第65話「夢と呪い」
概要
ケニーが祖父の元を訪れたときの回想。アッカーマン一族が迫害を受けるようになった理由が明らかになる。
王の理想とは、人類すべての記憶を塗り替え、過去の歴史を根絶して一死乱れぬ平和を実現すること。
しかし王が巨人の力によって記憶を改竄できるのは「壁内の大多数を占める単一の民族」のみ。よって王の理想を実現するためには例外的な存在である少数派の民族は自らの意志で過去の歴史を黙秘しなければならない。
少数派民族のほとんどは王に従うことを決め権力を得たが、アッカーマン一族と東洋の一族は王の思想に異を唱えたため迫害されるようになった。
ケニーは巨人の力を手に入れ、この世界の権力構造をひっくり返そうとしていた。しかし、ロッドによれば巨人の力はレイス家の血を引く者でなければ真価を発揮できないという。ロッドはケニーの企みに気づいていながらヒストリアとエレンを揃えるために利用していた模様。
ヒストリアは巨人継承を受け入れるつもりだったが、望みが叶わないこと悟ったケニーがロッドの魂胆を暴露する。
「巨人の力の真価を発揮するのはレイス家の血を引く者」という話が本当ならば、ロッドがエレンから巨人の力を奪えば良い。しかし自分は巨人になりたくないので弟や娘に役割を押し付けてきた。
5年前に巨人を奪われた上に一家を皆殺しにされたときは保身のために事実を隠し、本来不名誉な存在として殺されるはずだったヒストリアを保険として生かしておいた。
そしてここ最近になって行方不明だった巨人の力がエレンに宿っていることがはっきりした段階で事実を白状し、今回巨人を継承させる目的でヒストリアを連れ戻した。
夢破れたケニーはエレンの猿轡を外し、巨人同士で戦わせようとする。
ここまで言われてもロッド・レイスは自分が巨人になるわけにはいかない理由があると主張。ヒストリアも巨人になることが自分の使命と信じ、注射の針を自分の腕に刺す。
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この回で回収された伏線
アッカーマン一族の迫害。ミカサ編
アッカーマン家は都市部で迫害を受け、壁の端に追い詰められた。ミカサの父はなぜ迫害されているのか理由を知らない。
16巻63話「鎖」
南のシガンシナ区の辺り、つまり壁の端に移った分家とはミカサ父の家系のこと。ケニーとリヴァイとミカサは親戚同士。
東洋の一族の迫害。ミカサ編
東洋人であるミカサの母は人種の違いから街に居場所を失い、壁の端に追い詰められた
16巻63話「鎖」
東洋の一族はアッカーマン一族と共に100年前に王政に背を向けたことが原因で迫害を受けることになった。迫害の理由は人種の違いが明確だったから、だけではなかった。
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謎
お前は自由だ
ロッドがケニーに言ったセリフ。どういう意味?
この先の生き方を好きに選択出来ますよ、という意味合い。しかしケニーはその代償が「自分の野望を諦めること」なのであれば、それは生きているとは言えないと考えている。
単行本、別冊マガジン掲載時の情報
タイトル | 第65話「夢と呪い」Dreams and Curses |
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公開 | 別冊少年マガジン:2015年2月号 発売日:2015年1月9日(金) |
コミックス | 発売日:2015年4月9日(木) |
サブタイトル「夢と呪い」の意味
ケニーやエレンの夢、エレンやアッカーマン家、レイス家が背負う呪い。