第121話「未来の記憶」

概要

前回に引き続き、エレンとジークがグリシャの記憶を巡る旅。

エレンは9歳になったが、グリシャがエレンを洗脳していた様子はない。

ジークは洗脳されていないにも拘わらず争いを終わらせることを拒むエレンのことが理解できない。エレンは「オレは生まれた時からオレのままだ」と答える。

ミカサ誘拐事件の現場。エレンは「他人から自由を奪われるくらいならオレはそいつから自由を奪う」と言う。ジークが望む哀れな弟はどこにも居ないらしい。

グリシャは手記を書き上げ、机の引き出しの鍵を見つめる。誰かに見られている意識がある模様。

そしてシガンシナ陥落の日。少年エレンが調査兵団に入りたいと言い出し(ミカサがバラし)、その理由を猛然とまくしたてる。これでグリシャは観念したのか、地下室を見せてやろうと約束して家を出る。

例によってグリシャは診療に出た先で壁の破壊を知り、レイス家礼拝堂地下の場面へ。ここでこれまでの回想で描かれなかった真実が明らかになる。

関連

グリシャが見ていた「未来の記憶」 in 記憶ツアー

未来の記憶を見る仕組み

なぜ「未来は変えられない」のか

この回で張られていた伏線

まさかあんな…恐ろしいことにことになるとは…

グリシャのセリフ。「まさかあんな…恐ろしいことになるとは…」 グリシャは一体どんな記憶を見たのか?

エレンを…止めてくれ

グリシャのセリフ「エレンを…止めてくれ」

タイムパラドックス?

「エレンがけしかけたことによって達成されたグリシャの始祖奪還(記憶ツアー必須)」と「エレンとジークが記憶ツアーを敢行(エレンの始祖必須)」の因果関係が矛盾してしまう?

今の道

エレンがジークに向けて言うセリフ「あんたがオレを親父の記憶に連れ込んだおかげで今の道がある」

あの景色

エレンのセリフ。「あの景色を…」と恍惚とした表情で語っている。あの景色に到達することがエレンの最終目標?

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この回で回収された伏線

「地下室を見せてやろう」のときのグリシャ

伏線

顔上半分が隠れている。なぜグリシャの視線がはっきりと描かれていないのか?

1巻1話「二千年後の君へ」

回収

グリシャは「エレン視点のグリシャの記憶」を見ていた。エレンがいるであろう位置に視線を向けている。

エレンの気質

伏線

大人相手に臆せず、容赦せず惨殺

2巻6話「少女が見た世界」

回収

「生まれたときからこうだった」とエレン自身は考えている。自由を奪われるくらいなら、そいつから自由を奪う

なぜグリシャは情報を隠したのか?

伏線

鍵がきっかけで地下室のことを思い出すエレン。しかし同時にグリシャへの疑念が生まれる。なぜグリシャは壁内人類にとって有益な情報を隠していたのか?

3巻11話「応える」

回収

グリシャの任務はエルディア復権のために壁の王から始祖の巨人を奪うこと(さらに次の世代に繋ぐことも含むと思われる)。レイス家(壁の王)や中央政府とは真っ向から対立する行動なので知られる訳にはいかない。うかつに誰かに話せない。また直前までエレンに巨人を継承すること(犠牲にすること)に迷いがあったことも関係している?

ここに来たことがある

伏線

エレンのセリフ「オレは…ここに来たことが…ある…」

15巻62話「罪」

回収

後にエレンは記憶ツアーでレイス家礼拝堂地下に「来る」。進撃の巨人の特性やユミルの民の性質を考えると潜在的に「来たことがある」と感じてもおかしくはない

なぜフリーダの巨人は弱いのか

伏線

なぜ無敵のはずのフリーダがグリシャにあっさり負けてしまったのか?

