第128話「裏切り者」

概要

アルミンらパラディ島勢力はマーレ軍残党と手を組んで地鳴らしストップに向けて動き出しましたが、先回りしていたフロック率いるイェーガー派がアズマビトを人質に取って港を占拠。

イェーガー派なんて雑魚は巨人の力で一掃し、飛行船を手に入れてさっさとエレンを追いかけたい一行。ところがそうもいかない。

なぜなら現在飛行艇は飛べる状態になく、アズマビトの優秀な整備士たちの手によって最後の仕上げを施されないと何の役にも立たないから。

戦いが激しくなってアズマビトを巻き添えにしたらジ・エンド。おまけにコニーたちからしてみたらいくらイェーガー派とはいえ同じ釜の飯を食った同期も多数いるので出来れば殺したくはない。

一刻も早く飛行艇を飛び立たせたいが、整備にどれだけ時間がかかるかも不明であり、時間稼ぎは必須…。

イェーガー派はそんな事情は知ったこっちゃない。地鳴らしが完遂した暁に無人の大陸を我が物とするために飛行艇があるに越したことはないが、それよりも大切なのは今この瞬間。邪魔者が入るようなら即飛行艇を破壊する構え。ようやく掴みかけている島の安全を脅かす者は何人たりとも許しはしない。地鳴らしストップなんて以ての外。

お前と同じだ

ライナーが考えるエレンの「お前と同じだ」の意味

考察

迷い、躊躇いがあろうとも最終的には自分の都合のために相手を殺す選択を取ること?

過去回と重ねられている描写

通過儀礼

アルミンを撃てなかったダズ。アルミンを救うために覚悟を決めてダズを撃ったコニー。

内容

中央第一憲兵の兵士を撃てなかったジャン。ジャンを救うため躊躇わず兵士を撃ったアルミン。

15巻59話「外道の魂」

小ネタ・擬音

ドツキ

擬音

ドツキ → どつき

内容

マガトがイェレナに迫るときに邪魔なオニャンコポンをどけるときの音

メッシ

擬音

メッシ → リオネル・メッシ。アルゼンチン代表のサッカー選手

内容

マガトがイェレナの骨を折った音

所感・考察

やっぱりオレは…お前と同じだ

世界を、人を救うはずだったのに、まずは元仲間を殺さなければいけないかもしれない状況に困惑するコニー…。

そんなコニーを見て、アニは「あんた達なら自分たちと違ってあの日壁を壊す選択をしなかっただろう」と言います。

その様子を見ていたライナーはエレンに言われた「やっぱりオレは…お前と同じだ」を思い出し、ようやくその意味を理解します。

あれは…そういうことか…

ああ、はいはい。なるほどなるほど。

だよね、そうだよね。完全に理解した…。

どういうことなんでしょう。

え、どういうこと…?わかったの?今ので?

と、私は思ってしまいました。

おそらくは、自ら地獄を選んで進み続ける人間か、周りの環境のせいで地獄に踏み入れてしまう人間か、どっちかみたいな話だと思われます。

当然エレンやライナーは自分で地獄を選んだ人。コニーたちパラディ島同期は周りのせい(エレンやライナーのせい)で地獄に突入してしまった人達ということなんでしょう。

だから、ライナーは地獄選択党員(エレンポイント会員)として、巻き込まれ系の人たちに対して責任を取りますよ、という態度を示したのだと思われます。

アニやピークは地獄選択者としてというよりも、この状況下ではイェーガー派に同情する余地がないマーレ国民として攻撃に加勢してくれよってことなんじゃないでしょうか。

選択を迫られたときに進み続けるか否か。この言葉はそこが最大の焦点なのでしょう。

「お前たちは戦わなくていい(-ω☆)キラリ」カッコつけライナー。

そうは言っても時間がありませんしハンジさんは見物する気は毛頭なく、進み続ける気満々です。おそらくミカサたちも。

マガトの心変わり?

