第120話「刹那」

概要

エレンはガビに首をふっ飛ばされつつも、ギリギリでジークとの接触を果たしついに「すべての道が交わる座標」に到達。

ジークと対面したエレンは「安楽死計画など受け入れられない」と自分の本当の気持ちを明かし、始祖ユミルに力を貸してくれるように求めるが無視される。始祖の力を手にし、コントロールできるのは実はジークの方であった。

しかしジークは「安楽死計画」を実行に移さず、エレンの洗脳を解くため「グリシャの記憶」へ連れ込むことに。

ジークがエレンに見せたいものは「グリシャはエルディア復権のために家族を捨て、息子を洗脳することも躊躇わない父親だった」という記憶のはずが、どうやら様子がおかしい。

しかも、実は自分のことを大切に思っていたことがわかってしまいグラついてしまう。挙げ句、エレンに早く次に行くぞと催促される始末。

関連

未来の記憶を見る仕組み

記憶を見せるのは進撃なのか始祖なのか

なぜ「未来は変えられない」のか

この回で張られていた伏線

ボールを取れない

ジークが投げた球を取れないエレン

シガンシナ区上空を鳥の群れが飛んでいる

記憶の断片が示すもの

見開きページの無数の「記憶の断片」は、エレン、グリシャ、クルーガー、フリーダの記憶映像と思われる

ラムジー【記憶の断片】

記憶の断片ページ。ミカサの右隣の帽子を被った少年

大人ヒストリア【記憶の断片】

記憶の断片ページ。左上に大人のヒストリア。

エレンの切ない表情

37ページ(記憶ツアー4ページ目)左下のエレン。切ない表情で家族3人の幸せそうな様子を見ている

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この回で回収された伏線

叫びの力の秘密

伏線

「叫びの力」を発動するには?ハンジ「あの時は叫んだ以外に何かやらなかった?」

17巻67話「オルブド区外壁」

回収

パンチしていることが鍵であるかのような描写。しかし実際にはカルラを食べた巨人(王家の血を引く巨人)に触れていることが重要。

写真

伏線

なぜクルーガーはグリシャに写真を渡したのか?

22巻88話「進撃の巨人」

回収

おそらくエレンの鍵と同じ役割。復権派の任務やこのときの気持ちを思い出せるようにするため、と考えられる。

後で誰かが見てる?

伏線

クルーガーのセリフ「後で誰かが見てるかもしれん」

22巻89話「会議」

回収

エレンがグリシャの記憶を見ること? or ジークとエレンによる記憶ツアーを示唆?

この世に生まれてきてしまったからです

伏線

ヴィリー「私がこの世に生まれてきてしまったからです」に被るエレン

25巻100話「宣戦布告」

回収

エレンの「オレがこの世に生まれたからだ」との対になる。さらにジークとは考えが違うことを示唆。

謎の少女

伏線

ジークが意識を失いそうになりながら見た少女。ジークの体を再生させた

29巻115話「支え」

回収

座標にいる始祖ユミル。

待て

伏線

エレンがジークの叫びを止めようとしている。セリフの主がはっきりしないが、手を伸ばしているのでおそらくエレン。ライナーも意外そうにエレンを見ているので間違いなさそう。

30巻119話「兄と弟」

回収

エレンとジークは意見が違うことを示唆している。

ボールを取れない

伏線

ジークが投げた球を取れないエレン

30巻120話「刹那」

回収

エレンとジークのすれ違いを示唆

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始祖ユミル?【記憶の断片】

記憶の断片ページ。最左下に始祖ユミルらしき人物。

考察

フリーダ(王家の血を引く始祖の巨人継承者)の記憶? or エレンが直後に見ることになる始祖ユミル(未来の記憶)?