16巻63話「鎖」

回収

「不戦の契」のせいだとか、グリシャの巨人にはエレンの意思も加わっているとか、歴代継承者の戦闘経験が引き継がれているからなど、色々理由は考えられる。しかし、単純に人間状態のときの体力・体格の差がそのまま結果に反映されているだけのようにも見える。

奇しくも生き残ったロッド・レイス

伏線

ロッド曰く「奇しくもその場から生き残ったのは私だけだった…」

16巻63話「鎖」

回収

実際はグリシャが巨人化する前に1人だけ相当なアドバンテージを取って逃げる態勢を整えていた。結果的にロッドはヒストリアの覚醒など後の展開に繋げる重要な役割を担っているが…。

硬質化を身に着けたエレン

伏線

エレンはヨロイブラウンを飲めば硬質化を使えるとわかっていた?

16巻66話「願い」

回収

エレンが未来の記憶をどこからどこまでわかっていたのかは不明だが無意識に色々感じていたような描写は複数ある。しかもエレンはこの時点ですでに壁や地下洞窟を作ったはずの始祖の巨人をその身に宿しているので、きっかけさえ掴めば硬質化ぐらい出来てもおかしくはない。エレンがヨロイブラウンで得たのは能力というよりは硬質化を使う記憶なのかもしれない。プラシーボ効果的な。

それだけの選択を課せられたから

伏線

ヒストリアのセリフ「それだけの選択を課せられたから」グリシャがレイス家を惨殺せざるを得なかった理由とは?

17巻67話「オルブド区外壁」

回収

グリシャはエルディア人の未来のために始祖を奪還しようとしていた。しかしなかなか踏み切れず最後のひと押しはエレンの「父さんが始めた物語だろ」だった

ヒストリアの手ばっかり握りやがって

伏線

ジャンのセリフ。記憶を思い出すためにヒストリアを触るエレンを揶揄している

17巻70話「いつか見た夢」

回収

下心云々のほのぼの描写と見せ掛けておいて、実は本当に重要でした的なパターン。勲章授与式でヒストリアの手を握ってキスしたとき、エレンは今後の展開を決定づける重要な記憶を見てしまう。

一番大事なものとは?

伏線

グリシャのセリフ。エレンが一番大事なものに気づいたら地下室を見せてやると言った。

21巻85話「地下室」

回収

自由を求める探究心?礼拝堂地下でフリーダが言った「我々がただ何も知らずに世界の怒りを受け入れれば死ぬのは我々エルディア人だけで済むのです」の逆、ということになると思われる。

グリシャの視線

伏線

「地下室を…見せてやろう」のときのグリシャの視線がわからないように描かれている。

21巻85話「地下室」

回収

未来のエレンがいるであろう方向を見ていた

グリシャの右手

伏線

壁の外に出る際、グリシャは右手で妹フェイの左手を握っている。

21巻86話「あの日」

回収

巨人化する際、グリシャは右手にナイフを突き刺す。自由の代償を表現している…的な描写。

エレンとグリシャのシンクロで生まれる謎

伏線

ダイナの正体がわかったとき、目覚めたエレンは「あの巨人…お前だったんだな ダイナ…」と言う。

22巻87話「境界線」

回収

エレンのセリフならダイナを「お前」というのはおかしい。グリシャならあの巨人をダイナかどうか知らないのは不自然。グリシャは巨人継承前後の記憶を失っているはず。つまりダイナの巨人化など境界線での出来事の記憶を失っていた可能性がある。87話(850年)にエレンとグリシャがシンクロしたことで記憶の中のグリシャは改めてショックを受けたのかもしれない。

「始祖の巨人」だ、で重なるエレンとクルーガー

伏線

「その道はすべて一つの座標で交わる つまり それが…」の続き、「それが始祖の巨人だ」のとき、エレンとクルーガーが重なる。

22巻88話「進撃の巨人」

回収

89話の「ミカサやアルミン~」121話の「進撃の巨人」の特性「未来の継承者の記憶の覗き見」を示唆

お前が始めた物語だろ

伏線

クルーガーがグリシャに言った一連のセリフ

22巻88話「進撃の巨人」

回収

クルーガー→グリシャのセリフかと思わせて、実はエレンが大元?

ミカサやアルミン その1

伏線

クルーガーのセリフ。「ミカサやアルミンみんなを救いたいなら使命を全うしろ」未来の記憶が流れてきたということ?

