第87話「境界線」
概要
グリシャの手記による回想。
パラディ島へ楽園送りにされたグリシャやエルディア復権派のメンバー。次々と巨人にされるグリシャの仲間たち。
ついに妻ダイナも巨人にされた時、エレンが悲鳴を上げて目覚める。
エレンは自分のことを「私」と言い、涙を流しながら自分が父グリシャの記憶と繋がったことを理解する。
再びグリシャの回想へ。
グリシャは妹フェイを殺した男・グロス曹長がいることに気づき激昂するが、グロスの正論に何も言い返せない。
グロスはグリシャと崖の下にいる巨人と戦わせようとするが、別の兵士がグリシャを庇いグロスを突き落とす。男の正体はエルディア復権派を裏で操っていたフクロウだった。
この回で張られていた伏線
クサヴァーの導き
グリシャを告発したジークの横に居る眼鏡のおじさん。
フクロウの正体
フクロウのコマで思いっきりフクロウについて語られている
東のマーレ敵対国
フクロウが支援と亡命を呼びかけていた「東のマーレ敵大国」
グライス
グリシャを復権派に誘ったグライスの正体。
お前は自由だ
グロス曹長からグライスへのセリフ。巨人化は免れたが崖から突き落とされ、この後巨人に追いかけられることが確定している。
エレンとグリシャのシンクロで生まれる謎
ダイナの正体がわかったとき、目覚めたエレンは「あの巨人…お前だったんだな ダイナ…」と言う。
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この回で回収された伏線
エレンの長い夢
エレンは長い夢を見ていた?
1巻1話「二千年後の君へ」
87話「境界線」でエレンは1話と同じように目が覚めた時に涙を流しており、「夢じゃねえ…記憶だ…」と言っている。しかし1話では目覚めた後に内容を完全に忘れ去っているので記憶を見るのとは違うというか期待される機能を果たしていない。この作品では夢と記憶の区別は曖昧である。また、エレン達が記憶で見る過去も主観でしかないため実際にあったことなのかどうか判別するのは困難である。矛盾しているように感じられる要素や出来事の真相を探る鍵はそこにあるかもしれない。
髪が伸びていないか? その1
エレンのセリフ「ミカサ……お前…髪が伸びてないか…?」
1巻1話「二千年後の君へ」
エレンが目が醒めた直後に「私は…なぜ」と口にしたが、これはグリシャとシンクロしている証拠(グリシャの一人称は私。もしかしたらダイナかもしれない)。1話のエレンも同様に「いってらっしゃい」を実際に見た人とシンクロしている可能性がある。
カルラを食べた巨人
カルラを食べた巨人の正体
1巻2話「その日」
ダイナ・フリッツ。グリシャの前妻、ジークの母。49-50話で再登場しエレンが「座標の力」を使うきっかけになる。ダイナは王家の血を引く特別な存在であり、始祖の巨人の力など重要な謎についても深く関わってくる。
駆逐してやる一匹残らず①
エレンのセリフ「駆逐してやる一匹残らず」なぜこんな言葉を10歳の子供が言うのか
1巻2話「その日」
グロス曹長のセリフと同じ(つまりグリシャの記憶の影響?)。「巨人を」とは言っていない。「一匹残らず」は比喩ではない。
ミーナを食べた巨人
エレンとアルミンと同じ班だったミーナを食べた巨人
1巻4話「初陣」
この後サシャを襲うがミカサに倒される。正体はエルディア復権派のメンバー。巨人化直後にグロス曹長を食った。トロスト区攻防戦に登場する巨人は復権派がいると思われるが、はっきりと見分けがつくものは少ない。
エレンを食べた巨人
アルミン未遂、エレンを丸呑みした巨人
1巻4話「初陣」
正体はエルディア復権派のメンバー。
巨人は南から現れる
なぜ巨人は南から現れるのか
3巻12話「偶像」
境界線が島の南にあるから。グロス曹長のセリフ「北に真っ直ぐ走れ」からわかる。
カルラを食べた巨人
カルラを食べた巨人がエレンの目の前に現れた
12巻49話「突撃」
ダイナは巨人化する前「(グリシャが)どんな姿になっても…あなたを探し出すから」と言った。エレンの中にはグリシャがいる。
巨人の正体
ラガコ村の調査によって巨人の正体は人間であることがほぼ確定する。ではなぜ人間が巨人になるの?
13巻51話「リヴァイ班」
巨人化する薬(脊髄液)によって巨人になる → 壁外をうろつく巨人の正体は、大陸で罪人となり楽園送りにされたエルディア人。
楽園送り
壁外を彷徨う巨人がマーレで罪人となったエルディア人であることがほぼ確実になった。
21巻86話「あの日」
見た目からしてダイナがカルラを食べた巨人になるということが予想できる(難しいかもしれないが)。
フクロウの正体
フクロウのコマで思いっきりフクロウについて語られている
22巻87話「境界線」
同87話のラストで自ら名乗り出るが…事前に気付けるように描いてある。
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謎
クルーガーがダイナの身分を隠した理由
なぜクルーガーはダイナが王家の血筋であることを隠したのか?家畜のように子供を産まされ続ける人生 or 無垢の巨人。この2択で無垢を選んだのはなぜ?
始祖ユミルや特にその娘たちの境遇が前者の家畜のように子供を産まされ続ける人生であったことが想像される。クルーガーは無意識にそれを避けようとしたのかもしれない。
エレンとグリシャのシンクロ
ダイナの正体がわかったとき、目覚めたエレンは「ここは?私は…なぜ」と言う。
エレンとグリシャがシンクロしている。エレンの普段の一人称はオレ、グリシャは私(俺と言うときもある)。
エレンとダイナのシンクロ
ダイナの正体がわかったとき、目覚めたエレンは「ここは?私は…なぜ」と言う。
「私」がグリシャではなく、ダイナだった可能性もある。ジークの脊髄液で巨人化したファルコが獣の巨人の記憶を見た例がある。ダイナとグリシャがクルーガーの脊髄液で巨人化したのであれば、エレンとダイナの繋がることは不思議ではない。そうであれば、勲章授与式でエレンがダイナ巨人視点の記憶を見たことやベルトルトを見逃してカルラの元へ向かわせたことの説明もつく。
アルミンもエレンと同じ記憶を見ていた?
ダイナの巨人化の記憶を見て目覚めたエレンに声をかけるアルミンのセリフ。
このときアルミンのセリフは『…今さ 「私は」って言った?自分のことを?』だが、英語版は「今女の人の声が聞こえたけどエレンが言ったの?」的なものである。男性の一人称「私」が引き起こした誤訳かもしれないが、直前までアルミンも居眠りしており、ダイナの巨人化のくだりの記憶を道を通じて見ていた可能性も0ではない。あるいは、エレンとダイナがシンクロしてエレンの声がダイナの声になっていたという表現か。そうであれば130話に登場するダイナ巨人視点の記憶の断片や最終話で判明するエレンのダイナ巨人についての説明はつきやすくなる。
単行本、別冊マガジン掲載時の情報
タイトル | 第87話「境界線」Borderline |
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公開 | 別冊少年マガジン:2016年12月号 発売日:2016年11月9日(水) |
コミックス | 発売日:2017年4月7日(金) |
サブタイトル「境界線」の意味
パラディ島へ楽園送りになったエルディア人が巨人にされる岸壁を境界線と呼ぶ