第98話「よかったな」

概要

マーレ軍本部では始祖奪還作戦のため、パラディ島の地理について確認する戦士たちの姿。潜入経験者のライナーは詳しく説明するも、上官はまともに話を聞いてくれない。無能な上層部を嘆くポルコ。その中で、マガト隊長が少しいつもと違うことにライナーは気付いていた。

それもそのはずマガトはヴィリーと組み、この1ヶ月の間にマーレ軍の組織改編のため秘密裏で動いていた。老害を排除し、自身が元帥の座に就くつもりのようだ。そして、マーレ内への「敵」の侵入を察知し警戒を強める。

負傷兵クルーガーと出会ったことで意識が変わったファルコはガビを守るために日々の訓練にも力が入る。ある日、ファルコがクルーガーの元を訪ねると、傍らには見慣れないグローブが。家族から贈られたものらしいが…

祭事の準備は着々と進む中、戦士候補生のウドは外国人のエルディア人に対する憎悪の感情はマーレ国内の比ではないことを危惧する。ヴィリーは演説で本当に外国を味方につけられるのだろうか。

祭事当日、演説の直前になってファルコはライナーをある場所に誘い出す。そこで待っていたのは……

この回で張られていた伏線

それが兄貴ってやつだろ

エレンとはろくに交流がないはずのジークが兄貴がなんたるかを語っている

回収32巻130話「人類の夜明け」

キャッチボール

ジークとコルトがキャッチボールをして遊んでいる

回収29巻115話「支え」

家の増築の件

老朽化が深刻なので大幅な解体工事が必要。

回収25巻100話「宣戦布告」

震えるヴィリー

ヴィリーはなぜ震えている

回収25巻100話「宣戦布告」

使える柱・ネズミ

使える柱とネズミの意味

回収26巻105話「凶弾」

グローブ

エレンが座るベンチにグローブが置いてある

回収29巻115話「支え」

グリシャの父との接触

グリシャの父、つまりエレンの祖父。

回収32巻130話「人類の夜明け」

ヒィズル国の女性とウド

ワインをこぼしたウドを庇った

回収27巻107話「来客」

何かに気がつくファルコ

ライナーにたかって食いまくる戦士候補生。3コマ目でファルコが誰かに気づいている。

回収24巻98話「よかったな」

何かが変わりそうな気がする

ガビのセリフ「何かが変わりそうな気がする」

回収25巻100話「宣戦布告」

いいんじゃない?

ジークのメガネが曇っている。

回収26巻105話「凶弾」

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この回で回収された伏線

グライス

伏線

グリシャを復権派に誘ったグライスの正体。

22巻87話「境界線」

回収

グライスはコルト&ファルコの叔父さんでした。

謎の男

伏線

ライナーと戦士候補生が街に遊びに行くのを見ている右腕に腕章を付けた男。

23巻93話「闇夜の列車」

回収

エレンでした

進み続けた者にしかわからない

伏線

エレンの覚悟

24巻97話「手から手へ」

回収

このセリフで謎の負傷兵がエレンであることがほぼ確定。

何かに気がつくファルコ

伏線

ライナーにたかって食いまくる戦士候補生。3コマ目でファルコが誰かに気づいている。

24巻98話「よかったな」

回収

エレンを呼びに行った

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マガトの異変に気づくライナー

パラディ島制圧作戦の会議中、マガトが上の空である様子に気付くライナー。

考察

マガトは前の回でのヴィリーとの話が気になっている模様。

グリシャの父の教育方針

グリシャの父は結局何を後悔しているの?

考察

おそらくグリシャの父は「グリシャが壁を出たという行為、外に向かう気持ち」を今でも認めず、尊重していない。つまり本音は「グリシャは壁の外に出ない家畜でいてくれれば良かったのに…」と思っていたということ。「全ては私が」と言っているが、「グリシャの気持ちを認めてあげれば良かった」と後悔しているようには見えない。あくまでも「壁を出ようとする気を起こさせない教育に失敗した」という方向性であるように見える。

グリシャの教育方針

グリシャはジークの反省をエレンの教育にどう活かした?