22巻89話「会議」

回収

進撃の巨人は「未来の継承者の記憶をも覗き見ることができる」ことを示唆。クルーガーはこれが誰の記憶かわかっていないこと(つまり2周目とかではない)、またエレンがこの記憶をグリシャを通じて見ていることから(未来が決まっていないと成立しない)、この作品が「全てが初めから決まっている」決定論的世界観(少なくとも巨人の力が存在するうちは)であることがわかる。

誰の記憶だろう

伏線

クルーガーのセリフ「…さぁ? わからない 誰の記憶だろう」誰の記憶?

22巻89話「会議」

回収

エレンの記憶。グリシャがエレンに巨人を継承する際に「ミカサやアルミン〜」と言っている記憶(エレン視点の記憶)をクルーガーが見たと考えられる。だからクルーガーには誰の記憶かわからない

未来は誰にもわからない?

伏線

エレンがアルミンを励ますときのセリフ「オレにはわからないな 正しい選択なんて 未来は誰にもわからないハズだ」

22巻90話「壁の向こう側へ」

回収

言った直後に未来を知ってしまう。選択というキーワードを言わせ、わざわざ同じコマにリヴァイを登場させている。皮肉な前フリ

何もかも親父の記憶で見たものと同じ

伏線

エレンのセリフ「何もかも親父の記憶で見たものと同じなんだ…」

22巻90話「壁の向こう側へ」

回収

何もかも親父の記憶(から見た未来の自分の記憶)で見たものと同じ、という意味にも取れる。この場面は勲章授与式から数ヶ月経っており、この間にエレンは様々な出来事が未来の記憶の通りになるという体験をしていたと考えられる。

父の後悔

伏線

グリシャの父の後悔。フェイは死に、グリシャは楽園送りになってしまったことで精神に異常をきたしていた。

24巻98話「よかったな」

回収

グリシャ父はグリシャのことを後悔しているように、グリシャもジークのことを後悔していた。それを知っているエレンの行動は…

親父の記憶が開いた

伏線

勲章授与式でヒストリアの手にキスをしたとき、エレンの中にあるグリシャの記憶が開放された。

29巻115話「支え」

回収

レイス家地下礼拝堂の出来事だけではなく、未来の記憶も見ていた。

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記憶ツアー

グリシャはどこまで未来の記憶を見ていたのか?

考察

遅くとも地下室の机に手記をしまう段階でレイス一家惨殺までの記憶は見ていたはず。

グリシャが見ていた「未来の記憶」in記憶ツアー

フリーダは進撃の巨人の特性を知らない

フリーダは進撃の巨人の特性を知らなかったらしい。世界の記憶を保有するはずの始祖の継承者がなぜそんな重要なことを知らなかった?

考察

グリシャの言い方からすると「不戦の契り」の影響っぽい。あるいは初めから誰も知らないことだった?

エレンが過去に干渉している?

エレンが過去に干渉している?

考察

グリシャがエレン(19)の記憶を見ている以上は干渉していることになる。ただし、行動するのはグリシャである。いくら影響力が強くてもエレンの言葉はグリシャにとって判断材料を超えるものにはならない。

父親以外は…

グリシャのセリフ「エレン!!レイス家を殺したぞ!!父親以外は…」

考察

エレンに命令されてロッドを見逃したというよりは、ロッドの逃げ足の速さ(フライング)のせいでたまたまそうなったというほうが風流な解釈だと思われる。グリシャは躊躇いつつやっているため、逃げたロッドを追い掛けてまで殺したくなかったはず。また、何でもかんでもエレンが操ったみたいな解釈は無理がある。操ることが可能なら問答無用で操れば良い話であって、それが出来ないからこうなっていると考えるのが妥当。グリシャの裁量が加わらないのは不自然過ぎる。

なぜ全てを見せてくれない

グリシャのセリフ「なぜ…すべてを見せてくれないんだ」の意味は?エレンはグリシャが見ることになる記憶に制限をかけている?

