第104話「勝者」
概要
圧倒的な破壊によって港ごと、いや港町ごと破壊してマーレ海軍を無力化した超大型巨人アルミン。自分が焼き払った街を、自分が殺した子供を見下ろして、悲痛な表情を浮かべる。これがベルトルトが見た景色だった。
「車力の巨人」のピークを庇うために飛び出してきたファルコ。ジャンは一瞬躊躇う様子を見せつつ、覚悟を決めて雷槍を放つ。車力が噴出した蒸気のせいか、それともジャンの気持ちの乱れのせいか、わずかに雷槍の機動が逸れてしまった。
マガト隊長率いるマーレ兵たちが銃で応戦している間にガビとファルコはピークを連れて避難。立体機動の調査兵団が銃の射程圏で戦うのは厳しく、ジャン達は一旦退かざるを得ない。
仲間を倒され怒りに震える「顎の巨人」のポルコは強力な爪と牙でエレンに襲いかかる。そのスピードはミカサでも捕らえ切れない。苦戦しつつもエレンはこの「顎」の能力を使って「戦鎚の本体」の結晶を砕くことを思いつく。
未だ決着がつかないままだったが、ハンジとアルミンを乗せた飛行船がレベリオ収容区に近づいてきた。目的はエレンや調査兵団のメンバーを回収すること。舵を握るのは黒い肌の新キャラ・オニャンコポン。サシャやコニーが屋根に明かりを灯していたのは、飛行船の航路の目印にするためだった。
顎の巨人ポルコが飛行船に気がつき、破壊しようと飛び出したその瞬間…その隙をミカサが見逃すはずもなく、顎の巨人の両足を切断、続けてエレンが両腕を引きちぎる。さらにエレンは「戦鎚の水晶体」を「顎の巨人の口」に入れて牙の力で粉砕、戦鎚の脊髄液を飲み込んだ。さながらクルミ割り人形である。
エレンが続けざまに顎の巨人も食おうとしたその時、ガビとファルコがライナァアアアに助けを求めて絶叫を始める。本当はこのまま死にたいのに子供たちのために渋々起きたライナー。「顔はそのまま」というなんとも不気味かつ不完全な状態で巨人化してエレンに立ち向かう。彼はまだまだ死ねない運命のようだ。
今のライナーではエレンに敵うはずもなく、一方的に殴り飛ばされるが、なんとか顎の巨人を取り返すことに成功。エレンたちは飛行船が迫ってきたので時間切れ、力も使い果たしたためここで撤退。「ライナーまたな」
これにて決着かと思われたが、ガビの気は全く収まっていなかった。復讐の鬼がエレンを追って走り出す。
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この回で回収された伏線
この部屋にはいない
部屋にいるのは戦士隊だけだが、盗聴器があって軍の幹部が会話を聞いている
24巻95話「嘘つき」
ライナーとピークは思想調査であることを察し言葉を選んでいるが、ポルコは気づいていない。後のレベリオの戦いでもポルコは熱くなって独断で行動し失敗している。
明かりを灯す
コニーとサシャが屋根に明かりを灯している理由
25巻102話「後の祭り」
飛行船の航路の目印。夜の間に作戦を終わらせなければいけないことを示唆
時間までに戦鎚を無力化
ジャンのセリフ『時間までにあの「戦槌の巨人」を無力化すればな』
25巻102話「後の祭り」
調査兵団の作戦に時間制限があることを示唆
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謎
戦鎚の記憶
戦鎚を食った直後、目を見開くエレン。どんな記憶を見たのか?
不明
顎の巨人をすぐ食わないエレン
ライナーが巨人になるのを待った?
不明。顎を生かしておけばジークの脊髄液を摂取したファルコが生き延びることになるから?
今は殺せやしないだろう
エレンのセリフ「ライナーは… …今は 殺せやしないだろう」
エレンがライナーを殺せない?ライナーがエレンを殺せない?どっち?
帰ろう 私達の家に
ミカサのセリフ「じゃあ 帰ろう 私達の家に」
ミカサの夢に登場するエレンと2人で暮らす家のことを指している?現実では2人で住んでいる描写はない。
小ネタ・擬音
ヒカキン
ヒカキン → 人気YouTuber
顎の巨人がエレン巨人が掴んでいる戦鎚の巨人の本体の結晶を爪で引っ掻いたときの音
追いがつお
オイ!?ガツオ → 追いがつお。鰹出汁で煮込む料理に最後に改めて鰹節を入れて香りと旨味を加えるテクニック
ライナァアアを始めるガビが窓の外に乗り出すときの音とそれに驚くコスロの「オイ!」の合わせ技
単行本、別冊マガジン掲載時の情報
タイトル | 第104話「勝者」Victors |
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公開 | 別冊少年マガジン:2018年5月号 発売日:2018年4月9日(月) |
コミックス | 発売日:2018年8月9日(木) |
サブタイトル「勝者」の意味
調査兵団が勝ったように見える