第131話「地鳴らし」

概要

世界連合艦隊を蹴散らした地鳴らしはついに民間人を襲います。

スリの少年との絡みからエレンの真意がまた1つ明らかになり、ついに「あの景色」がお目見え。

エレンを追う船中ではアルミンとアニがいい感じになる。

関連

未来の記憶を見る仕組み

記憶を見せるのは進撃なのか始祖なのか

なぜ「未来は変えられない」のか

この回で張られていた伏線

道で会うエレンとアルミン

子供エレンと大人アルミンが道で遭遇。なぜ子供エレンと大人アルミンが道で会うのか?

壁の向こう側

アルミンのセリフ「まだ…僕らの知らない壁の向こう側があるはずだと…信じたいんだ」

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この回で回収された伏線

アルミンとアニ

伏線

アルミン「アニってさ…実はけっこう優しいね」アニ「あんた弱いくせに根性あるからね」

5巻21話「開門」

回収

後に2人がくっつくことを示唆している?それなりに相手を意識していないと出てこないセリフではある。他のキャラ間ではこのようなやり取りはほぼ0。

女型の巨人がアルミンを見逃す

伏線

なぜ女型の巨人はアルミンを見逃したのか

6巻23話「女型の巨人」

回収

エレンじゃないから。いくら任務とはいえ顔見知りをポンポン殺すのは気が引けるのだと思われる。そしてアルミンに対して特別な感情があったことも示唆している?

人類史上こんなに悪いことした奴はいねぇよ

伏線

エレンのセリフ「人類史上こんな悪いことした奴はいねぇよ」

11巻43話「鎧の巨人」

回収

むしろ自分がそうでした。あっさり記録更新します。

大量殺人鬼だ

伏線

エレンがライナーとベルトルトに言ったセリフ「お前らは…兵士でも戦士でもねぇよ…ただの人殺しだ 何の罪もない人達を大勢殺した大量殺人鬼だ!!~」

11巻46話「開口」

回収

自分に返ってくる。

エレンが見た記憶

伏線

グリシャはフリーダに自分が壁の外から来たエルディア人(ユミルの民)であることを告げ、巨人を殺してくれるようにお願いしていた。エレンが険しい表情になった理由は?

22巻90話「壁の向こう側へ」

回収

「地鳴らし」の光景を見たらしい。 + フリーダを殺したはずのグリシャが最初は真逆の行動を取っていることに驚いた? or グリシャのレイス家惨殺はエレン自身のせいだったことを知ったから?他にも様々な未来の記憶を見ていた模様。

お前と同じだよ

伏線

何が同じ?

25巻100話「宣戦布告」

回収

当初敵と見ていた相手と親睦を深め悪魔ではないと知ったにも関わらずそれでも殺す道を選んだこと(半端なクソ野郎)。それを他人や環境のせいではなく自分の選択として進み続けること?など

アルミンのアニ詣で

伏線

アルミンは足繁くアニの所に通っている模様

27巻110話「偽り者」

回収

アルミンはアニのことが好き。ベルトルトの影響がどれだけあるのかは不明。

ラムジー【記憶の断片】

伏線

記憶の断片ページ。ミカサの右隣の帽子を被った少年

30巻120話「刹那」

回収

マーレに住む戦争難民。スリをして生計を立てている。エレンはラムジーがマーレ人に捕まっているところを助けて住居まで送り届けた。しかし、エレンは「未来の記憶」によって後に自分のせいでラムジーが死ぬであろうことがわかっていたので泣きながら謝罪した。

まさかあんな…恐ろしいことにことになるとは…

伏線

グリシャのセリフ。「まさかあんな…恐ろしいことになるとは…」 グリシャは一体どんな記憶を見たのか?

30巻121話「未来の記憶」

回収

おそらく地鳴らし。エレンの「あの景色」と対応していると思われる。131話で少年エレンが恍惚とした表情で眺める上空の「この景色」の下で起きている地鳴らしの悲惨な光景をグリシャは見たのでは?