考察

エレンとジークはグリシャの行動を追っている。だからシガンシナ区の壁が壊された当日の様子やカルラの安否は見られるはずがない。それに加えて壁が壊される日まで始祖奪還を先延ばしにしたのはグリシャ本人の選択でもある。

エレンはグリシャに見せる記憶を選んでいる?

エレンはグリシャに見せる記憶を選んでいる?「なぜ…すべてを見せてくれないんだ」「都合のいい記憶だけをグリシャに見せれば〜」

考察

エレンがグリシャに記憶を見せる(送る)ことなど出来ないはず。そのようなことが出来るとわかる描写はない。エレンはあくまでも記憶ツアーの状況を上手く利用して行動しているだけ。むしろこの場でもっとも強い影響力を持つのは始祖の力を使ったジーク。

グリシャが見ていた「未来の記憶」in記憶ツアー

なぜグリシャはエレンに巨人の力を継承したのか?

レイス家惨殺&始祖奪還後も尚、グリシャはジークに「エレンを止めてくれ」と言ったりしているけど?

考察

グリシャの寿命が迫っていることやエレンが生き延びるには巨人の力が必要だから、など差し迫った状況からやむを得ず?そもそもフリーダを殺して始祖を奪っている時点でグリシャに出来ることは後はエレンに継承すること以外ない。そうしないとエルディア人は滅亡してしまう。また「エレンを止めてくれ」は素朴な親心かあるいは最終的に地鳴らしを止めてもらいたいエレンの影響から出たセリフという可能性もある。

2回目の記憶ツアー?

エレンのセリフ「まだ親父がオレに食われる所を見てないぞ」

考察

ただ単にジークを煽っているだけ or 記憶ツアーが再び行われる?※15巻62話で子供エレンがグリシャを食い終わった後のシーンは大人エレン視点(第三者視点)っぽく描かれている。

過去回と重ねられている描写

顔を寄せて脅迫

巨人化を躊躇するグリシャに迫るエレン。エレンがジークに嫉妬している?

内容

なかなか巨人化出来ないエレンに迫るミカサ。ミカサがアニに嫉妬している。

8巻32話「慈悲」

これは父さんが始めた物語だろ

エレンがグリシャに言ったセリフ「これは父さんが始めた物語だろ」

内容

クルーガーがグリシャに言ったセリフ「これはお前が始めた物語だろ」と重なる。「ミカサやアルミン〜」同様、クルーガーはエレンの影響を受けて「お前が始めた物語だろ」を言った可能性がある。

22巻88話「進撃の巨人」

エレンとグリシャ

1人で島に潜入し未来の記憶で自分がやることを知ったものの覚悟が決まらず悩み続け、最終的に始祖を奪還する決断をするグリシャ

内容

勲章授与式以降のエレンの姿そのもの。レイス家礼拝堂地下の記憶で2人は交錯し、地鳴らしに繋がっていく

所感・考察

「進撃の巨人」の中で一二を争う難解さを誇る回です。

進撃の巨人の特性とか、未来の記憶とか、システム的な謎もさることながら、エレン、ジーク、グリシャの3人の心理的なところもなかなか味わい深いです。

未来の記憶に影響を受けながら一人孤独に復権派の任務を遂行するグリシャの姿は、勲章授与式以降のエレンと重なります。しかし2人が交錯するレイス家礼拝堂地下では、辿ってきた道のり経験の差が浮き彫りになり、いよいよエレンが父を超えていくことになりました。

父からの愛を知るジークとは対照的に、グリシャからどんどん遠ざかっていくエレンの姿にエグみを感じます。

単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第121話「未来の記憶」

Memories of the Future
公開
別冊少年マガジン:2019年10月号
発売日:2019年9月9日()
コミックス
発売日:2019年12月9日()

サブタイトル「未来の記憶」の意味

エレンとグリシャが見ていた未来の記憶。進撃の巨人の特性。

関連

グリシャが見ていた「未来の記憶」 in 記憶ツアー

未来の記憶を見る仕組み

なぜ「未来は変えられない」のか

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