第124話「氷解」
概要
前回ついに発動された地鳴らし。エレンは道からユミルの民に対してメッセージを発信。それは島内だけではなく、全世界のユミルの民に向けられており、マーレにいるアニの父にもエレンの声が聞こえていた。
舞台はパラディ島内へ戻る。
シガンシナ区は壁が崩壊して混乱状態。ライナーは硬質化が解けたせいで鎧を失い、壁の破片をまともに喰らってボロボロ。ガビは必死にファルコを探すものの、ライナーは手伝うこともできずあきらめムード。
マーレ軍はほぼ壊滅。無垢の巨人と化したパラディ島元兵士たちは区内に残っているため、ミカサら104期たちが討伐に向かい、物語序盤のトロスト区防衛戦のオマージュのような戦いが繰り広げられる。
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謎
道は怪我を治す?
アニの父はエレンの放送を聞く直前まで杖をついていた模様。しかし放送後は杖が消えている。
後の登場シーンでは普通に歩いている。怪我が治ったということ?リヴァイは治っていないので一概には言えない。←アニ父は我慢して歩いていただけだった。
過去回と重ねられている描写
ガビのヘアースタイル
ガビのヘアースタイルがパラディ島帰還直後のエレンのものと同じになる。
鏡に向かって自分を鼓舞する姿も「戦え戦え」と同じ。
27巻106話「義勇兵」
諦めてたまるか
ガビが鏡に向かって「諦めてたまるか」と言う
巨人に丸呑みされたエレンが「諦めてたまるか」と言う
3巻10話「左腕の行方」
割れ目から巨人
建物の壁の割れ目から顔を覗かせる巨人
トロスト区攻防戦の再現
2巻7話「小さな刃」
ガビとサシャ
ナイル巨人に襲われたカヤをガビが救う。カヤはガビにサシャの姿を重ねる。
38話と重なる。サシャやナイル、およびその家族は気の毒だが、おかげでガビとカヤは憎しみの連鎖を断ち切ることが出来た。カヤの母を食った巨人の正体はおそらくコニーの父
9巻36話「ただいま」
小ネタ・擬音
ソウル・グッドマン
話し合いをする104期のところに襲ってくる巨人の顔がソウル・グッドマン。
アメリカのドラマ「ブレイキング・バッド」に登場するふざけた弁護士(演じているのはボブ・オデンカーク氏)。スピンオフの「ベター・コール・ソウル」では主人公を務める人気キャラクター。
カツオ
カツオ → 鰹
雷槍発射準備OK。真剣な表情のジャンがたまらない
ガビとエレンの対比
ガビが鏡に向かって髪を結うシーンが差し込まれました。これはエレンの「戦え戦え」と対になっています。(26巻106話「義勇兵」の最後のコマ)
エレンが鏡を見ながら髪を結んで「戦わなければ勝てない、戦え、戦え」と言うシーンです。進撃の巨人で繰り返し強調されるメインメッセージの1つですから、それそれは重要な意味合いを持っているのだと思われます。
これから最終局面を迎えるにあたり、ガビが最前線で決定的な仕事をすることを匂わせます(すでに大活躍してるし目立ち過ぎだとは思いますが)。
へーロス云々もさることながら、アルミンやミカサを凌ぐほどの役割を与えられるのかもしれませんね。
エレンが地鳴らしによる大虐殺を選択した理由
ジャンによる状況説明。
自分たちを悪魔と決めつけて皆殺しにしようとしていた壁外人類が逆に全滅させられる。彼らが消えればすべての遺恨も消え去る。
つまりこれは、壁の外の人間が招いたことであり、自分たちではどうすることも出来なかった。アルミンが言う通り、度が過ぎている、前代未聞の大虐殺だ。
しかし、エレンが地鳴らしを発動しなければ自分たち降り掛かったであろう問題は深刻なものである。
ジークに従えば、安楽死計画によってパラディ島はおろか全世界のユミルの民を去勢されてしまう。50年計画に沿って始祖の力を維持しようとすればヒストリアを犠牲にしなければならなかった。
エレンはジャンやアルミン、ミカサ、コニーたちが何より大事だからこの選択をした。この大虐殺の恩恵を受けるのは他でもない自分たちである。
とはいえ、この大虐殺を容認するわけにはいかない。何か手立てはないものか
コニーは母のためにファルコを攫う
顎の巨人を継承したファルコが気絶した状態で104期の手中にあります。
ジャンはピクシス司令に食わせようと言いますが、アルミンはマーレとの争いを生むから誰かに食わせるのはなしだと主張。