あの景色

伏線

エレンのセリフ。「あの景色を…」と恍惚とした表情で語っている。あの景色に到達することがエレンの最終目標?

30巻121話「未来の記憶」

回収

子供の姿のエレンが121話の19歳エレンと同じ表情で「自由だ ついにたどり着いたぞ この景色に」と言っている。エレンは雲の上で両手を広げ自由を満喫しているが雲の下では地鳴らしが爆進中。過去と未来、天と地、絶頂と絶望…見事な対比が複雑に絡み合う作中最高の瞬間の1つ。

エレンの涙

伏線

なぜエレンは泣いていた?

31巻123話「島の悪魔」

回収

自分が助けたスリの少年ラムジーが自分のせいで死ぬことになるという残酷な現実にやられている。まさにライナーと同じ半端なクソ野郎状態。または、ラムジーを助ける記憶を見てそれで泣いていた可能性もある(実際に助けるのは後日というパターン)。また131話のエレンは号泣しているが123話はそうでもないように見える。

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大量の鳥

地鳴らしに呼応するように大量の黒い鳥が飛んでいく

考察

地鳴らし巨人を導き誘導しているのかもしれない。またこの鳥が見たものが記憶としてエレンに共有されていると考えられる。だからグリシャも「地鳴らし」の記憶を見て「あんな恐ろしいことになるとは」と言ったのでは。

ガッカリした

エレンのセリフ「ガッカリした」壁の外に人類がいると知ったとして、その何にガッカリしたのか。

考察

未知の自然が広がる世界を冒険することを夢見ていたのに自分たちと変わらない人間、しかも自分たちを悪魔と憎む人間が住んでいたから? or 壁外編があることにガッカリした?(読者目線)

望んでたんだ

エレンのセリフ「望んでたんだ」

考察

130話のモノローグとの関連。エレンは勲章授与式で未来の記憶を見る前から外の世界に対してガッカリし、すべて消し去ってしまいたいと思っていた。記憶で地鳴らしをする未来を知ったからやらなくてはならないと思っているのではなく、それ以前から心の奥で望んでいたからこそ、地鳴らしをするという未来の記憶を見た。

自由だ

エレンの「自由」

考察

130話の「すべてが最初から決まっていたとしても すべてはオレが望んだこと」との関連。地鳴らしだけでなく、自分の身に降りかかる出来事・現象のすべてをそう望んだとすることで自由を手に入れることができる。出来事が先でエレンの認知は後。起こったことをそう望んだから起きたと見なすから自由。

始祖ユミル

始祖ユミルがラムジーが踏み潰される様子を眺めているかのような描写。

考察

始祖ユミルが現実世界に降りてきた?アニメではラムジーの瞳に始祖ユミルが映っている。ラムジーは踏み潰されながらエレンのことを思い出し、それが始祖ユミルに重なる(切り替わる?)という演出なのかもしれない。このとき始祖ユミルがラムジーを見ていたからこそ、エレンはラムジーを助ける未来の記憶を見た?

子供エレン

「自由だ」と言っている子供エレン

考察

道にいる子供のエレンが現実(下界)の様子を見て、または空を飛んでいると感じて「自由だ」と喜んでいる?明晰夢(自分が夢を見ていることを自覚している夢)を見る人は、その夢の中で「自由だ」と感じることがあるらしい。

アルミンとアニの元に飛んできた鳥

考察

ラスト1つ前のページでアルミンは鳥を見ている。そしてラストでは視線の方向は変わらず目つきだけが変わりエレンを見ているような描写。エレンと鳥が繋がっている?