時間がなさすぎて焦ったのか、マガトはイェレナの腕をへし折ってエレンの行先を聞き出そうとします。

そんなマガトの様子にドン引きするガビ…。そしてガビに引かれて怯むマガト。なんなんだ。

127話では正義を振りかざしてパラディ島民を悪魔呼ばわりしていたマガトですが、ガビのこともあってかついに本音を漏らして謝罪。彼は卑劣な自分を認めるのが恐かっただけなのです。

しかし、それでも自分にはこの愚かな歴史を後世に語り継ぐ責任があり、今は戦わなければならない。だからどうか今だけは目を瞑って居て欲しいと嘆願。

ところがアルミンは断ります。俺達もやるよ、って意味の「断る」です。出た~。

実際の所、マガトの本音はまだわかりませんね。ガビのこともありますし、地鳴らし巨人がマーレに突入したことで今自分が置かれている状況を理解して気持ちに変化が起こった、ぐらいの感じでしょうか。

いよいよ佳境に入ったときにどんな行動を取るのか注目です。

身の程を弁える

地鳴らし巨人の様子も描かれず、ハンジやアルミンからは具体的な作戦は聞かれず、先行き不透明な昨今、イェーガー派のリーダー・フロックの考えにも注目が集まります。

フロックは世界が更地になることを好意的に受け止めています。現状、これがパラディ島の安全を考えるとベターだからでしょう。

そしてアズマビトを殺して飛行艇や航海術など近代文明を失ってそこから長い年月を使って取り戻す手間よりも、今パラディ島が脅威にさらされることを何よりも恐れています。

キヨミに「こんなんじゃ島の安泰にならないよ」と忠告されたときの首を傾げて目を瞑っている顔、ムカつきますねえ。すごいですよフロック。

それから今回はやけに身の程を弁えることに拘っていました。短いスパンで2回言ってます。シャーディス教官に貶されたことを余程根に持っているのでしょうか。

ギャグなのか何か重要なメッセージなのか…。

大事なことなのでもう1度言う…身の程を…

地獄の始まり

さあ何とか結束も固まったところでいざ港へ出撃…。

アルミンは何とか戦いを避けて飛行艇を奪い取るために下手な芝居を始めます。よりによってパートナーがコニーというのが最悪です。

「俺たちは車力の巨人が逃げたから追いかけている。鎧も一緒だ。追いかけるために飛行艇を動かすぞ、早くアズマビトに整備させろ。っていうか車力はジャンとオニャンコポンを殺したんだぞ、お前らなんで追いかけないんだよ!」

これで果たして動いてくれるんでしょうか。真実を知る読者の目線からは苦しいように感じられます。

やはりというかなんというか、結論から言うと駄目でした。

アルミンたちは島を裏切って地鳴らしを止めるために裏でコソコソ動いているのではないかという疑惑がかけられていたことが久しぶりに登場した同期のダズとサムエルから語られます。

ビクビクしながら「そんな訳無いじゃん」と言い張るアルミンとコニー。怪しさを残しつつもなんとか飛行艇の起爆装置を外してもらうところまではこぎつけました。

疑いはかけられつつもアルミンたちが港の中にあっさり入れるあたりにパラディ島内の絶妙な状況を感じさせます。

ちなみに、ダズは雪山訓練で死にかけていた所をユミルとヒストリアに助けてもらった人、サムエルは1巻で壁上兵器整備中に超大型巨人が現れて壁を破壊したときに破片を食らって気絶してサシャに助けてもらった人です。