そんな中、コニーは母のためにファルコを連れて、ラガコ村に出発してしまいました。アルミンに対して「お前だってベルトルトを食っただろうが」と口で言っていますが、その表情には迷いが伺えます。
最終的にどうするのかはわかりませんが、母を救う材料がある以上、行動しないと気が済まないという部分があるのだと思います。
トロスト区防衛戦の再現
無垢の巨人と化したパラディ島元兵士たちが襲ってきます。完全にジークに支配が効かない状態のようです。
エレンならば、始祖の力を使って彼らを元に戻せそうなものですが、なぜ?そもそもそんなことは不可能なのかもしれませんが、特に関与する気がないと解釈することもできそう。
自分をボコボコにした訓練兵を襲う巨人をキース・シャーディス教官が一蹴。訓練兵を率いて戦闘開始。
104期生は砦に巨人を集めて雷槍で撃退。成長した104期にしてみれば、無垢の巨人は雑魚同然といった感じでバッサバッサと倒していきます。みんなを引っ張るジャンがとても頼もしいです。
トロスト区で始めて巨人と戦ったときの様子を思えば、なんだか感慨深いものがあるシーンです。
そして、そのトロスト区奪還作戦を指揮したでピクシス司令に止めを刺したのは、当時一緒に作戦を考えたアルミン。
ピクシス司令はここまで見事に兵団を率いてきたと思いますが、マーレ国との駆け引きが始まって以降、なかなか決断できず力不足感は否めせんでした。ここでお役目終了…。
ガビとカヤの和解
ファルコを助けてくれた憲兵団師団長ナイルが巨人になってカヤを襲いますが、ギリギリのところでガビが救い、サシャの姿と重なります。
その後、パラディ島の兵士に見つかってしまいますが、今度はカヤがガビをかばって話を誤魔化しブラウス家は揃って避難。道中お互いの気持を打ち明けて和解。
悪魔はみんな心の中にいる。たとえ出られなくても殺し合いの森から出ようとし続けないといけない。
ガビはパラディ島に来てから物凄いスピードで成長しています。洗脳教育を受けて偏見を持ち、パラディ島に対する復讐心のみで動いていた頃とは別人です。
アニ復活
ガビはアルミンたちの元へ来て、ファルコがコニーに連れて行かれたことを知ります。
そして、コニーの母が巨人化した原因は、カヤの母が殺されたときと同じ4年前の威力偵察であることを知らされ衝撃を受けます。
それでもファルコを諦められないと必死に食らいつくガビ。ライナーの鎧を剥がしたんだから、巨人化解除だってできるだろう?頼んでくれよ!!友達だろ?
「え?硬質化が解かれたということは?」
で、アニの結晶も解かれており、無事復活。思わせぶりな棘の指輪のアップ。
地鳴らしは止めるのか?
104期生たちは地鳴らし発動の原因の一旦が自分たちにあることをわかっています。
地鳴らしの恩恵を受けるのは自分たちだけれども、その代わりに罪のない世界中の人々が巻き込まれるのは本意ではありません。
ここまで自分たちが結論を先送りにしてきたことが悪いのですが、そうかといって大虐殺をみすみす許すわけにもいかない。
地鳴らしを止めたら止めたで、今度はマーレを始めとする世界中の国に攻められてパラディ島は全滅です。
じゃあどうすんの?
とりあえずできることと言えば、マーレを味方につけること。地鳴らしを止めてもパラディ島が攻められない状況を作ることが最優先です。
そしてマーレと一緒になって地鳴らしを一旦止めることができればベターです。
マーレが諸外国に嫌われていることを考えると決して盤石とはいえませんが、誰一人味方がいないよりは随分マシなのではないでしょうか。
実際問題、そもそも地鳴らしが止められるものなのかどうかもわかりませんが。
とりあえず、ガビやアニはパラディ島とマーレの間を取り持つ重要な存在になるはずですから、取り扱いには十分注意しなければいけないでしょう。
単行本、別冊マガジン掲載時の情報
タイトル | 第124話「氷解」Thaw |
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公開 | 別冊少年マガジン:2020年1月号 発売日:2019年12月9日(月) |
コミックス | 発売日:2020年4月9日(木) |
サブタイトル「氷解」の意味
アニやライナーの硬質化が解かれたこと。ガビとカヤ、シャーディス教官と訓練兵のわだかまりが解けたこと。