第101話「戦鎚の巨人」
概要
ヴィリー・タイバーの宣戦布告を受けてエレンは巨人化。ヴィリーを捕食し、マーレ軍幹部を一掃、そして戦槌の巨人と戦いが始まった。
場内はパニックになり、逃げ惑う観衆。客席にいた戦士候補生も巻き込まれ、ゾフィアは瓦礫の下敷きになり、ウドは群衆に踏みつぶされる。
マガト隊長は反撃の口火を切り、対巨人砲で応戦。穴に落とされていたピークとポルコはパンツァー隊に救出され反撃の準備を始める。
完全に戦場と化したレベリオ収容区。
戦槌の巨人の戦闘中のエレンの元にミカサが援護に駆け雷槍を放つ。調査兵団は怒涛の攻撃でマーレ軍兵士を次々に討伐。
まだ登場人物が足りない中これで決着、という訳にはいかなそうな雰囲気の中、次回に続く。
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この回で回収された伏線
戦槌の巨人の継承者
タイバー家一族が描かれているが誰が継承者かはわからない
24巻97話「手から手へ」
右奥のメイド姿の女性。ヴィリーの妹ラーラ(アニメ65話で名前が判明)
パンツァー隊に抱きつくピーク
ピークがパンツァー隊のメンバーの1人に抱きつく
25巻99話「疾しき影」
ピークは顎髭の兵士を怪しんでおり、尾行するように指示していた。
戦鎚の巨人の正体
お前を犠牲にした…のコマで大きな近衛兵とメイドが並んで立っている。
25巻100話「宣戦布告」
戦鎚の継承者はメイド(ヴィリーの妹ラーラ)。
戦鎚の巨人の本体
なぜうなじをガンガン殴られても平気だったの?
25巻101話「戦鎚の巨人」
本体はステージがあった場所に隠れているが、エレンが気づくまで本体に繋がる足元(ワイヤー)が描かれていない
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謎
なぜカルヴィ元帥は逃げないのか?
なぜカルヴィ元帥は逃げないのか
死を悟って開き直った?実はエルディア復権派であり「エレン、後は任せたぞ」的な態度?
「今だ ミカサ」
どうやってエレンはミカサが戦鎚の巨人の背後にいて準備万端だと認識していたのか?
手紙によって調査兵団がこの日この時間に作戦行動を取ることは予測・把握は出来るかも知れない。しかしエレンにとってミカサが戦鎚の背後に居て機会を伺っていることを把握するのはとても難しいことのように思える。まるでテレパシー。地中から生えた槍のようなもので突き上げられた時に戦場を俯瞰して確認していた?
小ネタ・擬音
掟破りの先制攻撃を仕掛けるエレン
戦鎚の変身完了を待たずして殴り掛かるエレン。
諫山ギャグ。さらにとどめを刺す前に武士の情けとばかりに最期の言葉を聞いてくる戦鎚を容赦なくミカサに背後から攻撃させるエレン…
進撃の巨人登場で演説会場は殺戮現場になり大混乱
舞台上ではヴィリー・タイバーが世界からパラディ島へ宣戦布告、と同時に舞台の下でエレンがパラディ島から世界へ宣戦布告。そして、巨人化したので逆に上からこんにちは。
突然巨人が出現し大混乱の場内、逃げ惑う観衆。エレンはヴィリーを捕まえて真っ二つに切り裂いてパクリ。続けて観客にダイブしてマーレ軍の幹部を一掃。
カルヴィ元帥は覚悟が決まっていたのか静かにエレンを見つめて微動だにしませんでした。周囲の軍人の慌てふためいている姿とは対照的です。
戦士候補生も例外なく被害に巻き込まれます。ゾフィアが飛び散った建物の破片の下敷きになり死亡。全速力で逃げる観衆の波に巻き込まれ頭が潰れるまで踏みつけられるウド。
かろうじてコルトとガビは生き延び、瀕死のウドを抱えてファルコを探し始める。
VS 戦槌の巨人
戦槌の巨人の正体はヴィリー・タイバーの妹
戦槌の巨人の正体はヴィリーの妹でした。演説中ステージの袖に立っていた家政婦のような姿をしている女性です。
兄さんの立派な務めに感動した妹タイバーが戦槌の巨人に変身!