考察

グリシャの父に対して、グリシャはエレンが壁の外に出たいという気持ちを認めて尊重している。

タイバー家とヴィリー

演説前夜のパーティー

考察

マーレは憎いがタイバー家は違う、という各国首脳の態度が見て取れる。

所感・考察

無能なマーレ軍の上層部

マーレ軍本部では始祖奪還作戦の会議が行われ、ライナーは上官にパラディ島の地理を説明しています。

パラディ島の兵団は巨人は南からやってくるという意識が強い。実際にその通りであるが、その意識のせいで北側の山岳部は守りが薄くなっている。

とはいえ、大型船が着岸できるのは南側の波止場のみ。しかしその南側でマーレの調査船32隻が消息を絶っている……。

ここまで説明したところで上官は話を止めてしまいました。エルディア人の話をまともに聞く気はないようです。

その横で話し合いに参加するでもなく、心ここにあらずといった感じで黙って考え事をしているマガト隊長。ライナーは何か勘付いた様子。

上官の態度にポルコも皮肉を込めて嘆いています。かつて子供4人にパラディ島に潜入させたマーレ軍、これからエルディア人はどうなっていくのか。

ファルコの覚醒と兄弟愛

戦士候補生の訓練を眺める現巨人戦士たち。

持久走でファルコが初めてガビに先着。負傷兵クルーガーの訓示「悔いなき選択」に影響を受けたのか吹っ切れたような様子です。ライナーも驚きを隠せません。

コルトは今更ファルコが頑張ってもガビの鎧継承は揺るがないと言います。すでに自身の獣の継承が内定しているため、弟には巨人になってほしくないのが本音。

そしてうっかり「ファルコまで巨人にならなくたって…」と口を滑らせたコルト。ジークは一瞬咎めますが、「それが兄貴ってヤツだろ」と知った風な言葉をかけてキャッチボールに誘います。

巨人の継承争いと言えば、苦い思い出があるポルコ。「軍の選考基準なんて曖昧なもんだ」と吐き捨てます。

ファルコはガビへ告白。

なぜいまさらそんなに頑張るのかとガビに問い質されるファルコ。

まだ軍が継承者を発表していない以上、「オレはやることをただやるだけだ」と宣言。完全にクルーガーの影響を受けちゃってます。こんな厨二、ハンジさんに聞かれたらエライ目に合いそうです。

ガビの気は収まらず、兄コルトが獣を継承すればグライス家は名誉マーレ人になれるのに、それ以上何のためにそこまでするのかと食い下がります。

「お前のためだ」

ああ、言っちゃった。

しかし、ガビには通じず。まるで幼い日のライナーのよう。マーレに忠誠を尽くし善良なエルディア人として誇り高き戦士になることしか頭にないようです。

世界のエルディア人に対する敵意

祭事の舞台設営を眺めながら候補生たちの会話。

ガビと違ってウドとゾフィアはマーレを取り巻く状況をよくわかっているようです。

特にウドは外国の収容区から移ってきたため、身を持って実感しています。

彼によると、外国のエルディア人に対する敵意はマーレの比ではなく、レベリオ収容区に呼び出されるというのはかなり屈辱的なことのようです。

これまでの描写で読者が感じる以上にマーレもエルディア人も世界から嫌われているということなのでしょう。

だったらなおさら理解してもらう努力をしなければと言うガビ。前向きです。

水面下で進むマーレの組織改編

ヴィリーとマガトが密会をしてから1ヶ月、水面下でマーレ軍上層部改変の計画も進められている模様。

またしても比喩を使いまくって遠回しな会話を展開する2人。

マガト隊長は軍の上層部から老害を大量に排除し、元帥の座に就くことになるようです。

軍はあなたのものだと言われたマガトは「軍は国家のものだ。そして国家はタイバー家のもの。私はあなたに従っているだけ」と主張。

しかし、ヴィリーは国は国民のもの、マーレ人とエルディア人のものであると言います。

あくまでも自分は偶然順番が回ってきただけであり、仕方なく今回の事態に対処しているだけ、1つの国だけでなく世界の命運がかかるこの局面で。

しかしそれにしてもこの操舵線は重い、なんなら今すぐ手放したい。手を震わせ、暗い顔でうつむくヴィリー…。

ネズミは誰だ

マガトによると自壊寸前マーレ軍にも、まだ使える人間がいたようです。

そして、その者たちによると、既にマーレにネズミが入り込んでいる。

これでマガトとヴィリーにその存在が知れたことがはっきりしました。

クルーガーのグローブ

ファルコは師匠負傷兵クルーガー(ネズミ候補その1)と面会し、ガビに勝った報告。手紙のやり取りは1度や2度ではなかったようです。いいようにこき使われています。

クルーガーの傍らには野球のグローブ…。さっきキャッチボールをしている人がいましたね。きっと家族の方でしょう。「それが兄貴ってヤツだろ」

これで97話でジークが電話していたのが誰か、おおよそ検討がついてくるのではないでしょうか。おそらくエレン側の誰かがマーレに潜伏しているのでしょう。それがネズミ候補2だと思います。

そして師匠も「進む」と宣言。いよいよ動き出すようです。

ファルコは「先生」の存在に気づき、そそくさと帰ってしまいました。先生とは?