小ネタ・擬音

スクールカースト【記憶の断片】

小ネタ

左最上部。スクールカーストのミカサとアルミン。

内容

単行本巻末のおまけマンガ「進撃のスクールカースト」に登場するミカサとアルミン。スクールカーストは本編の100年後の世界であると解釈できないこともない(34巻参照)が、定かではない。読者には本誌しか買わず単行本を読まない人もいるのでこれをどう扱うかは難しい問題。2019年7月20日進撃の巨人展の宣伝番組「芸能界 進撃の巨人愛No.1決定戦(TOKYO MX)」にてお笑いコンビ麒麟の川島明氏が作者にスクールカースト好きを伝えた際、作者が本編に入れる旨の発言をした。その答えがこれだと巷では言われている。

所感・考察

記憶の断片に知らない顔が1人

記憶のフラッシュバック映像。

前半は鳥の視点のように見えます。あるいは、「刹那」を表現しているのでしょうか。後半、ジークがエレンの頭をキャッチした後の見開きはおそらくエレンの記憶の断片たちなのだと思います。

トルコ帽のような帽子を被った少年がミカサの右下に結構な大きさで配置されていますが、これ誰なのでしょうか?

アルミンよりも大きく描かれているということはかなり重要な出来事として心に残っているのだと思います。

※123話「島の悪魔」に登場します。

座標に到達?

戸惑うエレンはここはどこ?あの娘は誰?と色々質問しますが、ジークは終始あやふやな物言いをします。

  • すべての「道」が交わる座標…だと思う。
  • よくわからないが…ここでのすべては一瞬の出来事だ
  • 始祖ユミルさん以外にこんな所をブラブラ歩いている人が他にいるか?

~ではないから、…に違いない。多分、だってそうだろう?的な理屈でガンガン話を進めていきます。

まあ、多分当たっているのでしょうけれども、もしかしたらこの中に「引っ掛け」が紛れているかもしれません。

始祖ユミル?

座標に現れた少女は始祖ユミルなのでしょうか。

ジークは「他に誰がいるんだよ」と言っていますが、いる可能性はゼロではありません。エレンが「なぜわかる?」と言う気持ちもわかります。

エレンは少女を見て「ずっと…ここに…1人で…」と神妙な面持ち。

不戦の契り

ジークは幾重もの鎖に繋がれて地べたに座っています。これが「不戦の契り」らしいです。

半分ギャグのような感じで会話が進んでいくので、どれが本当でどれが嘘かわかりにくい部分もあるのですが、はっきり嘘と言える証拠もないのでジークが言っていることはだいたい合っているのでしょう。

ジークは不戦の契りに縛られており、始祖ユミルに命令できるのはエレンだけだと言います。

エレンの本音とジークの嘘

騙されたフリをしていたエレン

そういう訳で、さあ俺たちの夢を実現しよう、というとき、エレンがついに本音を打ち明けます。

「すべてのエルディア人を…安楽死させる。こんなふざけた計画オレは到底受け入れられない。悪いが兄さん、オレはここに来るためにあんたに話を合わせていただけだ」

ガーン。

でも、読者はみんな初めからわかっていたと思います。イェレナから安楽死計画を聞かされた時、アルミンもそんなのエレンがやるわけないじゃん、と否定していました。

ジークに理由を問われると、

「オレがこの世に生まれたからだ」と返すエレン。彼の根本は何も変わっていませんでした。

ところがどっこい、カッコよくキメたエレンを始祖ユミルは無視して素通りして行きます。

もしもーし、ユミルさーん。

なぜ??

騙し返すジーク

今度はジークのターン。「やっぱりかよ、エレン…」

鎖を自らほどきながら、種明かしを始めます。

ジークはエレンのことを信用していなかったようです。これまでの流れでそんな雰囲気は匂わせていましたが、まさかこの期に及んで座標にまで来て、始祖ユミル様の目の前で騙し討ち白夜状態です。

ジークが言うには、

  • 自分は歴代の壁の王とは違い、初代王(145代カール・フリッツ)の思想に染まらぬままここに到達した。
  • そして気の遠くなる時間を始祖と共に過ごす中で、「不戦の契り」を無力化することに成功した。
  • 始祖ユミルは絶大な力を持っているが、その正体は自分の意志を持たない奴隷である。
  • 王家の血を引く者を自分の主人だと思い込んで服従し続ける。

エレンは首をふっ飛ばされたので座標に来るまで時間がかかった。一足先に到着したジークはエレンを待っている間に始祖ユミルのことを観察して気づいたのでしょう。彼女が奴隷であることに。

ということで、今ここで始祖の力を使うことができるのはジークの方でした。

ジーク、余裕の行動の理由は?