過去回と重ねられている描写

ラムジーとミカサ。涙への反応

泣いているエレンを見たラムジー「何で泣いてるの?」

内容

泣いているエレンを見たミカサ「どうして泣いてるの?」

1巻1話「二千年後の君へ」

所感・考察

スリの少年・ラムジー

30巻120話「刹那」のエレンの記憶の断片に登場して以来、何か重要な役割があるのではないかと注目されていたスリの少年。彼の名前がラムジーであることが判明しました。

エレンとラムジーとの間に起きた出来事を時系列は複雑で、少なくとも2パターン以上考えられます。

エレンがラムジーを助けたのは単独行動より前

  • マーレに上陸した調査兵団一行が市場でスリをして捕まるラムジーと遭遇し助ける。(123話「島の悪魔」)
  • 調査兵団一行がアズマビト家の別荘で話し合い中。ミカサがエレンがいないことに気づく(123話)
  • エレンは1人で街を散策し、街人にリンチされるラムジーに遭遇し助けた後、彼を住処に送り届ける。そこで涙を流しながら謝罪。(131話)
  • エレンが1人で泣いているところをミカサに見つけられる。そこで「お前はオレの何だ?」(123話)
  • エレンにラムジーを助けてもらったお礼に難民に饗され、駆けつけた104期と共に宴。(123話)

「そんな結末納得できない」 → 地鳴らし覚悟 → 「オレはお前の何だ」 → 地鳴らし覚悟・完全版

ラムジーを助けたときはまだ迷っていて、「オレはお前の何だ」で完全に覚悟が決まり、討論会でダメ押し…と解釈するとこうなるでしょう。

エレンがラムジーを助けたのは単独行動より後

  • マーレに上陸した調査兵団一行が市場でスリをして捕まるラムジーと遭遇し助ける。(123話「島の悪魔」)
  • 調査兵団一行がアズマビト家の別荘で話し合い中。ミカサがエレンがいないことに気づく(123話)
  • エレンがラムジーを助ける記憶を思い出して1人で泣いているところをミカサに見つけられる。そこで「お前はオレの何だ?」(123話)
  • 市場で調査兵団のみんなにラムジーを助けてもらったお礼に難民に饗され、駆けつけた104期と共に宴。(123話)
  • 国際討論会の最中にエレンが姿を消す(123話)
  • エレンは1人で街を散策し、街人にリンチされるラムジーに遭遇し助けた後、彼を住処に送り届ける。そこで涙を流しながら謝罪。(131話)

まず、ラムジーの頬の傷がないことのつじつまが合います(泥がついていただけで拭いたから消えたとか考える必要がなくなります)。

エレンはラムジーに謝る際、引くほど号泣していました。ミカサに見つかった時の、ツーッを軽く超えるレベルです。であれば、記憶を思い出してしめやかに泣いていたとするほうが相応しい気がします。

また、エレンとミカサの会話は「(あの少年との間に)何があったの?」「(記憶で知っているけれど)まだ何も」となるので、自然に感じられます。

オレはお前の何だ → 地鳴らし覚悟 → そんな結末納得できない → 地鳴らし覚悟・完全版

ミカサは自分が「オレはお前の何だ?」に対して「家族」と答えてしまったことによってエレンが「地鳴らし」に踏み切ってしまったと考えています。つまり「オレはお前の何だ」はエレンの迷いを表している訳です。

エレンが「そんな結末、納得できない」と強い感情を示したのは「地鳴らし」へより強く傾いたサインでしょう。そしてその後にラムジーに「ガッカリした」とか「すべて消し去ってしまいたかった」とまで言ってしまっています。

また、エレンが「死ぬべきは…オレ達エルディア人なんじゃないのか?」と考えていたことの理由を、国際討論会におけるユミルの民保護団体の発表を聞いたから、と結びつけることも出来ます。

これを踏まえてラムジーを助けるのが「オレはお前の何だ」より前だとすると、エレンの気持ちが「地鳴らし」に強く傾いた後に、迷いの気持ちを表す「オレはお前の何だ」が出てくるのはちょっとおかしいような気がします。

このように考えれば、エレンがラムジーを助けたのは単独行動に出た後、と解釈することも出来ます。

エレンが街でラムジーに遭遇したときのセリフ

街でラムジーを見つけた時のエレンのセリフ、「あの少年… 未来(さき)の記憶で見たことがある おそらくオレはこの少年を助ける…」

これはどう解釈すれば良いのでしょうか?

