第135話「天と地の戦い」
概要
眠る豚を見つめる始祖ユミル。逃がそうとしているのか?扉を閉めようとしているのか?
回想が開けるとエレン巨人の背中の上でアルミンたちを見つめる始祖ユミル。実体があるのかないのか。どっち?
「どこが自由なのか」と問い詰めようと息巻いていたアルミンはあっという間に謎の舌の長い巨人に食われて戦線離脱…。
ミカサ達は始祖の巨人が無尽蔵に生み出す「歴代の九つの巨人」に苦戦し、拐われたアルミンを救出することも出来ず、獣はおろかエレンの居場所を特定することも困難な状況に。
奇襲を仕掛けてエレンの首を狙ったピークちゃんは戦槌の巨人に串刺しにされる。ベルトルトの攻撃でリヴァイ&コニーは瀕死状態。ジャンとライナーは立体機動装置が破損してまとも動けない。
もはや絶体絶命かというところに現れたのは…。
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この回で回収された伏線
サルを知らないコニー
どう見てもサルっぽい巨人を見て「獣」と呼ぶコニー
9巻38話「ウトガルド城」
パラディ島にはサルがいない。獣の巨人はサル型とは限らないことを示唆している?
リヴァイの予言
リヴァイのセリフ「巨人が地面から現れるかも知れねぇし空から降ってくるかもしれん……」
13巻53話「狼煙(信じるバカ ※連載時)」
エレンが地下牢から脱出したときに使った戦鎚の巨人の能力やファルコの空飛ぶ巨人を思わせる…
サルのぬいぐるみ
グリシャとダイナの息子ジークがサルのぬいぐるみで遊んでいる
21巻86話「あの日」
ジークが「獣の巨人」を継承することを示唆している。知性巨人の見た目は継承者本人の深層心理・思い描く理想の姿のようなものと関係があると考えられる。もしそうであればファルコの巨人が鳥であったことの説明もつく。
鳥の群れ
鳥の群れを見上げるグリシャ
22巻88話「進撃の巨人」
自由の象徴か、空飛ぶ巨人の伏線か。
鳥
ファルコが鳥を見て逃げろと言っている
23巻91話「海の向こう側」
ファルコが空飛ぶ巨人を継承する伏線?
羽の生えた巨人
カルヴィ元帥のセリフ「羽の生えた巨人はいなかったか?」
23巻93話「闇夜の列車」
ファルコの巨人が羽を生やして空を飛ぶ伏線?カルヴィ元帥はユミルの民であり、記憶が流れ込んだということ?エルディア復権派のことやヴィリー・タイバーが軍内部に敵がいると考えていたのであり得ない話ではない。しかし具体的な描写がないので不明。
豚を逃したのは誰?
始祖ユミルが指をさされ本人も認めていたが実際に豚を逃した描写はない。
30巻122話「二千年前の君から」
柵の扉を開けて豚を逃していそうな描写が登場。始祖ユミルは自らの意思で豚を逃したと考えられる。
ファルコ巨人の外見
顎というよりくちばし。毛のフサフサ感、手先が鳥っぽい。
32巻129話「懐古」
飛んだ。
「いや…」の豚【記憶の断片】
「いや…」の豚。
32巻130話「人類の夜明け」
始祖ユミル視点?135話冒頭に限らず、家畜の豚を見ている記憶があることは間違いなさそう。
それが僕にもできる…
「それが僕にもできる…そんな感じがするんです…」ついにファルコ本人が言い出した。ジーク由来の記憶で雲の上を飛んでいたらしい。
33巻133話「罪人達(つみびとたち)」
本人の手応え通り、飛ぶことに成功してしまう。またかつてエレンは砲弾を防いだときに、説明はできないができると思ったという趣旨の発言をしている。
獣の巨人
やけに無機質に見える獣の巨人
33巻134話「絶望の淵にて」
偽物。始祖の巨人は歴代の九つの巨人のコピーを無限に作り出すことが出来る
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謎
抵抗は始祖ユミルの意志?