すぐさま安楽死計画発動かと思いきや、ジークはエレンの洗脳を解いてやると言い始めます。

なんでこんなことするのでしょうか??

エレンのことなんて放っておいてさっさと始めればいいじゃないですか。とっても不可解で不思議です。

ましてやエレン本人が「やめろ、無駄だ」とまで言っているのに。

この辺の謎は、グリシャの記憶ツアーの中で少しずつヒントらしきものが提示されていきます。

グリシャの記憶を巡る旅

ジークはエレンにグリシャの記憶を見せて洗脳を解こうという魂胆です。

グリシャがどのようにしてエレンを洗脳して民族主義を植え付けたのか、見せてやると豪語します。

★★★

記憶はエレンが赤ん坊のときから始まります。おいおいそこからやるのかと思ってしまいますが、そこにジークの本気度が伺えます。

「いかにも幸せそうじゃないか…仲間や以前の家族を地獄に突き落として生き永らえているにしては」

「良かったなグリシャ…ここじゃ1回目の家族を一切忘れて幸せを享受するあんたを誰も咎めない。以前も息子がいたことを一切忘れて。」

カルラとエレンに囲まれて幸せそうなグリシャを見て吐き捨てるように言うジーク。グリシャが始祖の巨人を奪うために医者の立場を利用して壁内の権力者に接触を図るシーンでも、嫌悪感を示します。

そんなジークに対してエレンは「幻滅した」「洗脳が解けたよ」と白々しい態度。バレバレな演技ですが、ジークは焦らなくていいと諭して次の場面へ。

ある日、グリシャは権力者の部屋で重要な手がかりを見つけ、壁の王の根城の場所を発見します。このときはエレンがまだ幼い頃であり、実際に攻め込んだときよりも随分早い時期になります。意外そう見つめるエレン。

グリシャは早い段階で壁の王の居場所を突き止めていたにも関わらず、家族との幸せな時間が惜しくて始祖奪還を先送りにしていたのです。

ジークが想像していたような、エルディア復権のためなら家族を捨てるようなグリシャはそこにはいませんでした。それでも、エレンが洗脳されていることを諦めないジーク。

そして、自宅の地下室で寝落ちしていたグリシャが「ジーク…ごめんな…」と寝言を言います。そばにはダイナとジークと共に撮った家族写真…

これにはさすがのジークもグラっときてます。ヤバいです。予定が狂ってしまいそうです。

さらにグリシャは目の前のジークに気がついた様子で、「ジーク…そこに…いるのか?」と呼びかけます。

おいおいどういうことなんだこれは?

次だ。次の記憶だ。

読者もジークも置き去りにして先へ促すエレン…

続く。

必死なジークと冷静なエレン

記憶の旅に連れ出したのはジークなのに、なんだかエレンのほうが主導権を握っているような雰囲気になっています。

「ねえ、見てエレン!グリシャはこんなにひどいんだよ!!」と煽るジークに対して、エレンは随分落ち着いた態度で見物しているように見えます。

ちょっと意外な事実が発覚しても「ほほう、そう来るのね」ぐらいな感じです。

なんなんでしょう。この差は。

単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第120話「刹那」

A Fleeting Moment
公開
別冊少年マガジン:2019年9月号
発売日:2019年8月9日()
コミックス
発売日:2019年12月9日()

サブタイトル「刹那」の意味

エレンとジークが触れ合う刹那。

関連

未来の記憶を見る仕組み

記憶を見せるのは進撃なのか始祖なのか

なぜ「未来は変えられない」のか

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