⇔記憶ツアー)あたりと絡めて解明されて欲しいという願望があります。

ジークとアルミン

この辺りでそろそろ巨人大戦関係の謎が一気に解き明かされることを期待してしまいます。

ジークといえば「王家」ですから、記憶ツアーで145代目の王カール・フリッツが繋がって「不戦の契り」が生み出されたりするかもしれません。

エレンとアルミンが今置かれている状況は、ケニーとウーリに似ているといえば似ています。

暴力を信じるケニーと友人になれた奇跡を信じているウーリ。「滅ぼしあう他なかった我々を友人にしたもの一体何だ?」というやつです。

アルミンの髪型がウーリに、鼻がヴィリー・タイバーに似ているのは、果たして伏線なのでしょうか、特に意味はないのでしょうか。

またアルミンは超大型巨人の継承者ですから、壁の巨人と無関係とは思えません。135話にベルトルトが登場したのも何か匂わせます。

道を通じて記憶が繋がって、巨人大戦の結末と地鳴らしストップが対比で描かれたりしたらとても美しいと思います。

道は現実

アルミンが『ここは「道」ここは現実だ!!』と力強く語っています。

どうやら道は現実らしいです。

今まで精神世界かのように語られていたような気がするんですが、これは間違いのようです。

あるいは、アルミンは既に死んでいて、現実と誤認しているのでしょうか??

リヴァイの役目

リヴァイの考えは、調査兵団が頑張ってきた結果が、地鳴らしで世界を踏み潰すことならば、それは「捧げた心臓(いのち)」に見合わないというものです。

確かにそうかもしれませんが、かといってじゃあ「呆れるほどおめでたい理想の世界」って何なのだろうか、とも思います。

リヴァイがアルミンを選んだことに非常に前向きな理由があった、エルヴィンを解放する、休ませるだけではなかったということがはっきりしました。

つまりこれは、リヴァイも死んでいった仲間も、海まででお役御免ではないよ、海の先に対してもガンガン関与する存在なのですよ、ということなのでしょう。

だから、リヴァイは「ただ踏み潰すだけではない結果」を見届けるまでは死ねませんよね。だってそうしないと「捧げた心臓(いのち)」に見合わないのですから。

それが叶わないのが進撃かもしれませんが…。

エルヴィンの命令の有効期限

リヴァイは今までエルヴィンの命令をしくじったことは一度もなかったけれど、獣の巨人を打ち取ることだけは出来なかった、ということで物凄く固執しています。

しかし、そもそもエルヴィンはリヴァイの任務の成否とかいつまでも気にしているのでしょうか?

エルヴィンのリヴァイに対する命令というのは、あくまでもその時その時の作戦のためにあるものです。

だから生涯かけてジークを殺すことに拘っているのはリヴァイの私情であって、エルヴィンとは直接関係ないのではないでしょうか?

ということで月並みな推測ですが、最終的にリヴァイはジークを許すというか、殺さない選択をすることになるんだと思います。

心臓を捧げよ?

具体的にどれが「心臓を捧げよ」なのかよくわからない回でした。

確かにみんな必死になって頑張っているし、リヴァイのセリフに「捧げた心臓」というフレーズも出てきます。

もしかしたらアルミンは既に「心臓を捧げた」ってことなのでしょうか?

どれもしっくりこないので、後で意味がわかるパターンなのかもしれません。

単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第136話「心臓を捧げよ」

Devote Your Hearts
公開
別冊少年マガジン:2021年2月号
発売日:2021年1月9日()
コミックス
発売日:2021年6月9日()

サブタイトル「心臓を捧げよ」の意味

何のために心臓を捧げるのか。

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