美の巨人 ダリス・ザックレー Beauty Titan Darius Zackly

パラディ島の3つの兵団を統括する総統。美の巨人継承者。作中で最も自由な存在。

クーデターに生き、クーデターに散る。

人生の大半を費やし、憎き(むしろ好きな)中央貴族を至高の芸術品に仕立て上げるために奔走した。

大衆の前に晒すことで初めて作品が完成するというコンセプトは現代アート的で、マルセル・デュシャンの「泉」を彷彿とさせる。

叶わなかった遺作「この世で最も不自由な男」

美の巨人ダリス・ザックレーの遺作「この世で最も不自由な男」

©諫山創 講談社 進撃の巨人 27巻110話「偽り者」

エレンを芸術椅子にセットして島民の前に晒す…これが彼の遺作となるはずだった。

レベリオ襲撃を終えてエレンがパラディ島へ帰還したタイミングで芸術椅子を自室に搬入し準備万端。

芸術は爆発だ

美の巨人ダリス・ザックレーの最期

©諫山創 講談社 進撃の巨人 27巻110話「偽り者」

しかし、そのエレンを担ぐイェーガー派の反逆に遭い、志半ばで生涯を閉じる。

皮肉にもその芸術椅子に仕掛けられた爆弾によって吹き飛ばされ、自らの亡骸を大衆の前に晒して作品を完成させた。

死の謎

爆発時、ザックレーの体は部屋から真っ直ぐ飛び出している。

しかし、ミカサとアルミンが訪問した際、芸術椅子はザックレーから見て左側にかれていた。ということはザックレーは斜めに吹き飛ばされるはず…。

爆弾が仕掛けられたは芸術椅子ではなく、普段遣いの椅子の方だったのかもしれない。

クーデターのために生き、クーデターによって散ったことは、長年の戦友ピクシスが言うように「本望」だっただろう。

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