第8話「咆哮」

概要

トロスト区攻防戦⑤。

巨人を襲う巨人が現れたことで、ガス欠で地面に放り出されるという絶体絶命のピンチを抜け出したミカサ。

アルミンとコニーがミカサの元へ駆け付け、屋根の上に一旦避難する。

ミカサとアルミンは巨人の行動に違和感を覚える。本来は人間を襲うはずが無関心であり、格闘術を思わせる動きをしている。

しかし今はそのような疑問を抱くよりもとにかく街から脱出することが最優先であり、そのために本部を目指そうと提案するコニー。

アルミンはガス欠のミカサに自分のガスを託し、自分はその場に置いていけと言う。

アルミンはまず自分の命を犠牲にすることで問題を解決しようとする傾向がある。ミカサとコニーはアルミンを見捨てない。抱えてでも連れて行こうとする。

しかしアルミンは自分が足手まといになって友達が死ぬのは耐えられない。かといって2人の思いを無碍には出来ない。ここでアルミンは1つの提案をする。

一方、ジャンが引き連れるグループ。

ガス欠の兵士トムが巨人が巨人に捕まり、数名の仲間が助けに入ろうとする。

ジャンは知っている。まともに巨人とやりあっては勝てないことを。下手に勇敢な行動をしても無駄死にしてしまう。

トムと助けに入った兵士に巨人が群がっているスキに、ジャンは本部へ突入することを選んだ。

ジャンの判断は正しかった。トムと助けに入った仲間はやはり皆巨人に食われてしまい、ジャンに続いて本部を目指して飛び立った兵士のほとんどが生き残った。残酷な現実である。

ジャンは恐怖で戦意喪失している補給班を見つけて激しく責めた。

本部に人が集中したこと大量の巨人が迫ってきた。壁を突き破って今にも中に入ってきそうな勢いである。ガスを補給できても外の巨人が倒せなければ脱出は不可能…。

ジャンは改めて現実を知る。巨人と人間の力の差は圧倒的であり、勝てるわけがない。

万事休すかと思われたところへ「巨人を襲う巨人」が現れ、本部周辺の巨人をなぎ倒していく。

次いでミカサとアルミン、コニーが窓を突き破って本部の中に入ってきた。

アルミンの作戦は、「巨人を襲う巨人」が巨人を狙うことを利用したものだった。ミカサとコニーが「巨人を襲う巨人」に群がる巨人を排除し、自然と巨人が群がる本部へと誘導したのである。

さらにこのまま暴れてもらえば、本部周辺の巨人は一層され、兵士たちは生き残れるかも知れない。希望が見えてきた。

この回で張られていた伏線

何度も相手を踏みつける巨人

ミカサの前に現れた巨人は執拗に相手を何度も踏みつけている

謎の巨人は格闘術の概念を持っている

ミカサを救った巨人は人間の格闘術を駆使して戦っている

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単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第8話「咆哮」

Roar
公開
別冊少年マガジン:2010年5月号
発売日:2010年4月9日()
コミックス
発売日:2010年7月16日()

サブタイトル「咆哮」の意味

ミカサの前に現れた謎の巨人の咆哮。ミカサはその巨人の咆哮に人類の怒りが体現されていると感じ高揚した。

考察

前回7話でミカサは仲間を鼓舞して導いた。

しかし、振り返ってみると自分は仲間の命を背負う覚悟がなかったということに気づいた。そして、それに気づく前に1度自分の都合で命を放棄したことを悔いている。

それが原因でたとえ無謀でもアルミンを連れて本部に到達する道を選んだ。コニーも同じ考えであり、アルミンを置いていくなんて初めから選択肢にない。

しかしアルミンの考えは違う。

エレンや同じ班の仲間を失った経験から自分が足手まといになることをまだ嫌がっている。そのためか土壇場では自分の命を捧げる選択をしてしまう。

ミカサとコニーがアルミンを救いたい、一緒に苦難を乗り越えたいと思っているのに、それでも自分の気持ちを優先してしまう。

「巨人を襲う巨人」を利用した作戦を提案することで、結果的に2人に譲歩しているように思える。とはいえ、ミカサとコニーの運動能力、対巨人戦闘力がなければ3人が生き残ることは不可能だった。

そのためアルミンは本部に到着後それほど喜んでいないように見える。

ジャンも仲間を先導して本部に到達したが、道中でトムらを見殺しにしたことはあの状況下では割り切るしかないだろうが、それでも悔やむ気持ちがある模様。そして悩む間もなく巨人たちが次から次へと襲ってくる。

厳しい選択を迫られる物語である。

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