「(以前会ったことがある)あの少年だ…(この少年の肩に手をかけて話す光景を)未来の記憶で見たことがある (ということは)おそらくオレはこの少年を助ける…」

ということになると思います。こう解釈すれば、時系列との矛盾もなくなるでしょう。

またエレンは自分が見た記憶をそれぞれ「これは過去、これは未来」と区別がついているらしいことがわかりました。どうやってわかるのかは謎ですが、未知の記憶に対してそれが過去にあったことなのか、これから先起こることなのかおおよそ判断がついているんじゃないでしょうか。

とはいえ、ややモヤッと感があるのは否めません。

ラムジーは本当に可哀想なのか

戦争難民であるラムジーは、家族や仲間たちを貧しい暮らしから救うために、危険を犯しながらスリを繰り返してお金を貯めていました。

右手を失っても自由を求めて奮闘する姿はエレンに重なる部分もあり、そんな彼が無残にも地鳴らしの巨人に踏み潰される姿は衝撃的でした。

ラムジーはエレンと同じようにある日理不尽に自由を奪われた人間です。

「ああエレンが理不尽に奪う側になるのね」などと考えながら、ラムジーがマーレ人から何度もお金を奪っている犯罪者であることも頭を過ります。

いったい自分はラムジーの何に同情しているのかよくわからなくなりました。

エレンもラムジーも、エルディア人もマーレ人も、イェーガー派もハンジ達も、ただ単に生存競争をしているだけです。

未来は変わらないらしい

エレンはこれから自分が地鳴らしで世界中の人々を虐殺する未来が見えているため、「自分が下手に正義を気取ってラムジーを助けるなんて矛盾している」とエレンは感じています。

しかしその思いとは裏腹にエレンはラムジーを助け、自分が見た記憶と同じようにラムジーの肩に手をかけて涙を流し謝罪することになります。

エレンが見た「未来の記憶」は、ラムジーを助けるかどうか迷うことも含まれていたということです。

もしエレンの選択によって「未来の記憶」の内容が変わってしまうのであれば、それはそもそも未来を見たことにはなりません(単なる予想に過ぎない)ので当然といえば当然の話です。

なぜ未来は変わらないのか

作者が「進撃の巨人の特性」として未来視を設定したのは、エレンを縛るためだと思います。自分の行動が勝手に決められるのは究極の不自由だからです。

エレンは「自由を取り戻すためなら力が湧いてくる」と言っています(18巻73話「はじまりの街」、20巻81話「約束」)。

作者はエレンから自由を奪い、エレンが自由を奪い返す様を描くことでドラマを生み出しています。

壁、巨人、王政、マーレ、差別、世界といった具体的な不自由がエレンに降りかかり、それを1つ1つ解消することが「自由を取り戻す」ことになっています。

そういう意味で、エレンにとって究極の敵は「未来が決まっていること」になるんじゃないでしょうか。

もし未来を変えることが可能なら、それは「選択の自由がある」ことになってしまうので、エレンの敵としては不十分です。ぬるいんです。

自由を求めて進撃するということは、いくつもの不自由にぶち当たるということになります。

クルーガーが何年にも渡って無数の同胞を岸壁から蹴落として巨人にしたように、地獄を味わってもその先で自由を取り戻せると信じて進み続けるしかないのです。

130巻にあった「すべてはこの先にある」というのは、「決定している未来が全部なくなった後」ということだと思います。エレンはそこに到達したいから、「決定している未来」が地獄だらけでも進み続けるのです。