クルーガーとイェーガー

区の診療医イェーガー…。ジークのおじいちゃん。そしてグリシャの父。

彼が言うにはファルコの叔父はエルディア復権派の幹部だったそうです。

グリシャと一緒に活動して最後に一緒に楽園送りになった挙げ句、巨人化されずに砂漠に落とされ走って逃げろと言われた彼です。

潔白を証明できない親族は楽園送りにされてしまいます。ファルコたちは家族を守るために戦士に志願していた、という訳です。

コルトが獣を継承することになり晴れてグライス家は名誉マーレ人の称号を得ることになりました。ファルコからしてみると、イェーガー家は獣を譲り受ける相手であり、かつ一家が苦しむきっかけになった相手でもあるわけですからそりゃ気まずいと思います。

そして、イェーガー先生はクルーガーにファルコと関わるのをやめろと言います。おかしな疑いをかけられるとグライス家に危険が及ぶからです。

また、心が健康なら後悔する前に家族の元に帰るようにとアドバイス。クルーガーは逆に「家族に悔いがあるようですね」と訪ねます。そりゃ自分から話題振っちゃうくらいだからあるに決まってるでしょう。

イェーガー先生はグリシャと妹フェイのことで自分を責め続けていたのです。狂ったように叫びだし、医師と看護師に付き添われて去っていくイェーガーを黙って見つめるクルーガー。

あの様子だと区の診療医はすでに引退しているのかもしれません。プライドが高いせいでいつまでも昔の肩書を言ってしまうパターンでしょうか。

前夜祭

マーレ軍本部では祭事の前夜祭。各国の首脳が一同に介しています。

ガビ達戦士候補生は給仕の任務に就きますが、出席者たちはエルディア人の彼らに侮蔑の視線を送ります。

そしてウドが失態。ヒィズル国から来たと思われる着物の女性にワインをこぼしてしまいます。しかし、その女性はウドがエルディア人であることを知っていながら庇いました。

ヒィズル国という新しい名前付きの国が登場しました。東洋の日出ずる国、日本でしょう。

タイバー家の実態

場内ではヴィリーが各国の首脳と挨拶を交わしています。仲良さげにしていますが、会うのは久しぶりなようで、会話の内容も子供の頃のことばかり。ちょっと心配です。

実際、タイバー家は外国と交流なんてしてこなかったのではないでしょうか。

そしてヴィリーの演説予告編。マーレ編に突入して以降、何度も語られているエルディア人とマーレ人の争いの歴史を軽くおさらいし、明日はこの問題に対する回答を披露すると言ってお開き。

祭事当日

翌日、ガビたち戦士候補生にとって生まれてはじめての祭り。あっという間に小遣いを使い果たし、ライナーにおねだり。

薄くなるライナー財布と膨れ上がるガビたちの腹。でもライナーはみんなの喜ぶ顔を見てとっても嬉しそう。

そうだな3連発

…毎日お祭りすればいいのにね。…そうだな。

何だかね、最近初めてのことばっかり起きるの。そうだな。

何だか…、何かが変わりそうな気がする。あぁ…、そうだな。

嵐の前の静けさか、束の間の幸せな時間が終わり、これから2人に起こる悲劇を予感をさせられてしまう絶妙なやり取り。

宿命のライバルと再会

演説開始目前、ファルコがライナーをある建物の地下室へを連れて行きます。

「よかったな。故郷に帰れて」

そこで待っていたのは片足の負傷兵クルーガー。正体はやぱりエレンでした――

単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第98話「よかったな」

Good to See
公開
別冊少年マガジン:2017年11月号
発売日:2017年10月7日()
コミックス
発売日:2017年12月8日()

サブタイトル「よかったな」の意味

訓練でガビに勝って自信をつけたファルコ、元帥に内定したマガト、故郷に帰ることが出来たライナーなど、表面的には良いことだが本人や周囲にとって素直に「よかった」とは言えないようなことが起きる。

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