どちらも主要メンバーのおかげで命を救われた境遇の持ち主なんですね…。

フロックが冴え渡る

しかし、アズマビトを握っているフロックは騙されません。

急いで車力を追いかけるのにどうして列車ではなくわざわざ馬を使うのか、話が合わない。確証は持ていないがやっぱりアルミンたちは裏切っているに違いない、と判断。

そして、飛行艇を失ってでも今は島の安全を取るべし、とアズマビト整備隊を射殺しようと試みます。

フロックの銃声を聞いたアルミンは作戦の失敗を悟り絶望。

無料では死なないキヨミ・アズマビトの護身術炸裂

しかし、キヨミ・アズマビトが見事な体捌きで咄嗟にフロックを取り押さえます。

「無料(ただ)では死んでなるものか!!」

東洋の一族は柔よく剛を制す的な武術を使うという安心と信頼の設定がきっちり披露されました。

ミカサの見せ場

フロックはキヨミに取り押さえられて情けない顔&悲鳴をあげながら仲間に殺せと指示。

キヨミ大ピンチと思ったら、窓を突き破ってミカサ登場。銃を持った兵士2人をあっという間に捻り潰してしまいます。

しぶといフロックは隙をついて立体機動装置を使い屋外へ避難。

これでアルミンたちの裏切りが確定…地獄の戦いが始まります。

ミカサは雷槍を警戒してアズマビトを連れて下階へ逃走。階段で待ち構えていたイェーガー派に撃たれそうになるものの、影からマガト&ハンジが一歩先に銃を発射。ハリウッドアクション映画のようなスリリングな展開です。

その後ろで銃を背中に背負ったまま複雑な表情でいるジャン…。

裏切り者

アズマビトがいた建物は迎賓館ということで良いのでしょうか。

その建物が雷槍で滅多打ちにされたのを見て再度起爆装置を繋ぐダズ。それを止めようと歩き出したアルミンをサムエルが狙撃。

信じたくなかった、苦楽を共にしてきた大切な仲間の裏切りが確定した瞬間です。

一緒に土地を増やして肉を食おう、というささやかな夢を共に見た仲間をこの手で殺さなければいけない。

なぜこんなことになってしまうのか。

冴えてるフロック

地下へ逃げたミカサたち。

これはチャンスとばかりに追い詰めようとする兵士たちですが、フロックだけは気づいてしまいます。

そう、これはやつらが大暴れするためのお膳立てに過ぎないことに。

女型と鎧の共演

ここのシーンはアニメで見るのが楽しみです。動きや音楽がどうなるのか期待して待つことにします。

女型と鎧が共に闘っているなんて、普通のマンガだとワクワクするような展開なのですが、状況が状況だけに辛いですね。

ライナーはやはり鎧をまとっていないようです。生身の(?)巨人状態。しかし雑魚兵士相手ならそれでも圧倒的です。

イェーガー派このまま一掃されるのか「対巨人兵器」なるもので逆襲するのか、気になります。

「…なぜこうなるんだ」となげくオニャンコポン。「人から暴力を奪うことはできないよ、ねえ兵長?」とイェレナ。かつてエレンに対して「今のお前に一番必要なのは言葉による教育ではなく教訓だ」と名言を吐いたリヴァイが神妙なお面持ちで戦況を眺めています。早く回復してほしいです。

コニーが一歩前進してしまいました

巨人の出現に気を取られたサムエルを取り押さえるコニー。そして銃弾数発では到底死なないゾンビアルミンがダズに覆い被さる緊迫した状況。

ダズはアルミンの脳天に銃を突きつけるも手が震えて発射できず。

「俺達は仲間じゃないのかよ!」と叫ぶサムエルと「お前たちは仲間だよ!」と返すコニー。これはかつてベルトルトと104期生の間で起こった悶着と全く同じではありませんか。

当時のベルトルトの様子が斜めのコマで挿入。この映像を思い描いているのはアルミンでしょうか。どっちでもいいようなどっちでも良くないような。

今回「斜めのコマ」は3つ。1つ目はライナーがエレンの「オレはお前と同じだ」を思い出しているシーン。2つ目は肉のシーンは多分コニー目線、3つ目もコニーだとバランスが悪いので多分アルミンにベルトルトの記憶が流れてきて、あのときの気持ちを理解したということだと思います。

こうやって話を逸らしたくなるくらい、コニーが仲間2人を銃殺するシーンは非常に切なかったです。

母のために困っている人を助ける立派な兵士になると誓い、世界を救うと決意新たに出発した矢先、最初にやったのは仲間を殺すこと。

なんてこった。

単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第128話「裏切り者」

Traitor
公開
別冊少年マガジン:2020年5月号
発売日:2020年4月9日()
コミックス
発売日:2020年9月9日()

サブタイトル「裏切り者」の意味

パラディ島全体、イェーガー派から見た調査兵団。かつてのベルトルトの心境を身を以て理解したアルミンとコニー。

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