今回131話で子供エレンが「自由だ」と恍惚の表情を浮かべていました。

エレンは「未来の記憶」をすべて消化し切った、縛るものがなくなったのですから、さすがに自由を感じるでしょう。

しかし、その自由は巨大な代償の上に成立していることをまざまざと見せつけてくる、そこがこの作品の醍醐味ではないでしょうか。

エレンとアルミンが道(座標)で出会う

今回、エレンとアルミンが道(座標)で遭遇する描写がありました。

あのコマは呼ばれた瞬間ではなく、離脱する瞬間だったのではないでしょうか。

アルミンは、地鳴らしをしているエレンの声を聞いていたのだと思います。

エレンとアルミンのシンクロ

島を…エルディアを救うため…

それだけじゃ……ない

壁の外の現実は…オレが夢見た世界と違ってた…

アルミンの本で見た世界と…違ってた

壁の外で人類が生きてると知って…

オレは ガッカリした

オレは…望んでたんだ…

すべて消し去ってしまいたかった…

ごめん… ごめん…

ごめんなさい…

最後の「ごめんなさい…」だけはもしかしたら始祖ユミルのセリフかも知れませんが、それ以外は全てエレンの心情であると考えて間違いないと思います。

そして、港町とラムジーたちが暮らしていた難民キャンプが地鳴らしに踏み均された後の光景に被るセリフ。

ここからフォントが変わります。

生まれた時からずっと

オレの目の前には

うっとうしい壁があった

炎の水 氷の大地 砂の雪原

きっと外の世界はこの壁の中の何倍も広いんだ

それを見た者は この世で一番の自由を手に入れた者

これが 自由だ

そして最終的に一連のセリフの主は少年エレンであったことがわかります。

ついに… たどり着いたぞ この景色に

なぁ アルミン

アルミンの返答?

「まだ…僕らが知らない壁の向こう側があるはずだと…信じたいんだ」

このアルミンのセリフは、エレンの「壁の外で人類が生きてると知ってガッカリした」に対する返答のようです。

アルミンのアニに対するセリフはなんだか全部エレンにも言っているように感じられないでしょうか。

鳥を何か特別な者であると認識しているような表情もそれを物語っているような気がします。

エレンの心情吐露とアルミン&アニの場面の繋がり

なぜアルミンが今このタイミングで幼い頃の夢や「壁の外は夢見た世界とは違った」という話題に触れるのでしょうか?

アルミンにとっての「壁の向こう(未知の世界)」の一部を良く知っているアニが一緒にいたのはたまたまでしょうか?

2人のバケモノが犯した罪の話はエレンの地鳴らしの罪に重ねているようです。

アルミンの夢

アルミンが幼い頃の夢について語りました。なぜこのタイミングだったのでしょうか??

今回131話のエレンの心の声は、パラディ島VS世界というよりは、もっぱら自分の幼い頃からの夢に関することです。

もちろんエルディアを、仲間たちを救いたい気持ちは当然あるでしょう。だからこそギリギリまでヒィズル国や他国と交渉する道を探ってきました。

しかし、幼い頃に抱いた外の世界への憧れ、不自由の排除、自由を求める本能もあり、更に「未来の記憶」も絡んでくる訳です。エレンは止められないんです。

この点はアルミンもエレンと同じなのではないでしょうか。

アニの「争いを避けるためでしょ?」という質問には返事をしていません。

アルミンは今、夢のことで頭がいっぱいなのかもしれません。

アルミン達は、世界を救う、話し合い、平和、など綺麗事を並べても、結局対立するイェーガー派を殺す選択をしました。自分が信じる道(自分の都合)のために他者を排除している訳です。

今のアルミンの戦い続ける動機が、「生き残って外の世界を冒険したい」という幼い頃からの夢だとしたら…。

大勢の人を殺して突き進んでいるのはエレンだけではなく、アルミンも同じであり、今回、それを本人が認めました。

これから迎える最終局面においてもアルミンが優先するのはそういう部分なのかもしれません。

エレンが語った「エルディアを救うためだけじゃない」に重なります。

エレンとアルミンの外の世界に求めるものの違い

  • 18巻73話「はじまりの街」
  • 20巻81話「約束」
  • 22巻90話「壁の向こう側へ」

この辺りを読むと2人の外の世界に求めるものの違いが良くわかります。結構前から(むしろ初めから?)2人はすれ違っていたのです。

これまでは一方的にエレンだけがその違いに気付いているようなことを言っているのですが、アルミンは気付いているかも知れないけれど認めたくないような雰囲気を見せて明言を避けているようでした。