アルミンの推測では歴代知性巨人が行く手を阻んでくるのはユミルの意志ということになっているが
アルミンの意志。地鳴らしの恩恵を否定できず、さらにエレンを殺す覚悟が決まらないアルミンの深層心理のあらわれ。このときの始祖ユミルはアルミンの鑑
涙のベルトルト
左目から涙を流すベルトルト
超大型巨人は半分アルミン半分ベルトルト?
過去回と重ねられている描写
もが
アルミンがオカピ巨人に食われる時のセリフ「もが」
格闘訓練中、アニに圧倒されてエレンが「もが」と言っている
4巻17話「武力幻想」
小ネタ・擬音
ヌルマゴ
ヌルマゴ → ハビブ・ヌルマゴメドフ。総合格闘家
アルミンがオカピ巨人の長い舌に絡みつかれながら食われるときの音。
始祖ユミルの謎
豚をどうしようとしているのか?
122話では始祖ユミルは可哀想な奴隷の少女という印象を抱かせました。
そのおかげで、実はそんな描写はひとつもないのに、豚を逃したのは冤罪だと推測している人も多かったように思います。
なんだか良くわからないけれど、多分冤罪なんじゃないの?そういうことでしょ?私も無意識にそんな感じに思っていました。
あの指差しシーンは非常に効果的だったということですね。見事です。
それを踏まえると今回の描写も「逃したとは限らない」ということですよね。
エレンの記憶との関係
今回の冒頭の豚は、130話のエレンの回想に出てくる豚と同じだと思われます。
つまりエレンと始祖ユミルの記憶はシンクロしている、みたいな話です。
一方、エレンやグリシャの巨人の耳が豚の耳っぽいから、エレンは豚の生まれ変わりだみたいな話があります。
自分が家畜だったときの記憶があるから家畜を過剰に嫌う、ということになり筋が通った話に感じられるでしょう。
この2つの説が両立するならば、エレンには飼い主と豚の記憶がグルグル循環していることになります。それはそれで面白いと思いますが、なかなか難解です。
抵抗は始祖ユミルの意志なのか
アルミンは、抵抗は始祖ユミルの意志だ、と推測しています。
確かにエレンは「道」で「お前らは自由にやれよ」と言っていました。
また、アルミンは、始祖ユミルは人類の虐殺を望んでいる、と考えています。
なんだかだいぶ混沌としてきました。
エレンに救ってほしくて2000年待っていた可哀想な奴隷の少女というイメージは一旦忘れたほうが良いのかもしれません。
というか、そんなことは122話のどこにも描かれていませんね。合っているのは「2000年(くらいの長い間)」と「奴隷」ぐらいのものです。
ハンジは無駄死になのか
予てより言われていたファルコの鳥巨人がついに登場しました。
ファルコが飛べるなら、飛行艇を飛ばすために死んでいったハンジさんはなんだったのか、ということを思わなくもありません。
しかし、「意味のある死などない」というのは作中でずっと語られてきたことです。エルヴィンや104期ユミルがそう言っています。
だからむしろ、「空飛ぶ乗り物」がタイミング悪く登場したのは、「死者に過剰に意味を与えないでください」という作者のメッセージなのかもしれません。
単行本、別冊マガジン掲載時の情報
タイトル | 第135話「天と地の戦い」Battle of Heaven and Earth |
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公開 | 別冊少年マガジン:2021年1月号 発売日:2020年12月9日(水) |
コミックス | 発売日:2021年6月9日(水) |
サブタイトル「天と地の戦い」の意味
天→空からやってきたアルミン達&ファルコの巨人で空を飛ぶ。地→地上を行くエレンと地鳴らし巨人。 or 天→道を通じて歴代知性巨人を送り込むエレン&始祖ユミル。地→迎え撃つアルミン達。