しかし、完全に変身が終わる前にエレンの先制右ストレートを浴びてビルに激突。間髪入れずにエレンは戦槌に馬乗りになってボッコボコに殴り続けます。
戦槌の巨人の能力は武器を自在に作って操ること
戦鎚の巨人の見た目はツルンとしていて今までにないタイプ。固有の能力は武器を作ることでしょうか。
地面から太い針を発生させてエレンを串刺しにしたり、かなづちのようなものを作り出して操っています。かなづちが戦鎚の由来なのでしょう。
攻撃力はなかなかのもので、エレンの硬質化した両腕のガードを突き破って頭を打ち砕いています。
マーレ軍の動き
マガト隊長が反撃の口火を切る
演説会場を一望できるビルの上から戦況を見つめるマガト隊長らマーレ軍。
兵士らの言葉によると、カルヴィ元帥らマーレ軍幹部は全滅、戦士隊はいまだ見つかっていない、素人の避難はまだ終わっていない、ここにいては危険、ということがわかります。
騒ぎ立てる兵士を背にして、おもむろに豆鉄砲を放ち反撃の口火を切ったマガト隊長。シュールです。
ピークとポルコがパンツァー隊に救出される
ヴィリーの演説中ずっと井戸の底に閉じ込められていたピークとポルコ。無事パンツァー隊(ピークの車力の巨人の砲台に乗って銃を打つ兵士たち)に救出されます。
ピークは穴に落とされる前、パンツァー隊の兵士に抱きついたときに尾行を指示していました。あの時みんなが羨ましがる中、抱きつかれた本人がうっとりするでもなく驚いた顔をしていたのはこれが原因だったのです。
ポルコの戦士としての資質
穴の底で地響きを感じ、巨人同士の戦闘を察知するピークに対し、そんはずないと言うポルコ。どうもポルコは勘が鈍いようです。
脱出した後も、車力の準備に少し時間がかかると分かるや否や、じゃあ俺は先に行くと焦りまくってピークに諭されています。
ライナーが鎧の巨人に選ばれたのはマルセルの印象操作だけが原因ではなかったのではないでしょうか。
マガト隊長の思惑
隊巨人野戦砲でエレンを攻撃するマーレ軍。このままでは「始祖の巨人」を奪還する前にエレンを殺してしまうと心配する兵士。なぜなら「始祖奪還」はマーレの国是だからです。
しかし、マガトはエレンを殺す気でいます。「巨人の力に頼らない」それが新しい国是だと宣言。つまり今はもう自分がマーレ軍のトップなのだということでしょう。
パラディ島勢力の動き
ついに現れた調査兵団
マーレ編が始まって以来、エレン以外はパラディ島の人間がさっぱり出てきませんでしたが、ついに調査兵団が空を舞う姿が描かれました。
ピークはシガンシナ区での戦いを経験していますので、彼らの姿を見て「そんなわけが…」と驚いています。
彼女が知り得る情報の範疇で考えると、パラディ島の技術力では調査兵団の人間がマーレにやってくることは不可能だからです。どうやって来たんだこいつら。
このコマだけだと誰が誰だかわかりませんので、おなじみのメンバーなのか、新キャラがいるのか、この時点では不明です。
ミカサ登場。エレン…お願い…帰ってきて
頭を吹き飛ばされてしまったエレンは巨人のうなじから姿を表して戦鎚を睨みつけます。
そして、戦鎚の巨人はここで危険な立ち回りをしてしまいます。
「簒奪者エレン・イェーガー、最後に言い残すことはありますか」
ああやっちゃった。こんな悠長なセリフを言うやつは絶対に痛い目を見ます。
案の定、この隙を狙ったエレン。
ミカサが片手に4本ずつ計8本の雷槍を携えて戦鎚の背後からズドン。
これをきっかけに一気にパラディ島側が攻勢を仕掛けます。マーレの兵士を撃ち殺し、大砲は雷槍で破壊。ツーブロックヘアのジャンらしき姿も見えます。
エレンが手紙を送っていた相手は定かではありませんが、「仲間」というのはミカサら調査兵団であることは間違いないでしょう。
続く…
気になる描写
エレンはミカサがいることがわかっていた?
戦鎚の隙をつき、ミカサを呼んで攻撃させたエレン。なぜミカサがいることがわかっていたのでしょうか。
事前に打ち合わせをしていた?戦いながらミカサの居場所を探っていた?
しかし、そんな様子はありませんでし、エレンのセリフだとみんなが来てくれるかどうか不確かなまま戦いに突入していたようなので、別な答えがありそうです。
前回100話では、さもファルコの心を見透かしているような描写がありました。
テレパシー?のような、不思議な能力を身に付けているようです。ミカサやリヴァイのやたら察知能力が高い、あれに近いものを感じます。
これは進撃や始祖の巨人によるものなのか、エレン特有のものなのか。
パラディ島勢力の狙いは?
彼らがなぜこのレベリオ収容区祭事でヴィリー・タイバーの演説を狙って攻撃を仕掛けたのか。
91話でマーレ編に突入して以降、マーレ軍はパラディ島へ始祖奪還に向かう予定でしたから、エレンたちを敵視していることはわかります。
しかし、パラディ島側の調査兵団が自ら出向いて攻撃を仕掛ける根拠は不明瞭です。
グリシャの手記で世界の状況を把握することが出来ていたとしても、わざわざマーレに乗り込むのはリスクが大き過ぎます。
単行本、別冊マガジン掲載時の情報
タイトル | 第101話「戦鎚の巨人」The War Hammer Titan |
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公開 | 別冊少年マガジン:2018年2月号 発売日:2018年1月9日(火) |
コミックス | 発売日:2018年4月9日(月) |
サブタイトル「戦鎚の巨人」の意味
九つの巨人の一つである戦鎚の巨人が登場
「戦鎚」※別冊マガジン掲載時
他の知性巨人由来のタイトルに合わせて変更されたと思われる。