ところが今回アルミンがようやくそのことを口にしました。いよいよ正面からぶつかるときが近づいているようです。

エレンの心情吐露はいつのものなのか

地鳴らしの光景のバックで流れるエレンの心の声。

難しいのは、これが いつの時点のエレン の気持ちなのかということです。

130話も131話で語られたのは、それぞれ時系列的には地鳴らし発動以前の場面なのですが、心の声はさも「地鳴らししながら言っている」ように読める部分もあります。

ここまで来たら、パラディ島帰還後のエレンの心情も知りたくなってきます。

地鳴らし最前線に現れた始祖ユミル

ラムジーが踏み潰される場面に出てきた始祖ユミルの姿。ARのようになっていました。

ファルコの鳥っぽい巨人や130話と131話でやけに目立つ鳥など、気になる描写が増えています。

エレンは122話で始祖ユミルに対して「オレに力を貸せ」と言っています。

つまりエレン1人では出来ないことを始祖ユミルに協力してもらいながらの実行しているのでしょう。

それが具体的にどのような仕組みで行われているのか大変気になります。既存の設定とうまく繋がるやつを期待しています。

鳥と記憶の関係について考察

あの景色に到達したエレンはなぜ子供の姿をしているのか?

「あの景色」とは、子供の姿をしたエレンが地鳴らしで踏み均された大地を上空から見たもの、であることがわかりました。

121話の大人エレンと今回131話の子供エレンが同じ表情をしているので間違いないと思います。

ただ、まさか子供エレンがそれを見ているとは思いませんでした。

子供の頃に無邪気に夢見ていた「自由」を象徴する「あの景色」が、実は地鳴らしで踏み潰された世界という多大な代償を払ったものであるという皮肉を表現しているのもしれません。

あるいは、逆に子供のその無邪気な夢を心底肯定するメッセージのようにも感じます。

自由も代償も全力で描かれているところに爽快感すら覚えました。

道と座標があるので違和感はないっちゃないのですが、それでもどういうことなのか説明するのはすごく難しい描写です。この先もう少しはっきりしたことがわかると嬉しいです。

ラムジーの頬のアザ?

30巻120話の記憶の断片に登場するラムジーの右の頬にはアザがあります。これは街で大人たちに殴られた時に出来たもので、今回131話でエレンに助けられ、謝罪されるときに描かれているものと一致します。

ところが、123話の宴のときにはアザがありません。

この宴はエレンに助けられたその日のうちに催されたものですので、アザがないのは矛盾しているように感じます。また、120話と131話でエレンの服装(袖)が違うのも気になります。これはどのように考えれば良いのでしょうか?

  • アザではなく、ただの汚れ。または、怪我は軽いものだった。
  • 複数の世界線の存在(パラレルワールド)
  • 記憶ツアーによるトリック的なもの

服装が違うのはミス、頬のアザはただの汚れ?

もしパラレルワールドだとすると、非常に複雑になりますが、完全に否定することは出来ません。

進撃の巨人ではとある一連のイベントの後半部分を先に描き、後から前半部分を明かす手法が多用されています。記憶ツアーで全貌が明らかになったレイス家礼拝堂地下での出来事がその最たるものです。

エレンとラムジーにも記憶ツアーのトリックが仕込まれているかもしれません。

もしラムジーの頬のアザも記憶ツアーが絡んでいたら、同じような形で「いってらっしゃい」や「叫びの力(座標)」、「エレンを止めてくれ(グリシャのセリフ)」など様々な謎もまた記憶ツアー絡みで描かれるなんていう強烈な展開が待っているんじゃないでしょうか。

単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第131話「地鳴らし」

Rumbling
公開
別冊少年マガジン:2020年9月号
発売日:2020年8月9日()
コミックス
発売日:2021年1月8日()

サブタイトル「地鳴らし」の意味

地鳴らし

関連

未来の記憶を見る仕組み

記憶を見せるのは進撃なのか始祖なのか

なぜ「未来は変えられない」のか

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